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40年続く母娘2人の美容室がまつエクで集客大成功⁉︎新しい挑戦とV字回復の物語
全国の美容室の数は信号機よりもコンビニよりも多いということを、読者のみなさんはご存知でしょうか?
そして、都心ではカットやカラーの専門店や全国展開するチェーン店、多店舗展開するブランドも数多く美容室はどんどん企業化していますが、実は美容室の9割は1店舗サロン。家業として1人経営、家族経営をされている美容院がほとんどなんです。
そういった美容室の中には、地域の人口減少やチェーン店との価格競争に淘汰され、経営が苦境に立たされているお店も多くあります。
でも、本当はそういったサロンさんこそ、その地域の重要なライフライン。どうにか力になれないだろうか……🤔と思っていた時、とってもパワフルな家族経営の美容室に出会ったのでぜひ紹介させてください!
母娘2人経営の美容院……「母のお店を潰したくない」承継とプレッシャー
その「パワフルな家族経営の美容室」とは、愛知県安城市の美容室「jubilee[ジュビレ]」。現オーナーの武内和美さんが、12年前にお母さんが1人で経営してきた美容室に参加する形で継承。お母さんの代から数えると、創業40年になるサロンです。
アットホームな雰囲気の店内。お母さんも65歳ながら現役美容師としてサロンに立ち、母娘2人でお店を切り盛りしていました。
でも、美容室を続けていくには売り上げが必要。“好き“という気持ちだけでは売り上げが上がらず、伸び悩んでいました
なるほど……。同じ悩みを抱えている1人経営の美容師さんは多そうですね。具体的には、伸び悩みの原因は何だったのでしょう?
それまではチラシすらうったことがなかったので。流行りのウェブ集客なんて、考えたこともありませんでした。
常連さんは大切ですが、新規のお客さまを集めないと売り上げは上がらない。
母の美容室を潰したくないという一心で、プレッシャーもありました。
固定リピートが大切な時代とは言いますが、どんなにリピート率の高い美容室でも失客をゼロにするのは難しいですよね。転居や体調などの事情など、必ず来られなくなるお客さまはいるはず。どんなお店でも、新規集客は重要です。
新規集客のためにトライしたのは“カラーの放置時間に提供できる“まつエク!
そんな売り上げの伸び悩みを打開するために新しい挑戦をされたそうですが……
美容室でヘアと同時に提供することをコンセプトにしたまつエク技術ということで、2019年9月から講習を受講しました。
和美さんが講習を受けたのは、京都府京都市に本社を構える株式会社WINK(中村由佳理代表)のアイリスト講習会。以前、ボブログでも取り上げていますが↓
▶︎美容師だからできるマツエクで、タイムパフォーマンス向上
http://boblog.jp/?p=3551
このWINKのまつエク技術は
❶平均100本を20分以内でつけられる独自の技術
❷14日間の講習でアイリストデビューできる
ところが最大の特徴。数々の美容室企業が新人カリキュラムに導入するなど、ヘアメニュー以外の生産性を生み出す技術として注目されています。
まつエクを始めたことでjubileeではどんな成果がありましたか?
あと、客層が変わりましたね。今まで縁のなかった10代や20代の若いお客さまも来店されるようになってサロンが賑やかに。常連客にもまつエクを楽しんでくれる方は多く、最高齢では81歳のお客さまがアイデザインを楽しんでいます!
それはすごいですね! 世代や客層がガラッと変わると常連さんが居心地が悪くなったりしそうですが、そういう弊害はないですか?
私が本当におしゃべり好きなので、そういう人たちが集まってきちゃうのかも(笑)
アットホームなサロンの強みですね!
まつエクで新規来店した方に前髪やカラーなどヘアのお話をすると、今度はヘアメニューで来店してくれるという効果もあります。
確かに。お店のスタンスやあり方が変わってしまうと常連客は離れていきそうですが、できることが増えるんだったら嬉しい!という風になりそう。
新規の集客は具体的にどのようにしているんですか?
チラシも打ったことなかったのに、突然若い子向けの集客アプリを使うのは戸惑いましたが、これもWINKの由佳理先生(中村代表)に教えてもらいました。
やってみたら簡単だし、しっかり技術を提供したらリピートしてくださるし、何より楽しいです!
新しい技術への挑戦が、2人経営から“スタッフ雇用“への挑戦につながった
売り上げが上がり、客層も変わり……。他に変わったことはありますか?
それは大きな変化! 売り上げが上がって人を雇う余裕ができたということですか?
実際、パートさんやネイリストさんたちと働く毎日は刺激的でとても楽しいです。最近はスタッフたちのアイデアでInstagramを始めたりして。
そういうポジティブな理由が雇用のきっかけとは、職場も楽しそうです!
そういうのは嫌なので、それぞれができる分野で伸び伸び仕事ができたらいいなと思います。
ネイリストの子は美容師免許もあるんだけど、やっぱり辛かった経験があってネイル専任で働きたいという希望なんですね。
そういう希望は尊重し、無理強いはしないけど、私と一緒に働くことで「ヘアもやっぱり楽しそう」ってなったらいいなと思ってます。
女性オーナーならではの柔軟性というか、懐の深さという感じがします。本当は美容業ってお客さまも女性で女性の技術者が多い職業だし、女性同士がお互いの事情を汲み取りあって支え合って高めあえる、女性にとって働きやすい職場だったはずなんですよね。
お母様と2人でやってこられたjubileeを、今後はどんなサロンにしていきたいですか?
行くと楽しくて綺麗になれる場所になるといいし、私も母みたいに、ずっとサロンに立っていたいです。
100歳になってもサロンに立っているのが夢!
和美さん、オンライン取材でも圧倒されるほどパワフルなので、100歳で現役って夢じゃない気がします(笑)。
守ることができて、まだまだ成長の可能性を掴むことができて、まつエクはじめて本当に良かったなって思ってます。
100歳でまだ現役やってたら、また取材してくださいね(笑)
和美さんが100歳の時は編集も90歳くらいなんですけど、取材できるように長生きします(笑)。
冒頭にも述べたとおり、1店舗の美容室こそ地域にとってなくてはならない重要な場所であると思います。美容業はファッション産業やサービス業である前に衛生業で、地域の健康やコミュニティを守る大事な業種だと思うからです。また、1店舗店や家族経営のお店は圧倒的に女性オーナーが多いので、女性の経済的な自立とか働き方の面からいっても絶対に守らなければいけないなと改めて認識。
ヒントさえ掴めれば元々パワフルなのが女性美容師さん!というのも、パワフルな和美さんへの取材から再認識。こういった地域の個人店が元気で成長し続けられる事例や取り組みに、これからも注目し、さまざまなヒントを発信していきたいと思います!
AUTHOR /ななしま
月刊NEXT LEADER編集部→月刊BOB編集部→書籍編集部。好きなものは宝塚と蛙亭と、赤井秀一です。