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コロナ後の美容室で拍車がかかる「時短」意識

2020年も残りわずかとなったわけですが、今年1年ずっと美容室を取材しつづけてきて、「コロナ前」と「コロナ後」(まだ渦中ですが)で何が大きく変わったのか?

個人的にコロナ後の美容室経営で今後ドライブが掛かっていく重要キーワードは、

「次回予約」

「時短」

「店販」

「チームワーク」

の4つだと考えています。

その中の1つ。「時短」については、昨年の月刊BOBで「時短を価値に」という特集を行いました。

コロナ前からずっと言われていたことですが、なぜ美容室で「時短」が求められるのか?

タイムパフォーマンスの核心とも言える時短ニーズ。

あらためて記事を振り返りながらそのニーズを解説していきたいと思います!

約4割の女性が「時短」を望んでいる

働き方改革とともに高まる時短推進。1分1秒でもスピーディな施術が生産性を高め、売り上げ向上につながるというのは、誰もがわかりきっていることだろう。

ただ、これは美容師に限った問題ではない。ヘアサロン利用者からしても、短時間の方がいいという意識は年々高まっている。

(株)リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミー調べ[美容センサス2016年上期]によると、サロン利用時間が『短い方がいい』と回答した人は女性全体(n=5667)で40.4%。特に30代(n=1019)では48.6%と約半数に近かった。

もちろん『今の時間のままでいい』という回答も57.9%あるが、『長い方がいい』と回答した人が女性全体で1.6%と考えると、時短にどれだけニーズがあるかがわかる。

今は人口減少で限りあるお客を顧客化するため、どの美容室も滞在時間を伸ばし、付加価値サービスを提供しがちだが、これは本末転倒かもしれない。

ちなみに同調べによると、サロン利用にかかった平均時間(女性全体)は91分、理想の時間は80分。この11分のギャップを埋めることが、本当の顧客満足度を高める近道となりそうだ。

ヘアサロンの人時生産性は1,500円!

働きやすさの指標として注目される「人時生産性」。人時生産性は粗利(総売上から粗利を引いた金額)÷総労働時間で算出される。つまり、スタッフ1人が1時間あたりに生み出す利益を表すので、時間効率が高いほど、生産性が高くなる。

流通コンサルタントとしての来歴があるカットルームグループ代表・橋本憲夫氏の調査によると、美容室の人時生産性は平均1,500円だという。

他のサービス業と比較してみよう。ファミリーレストラン2,787円、ファストフード3,240円、居酒屋3,480円、スーパーマーケット4,143円、ドラッグストア4,480円、ホームセンター4,634円。ちなみに日本の公開企業の人時生産性は平均5,000円以上だと言われており、いかに美容室の1,500円が低水準であるかがわかる。

人時生産性は経営者が見るべき指標ではあるが、高待遇は優良な経営基盤があってこそ。技術のスピードアップ、すき間時間の有効活用など、個人レベルでも時短意識を高める必要がありそうだ。

なぜ、現代人は忙しくなったのか?

忙しさ時短意識は切り離せない関係にある。

(株)リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミー調べ[美容センサス2017年下期]によると、「この1年で忙しくなった」と回答した人(女性全体)は45.5%。年代が低いほど割合は高くなり、15~19歳では実に69.5%が「忙しくなった」と回答している。

なぜ、昔に比べてテクノロジーが進歩しているはずなのに、人はますます忙しいのか? 同調べによると忙しくなった理由の第1位は「仕事や勉強が忙しくなったため」だが、厚生労働省の毎月勤労統計調査(平成31年分)によると、年間の総実労働時間は1,706時間と6年連続で減少している。

この忙しさの背景には、メールやSNSなどインターネットの発展があると考えられる。歩きスマホではないが、次々と殺到するメッセージに追い立てられ、忙しさが細切れとなって生活時間に割り込んでくる経験は誰もが思い当たるのではないだろうか。

インターネットがもたらした恩恵は計り知れない。しかし、その利便性の一方で、消費者の忙しさは増していることを念頭に入れ、時短価値に目を向けることが、新時代の美容師となる第一歩かもしれない。

 

※当記事は、月刊BOB2019年6月号 『時短を価値に』の記事を転載しています。

illustration:Yui Mitani

わたなべ

AUTHOR /わたなべ

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