最大規模サロンの動画教育
(株)アルテ サロン ホールディングス(吉村栄義社長)は、10月6日(火)10~11時「社内カット試験対策講座」を自社教育サイト内でライブ配信した。
同社は、今年4月教育サイトをリニューアル。コロナ禍の休業、講習会等の中止をきっかけに営業統括本部 大山高寛執行役員と人財本部 教育部 長町真樹部長が中心に技術動画配信を導入した。
この日行われた「社内カット試験対策講座」は、定期的に配信されるカット技術のデモンストレーション。
この日のテーマは「BG(バックシェイプグラデーション)ボブの側面チェック」とされ、裾の収まりをよくするためのイングラの入れ方やセニングについて細かく解説された。
配信画面は2分割されており、立ち位置とスライスの角度両方が確認できるようになっている。
このプロジェクトを推進する大山高寛執行役員は次のように語る。
「これまで内部講師による技術講習は特定の1店舗に集まって行っていました。
全社のうち一部のスタッフとはいえ、約100名が集まって、1人の講師の手元に注目するような形。正直、手元や立ち位置など、肝心なところは見えていたのかなと。
コロナという外部的な要因で動画教育を導入しましたが、1つひとつの講習の理解しやすさというソフトの面でも、各地から現場に集まってくる時間コストというハード的な面でもメリットが大きいと感じています」
首都圏が緊急事態宣言下にあった4月末は、新入社員の研修期間でもあった。
そこで、同社では新入社員が自宅でシャンプー練習している動画を入手したことをきっかけにその動画を全社内に配信し、各自が自宅で練習。
連休明けには多くの新入社員が1カ月の休業を感じさせないほどスムーズにシャンプーをマスターしたことも、動画での技術教育が「いける」と手ごたえになった背景となっている。
「美容業のこれまでの教育は技術と一緒に文化を伝えようとするものでした。
文化を伝えるのは人対人のコミュニケーションが最適でそれも大切ですが、単に技術を習得したい時は文化的な教えとはいったん切りはなして、テクノロジーを大いに活用して学ぶほうが効率的です。
さらに、その上で見る側の主体的な感性が加わることで文化も新しく進んでいくと思います。
美容業は技術職であり、教育産業だからこそ、“知”を共有し合うことが生産性アップ、業界の発展につながるはずです」
と、大山執行役員。
動画配信での教育が成功したのは、企業規模というスケールメリットもあるか?
「私たちもスタートは、カメラや三脚を1台ずつ買うところから始めましたから、規模は関係ないと思いますよ。
むしろ、たくさんのサロンによるプラットフォームが増えるとどんどん活性化していくと思いますし。
弊社のスケールメリットがあるとすれば、2,000人の技術者を擁しているからこそたまっていく“技術のアーカイブ”。
1人ひとりの技術を財産として、さらなる高みを目指していきたいです」(大山執行役員)
動画による教育改革は、ベストプラクティスの蓄積に。生産性アップの布石になると同時に、かけがえのない会社の資産となる。
■ この件に関するお問い合わせ
(株)アルテ サロン ホールディングス 営業統括本部 PRグループ
TEL 045-663-6123