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春はあけぼの。教わる人と教える人の育て方

今月、新卒社員が入社したサロンも多いでしょう。彼(女)らはサロンの未来を決める宝物です.
今月、スタイリストデビューしたスタッフがいるサロンも多いでしょう。彼(女)らはサロン成長の原動力です。
次代の夜明けをどうやってたぐり寄せるか。
急がば回れ! 昨年、小社より刊行し時代性や倫理観、そしてこれから求められる給与体系も網羅したタイムパフォーマンスUPの教科書『美容室の次世代評価システム』(伊藤豊著/ラポットカンパニー)の記述から、そのヒントを探ります。

 

ゴールが変わった

 

ここ数年で、人の育て方が劇的に変わりました。以前は「カットできる人をつくるのがゴール」でした。カットができるようになるとスタイリストデビューしていました。ところが、今はデビューしても月間売上が30万円~50万円で低迷する人が増えています。
そんな現実を受けて、今、教育のゴールは「カットできる人」から「売り上げが上がる人」に代わりました。ゴールが変わると教育内容も変わります。売り上げが上がる人を育てる=美容師として食っていける人に育て上げる、なのです。そのためにはいくつかの押さえどころがあります。

アシスタント時代に押さえるべき3つのポイント

①練習時間
今、アシスタントの月間練習時間は20時間前後と言われています。週に一度練習するかしないか、というアシスタントもいます。自己啓発がない若者に成長はありません。言われたことしかやらない人間が世に出ることはありえません。
そして、魅力がない人間にお客さまはつきません。美容師として食べていくのなら、しっかりした技術を習得するのに月平均50時間くらいの練習をしないと売り上げは上がりません。

②モデルカルテ枚数
昔の感覚のままの美容師の中には、カルテを書かない人も未だにいますが、人口減少時代に顧客管理をしていないサロンは衰退しています。アシスタント時代からモデルを集め、モデルカルテを書き、顧客管理する習慣を身につけましょう。デビュー後のスタートダッシュを決めるためにもスタイリストデビューまでに「モデルカルテ100枚」は収得しましょう。

③アシスタント指名
美容師として早めにビジネス感覚を身につけたければ「指名客」を持つべきです。単価アップや店販はそのあとの話で、まずは自分のお得意様を増やすのが先決です。この感覚をアシスタント時代から体得するにはシャンプー指名、マッサージ指名、カラー指名などをもらえる習慣をつくってください。

駆け出しスタイリストの頃に押さえておくべき3つのポイント

①集客のための行動
集客行動はデビュー後では遅いです。デビュー前から始めて、スムーズなデビューを実現しデビュー後の集客行動に移行しなくてはいけません。デビュー後1年間の行動は集客が7割です。

②技術レベルアップの行動
技術が下手な人にリピートはありません。自分自身のスタイル数は持ちネタの数と一緒です。美容師として引き出しの数です。

③接客レベルアップの行動
言葉の数、言葉の使い方、表情、文章力……コミュニケーション力は人間を魅力的に見せてくれる財産です。接客とは相手を思い、気持ちよく楽しい時間を過ごしていただく技であり人間性でもあります。

教える側、5つの問題

①勉強不足
教え方が未熟な上に、どのように教えたら人が育つのか、勉強が不足している。

②人員体制の問題
プレイングマネージャーとして会議に時間が取られ、部下を指導する時間が少ない。

③幹部レベルの問題
教える人によって基準が異なる。教える幹部自身がレッスンしていないので時代性に欠けている。

④仕組みの問題
技術テストを月1回しか実施せず、一度不合格になると合格が1カ月延びるため、教える側も教わる側もモチベーションが低下する。

⑤時代遅れの問題
教育カリキュラムが整備されていない、あっても旧態依然としていて「カットできる人づくり」がゴールに設定されている。

以上、ちょっと説教臭いブログで恐縮ですが「春眠暁を覚えず」とも言います。入社して満足、スタイリストになって満足……という“お寝坊さん”を少しでも減らすためには教わる側と教える側の「共育」が必要でしょう。教わる側も教える側も謙虚な姿勢を肝に据える季節ですね。

 


『美容室の次世代評価システム』
伊藤豊(ラポットカンパニー)著
5,500円(本体価格5,000円)
髪書房刊

もっと詳しく知りたい方は

nakao

AUTHOR /nakao

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