メタバース産官学に美容師任命
一般社団法人メタバース推進協議会(養老孟司代表理事)は1月23日、東京・六本木のグランドハイアット東京で「第1回全体共有会」および「第2回記者発表会」を開催。各業界から選出された「青年部リーダー」の1人に美容師である株式会社SENJYUの森越道大氏が選ばれた。
同協議会は現実社会の課題解決において“人間本来の暮らし方”を導き、生活者が主体となるメタバースの可能性を探究するために2022年3月末に発足。産学官民が一体となって創生するためのハブとして生まれた。
すでに参画企業は日本を代表する大手企業が名を連ね、オブザーバーは内閣府、総務省、経済産業省、東京都、地方自治体も含まれている。
1月23日に行われたメタバース推進協議会の第1回全体共有会では、各業界から集められた「青年部 リーダー」7名の発表があり、美容師・株式会社SENJYU 森越道大氏が7名のうちの1名として選出された。
森越氏以外の青年部リーダーのメンバーはIT畑出身の社長が多い中、同協議会は愛知産業大学の伊藤庸一郎教授と共同開発を進めるAI「デジタルサロン」の取り組みに注目。髪の悩みを解決するAI(寄り添い美容師AI)の知見を活かした森越氏の活躍が期待される。
【青年部リーダー】
・株式会社SENJU 代表取締役 森越道大(美容業)
・TUKURU株式会社 代表取締役 御法川将貴(IT事業)
・Fabeee株式会社 代表取締役CEO 佐々木淳(DX支援事業)
・株式会社オムニバス 代表取締役 岩井亮(デジタル広告事業)
・株式会社Gonmura 代表取締役 高崎幸太郎(IT事業)
・株式会社H&Eテクノロジー 代表取締役/大阪キリスト教短期大学 特任准教授 原山青士(ITコンサルティング事業)
・株式会社btobee 代表取締役CEO 中村研士郎(補助金支援サービス事業)
青年部発足の目的は2点。
1)「現実社会連動メタバース」の社会実装を推進
2)スタートアップ/ベンチャー企業と産官学の連携
青年部リーダーは今後、業界の枠を超えて定例ミーティングを行う他、分科会や検討会と連動しながら、「現実社会連動メタバース」を実装するための活動を牽引していく予定だ。
第1回全体共有会において、東京大学名誉教授の養老孟司代表理事は「メタバースの注目度とともに経済問題ばかりに話題が集約されがちであるが、単にモノを売れば良いということではなく、アートの視点や地方創生の観点も加えてメタバースを考える必要がある」とコメント。
写真左より、監事・⾧田忠千代氏、特別顧問・川森雅仁氏、常任理事・木内孝胤氏、代表理事 養老孟司氏、常任理事 溝畑宏氏、特別顧問 隈研吾氏、特別顧問 廣瀬通孝氏、事務局⾧ 市川達也氏
また、元東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長 橋本聖子氏の応援演説では、観戦制限のあった東京オリンピックにおける日本のIT活用技術を例に、新しい技術が出会うことで生活がより豊かになること、業界をまたいだコラボレーションが社会解決につながることが提言された。
出席者の1名として質疑を行なった脳科学者の茂木健一郎氏からは、ユーモアたっぷりに「これだけのメンバーと加盟企業を集めて、何をしようとしているのか?」が言及され、海外のメガプラットフォーマーと全面的に戦うのではなく、日本が誇るコンテンツ力やローカル産業を活かし、日本が優位になれるジャンルで海外勢と戦っていくことが明らかにされた。
具体的な新規事業としては、事務局長 市川達也氏から「地方創生」と「百年企業創成」の2つの社会課題をメタバースを用いて解決へ導く構想が発表された。
【「地方創生」と「百年企業創成」の社会問題を両輪で解決するメタバース】
・「まち歩きメタバース」
生産工程、里山、街を実際に見ているような空間を構築。歴史や産業を知るきっかけにする
・「百年百貨店」
百年企業の100社に店舗を割り振り、個別にECなどの商業活動ができるというもの。「百年百貨店」から「まち歩きメタバース」へ瞬間移動できるようになり、生産工程を知ることもできる
【一般社団法人 メタバース推進協議会 概要】
・所在地:東京都千代田区紀尾井町3番33号
・設立年月:2022年3月31日
・代表理事 養老孟司(東京大学名誉教授、有限会社養老研究所代表取締役)
・常任理事 溝畑宏(大阪観光局 理事長、元観光庁長官)
木内孝胤(元衆議院議員)
・特別顧問 隈研吾(東京大学特別・名誉教授、隈研吾建築都市設計事務所)
廣瀬通孝(東京大学名誉教授)
川森雅仁(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授)
・監事 ⾧田忠千代(元三菱UFJ銀行代表取締役専務)
・事務局長 市川達也(株式会社avers代表取締役)
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