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2021年の振り返りと2022年の展望【BOB編集部】

みなさん、あけましておめでとうございます! BOB編集長のモリイです。
コロナ禍は自分に向き合う時間が増えたことで「変身欲」が顕在化し、さらにブリーチの技術革新が後押しして史上最高のブリーチ出荷量となりました。2021年はヘアカラーが主語でしたが、2022年はカットやパーマの「形」になりうるか?

2021年の特集を振り返りながら、今年の展望について触れていきたいと思います。

1月~3月

2月号(1/1発売)特集「BLEACH ON GRAY」/別冊「CREATIBOOK」

3月号(2/1発売)特集「UNDER30の最高売上」

4月号(3/1発売)特集「推しメニュー」

2021年はブリーチを使ったグレイカラーのテクニックからスタート。「白髪ぼかし」という言葉が一般に浸透し、濃い色で染めて隠すのではなく、白の配分を増やしてデザインとして残していく技法が発達しました。一方で技術がいるのも事実で、白髪ぼかしという名のムラカラーも多く目にします。この号では本物の技術を提案してもらいました。また、コロナによって行き場がなくなった作品を集めて、クリエーションする意味を語ってもらったのが別冊の「CREATIBOOK」です。転換点や挫折、課題なども含めて全国のクリエーション美容師に登場いただきました。

3月号は毎年恒例の「最高売上」を特集。今回は30歳以下に限定して、成長著しい若手にスポットを当てました。
集客の方法やスタイルが世代によって異なり、それがさらに進んでいると思ったことが理由です。
このリサーチの際に「韓国ヘアで売り上げている・集客している」人が多いことがわかり、8月号の特集につながりました。

最高売上の取材時に見えてきたことは、売れてるサロンはメニューにかなり意識的であり工夫をしていたこと。
年間チケットだけでなく物販のセットや「ダメージケアセット」など、サロンの顧客が重視していることを中心にまとており、
それが各サロンのヒットメニューにつながっていました。また、インスタ集客によってターゲット集客するようになり、個人でも打ち出すメニュー=武器という意識が強まっている気がします。

4月~6月

5月号(4/1発売)特集「#ブリーチなし」

6月号(5/1発売)特集「インスタ集客&成功サンプル」

7月号(6/1発売)特集「SHADOW ROOTS」

ミルクティーカラーにしたいけど、ブリーチはできない。そう思っているOL層≒マス層に訴求した企画が「#ブリーチなし」です。ライトナーや特定の商材を使ってブリーチしたような透明感を出すカラー技法は奥深く、ニーズもまだまだありそう。
6月号のインスタ特集では、ヘアインフォ様ご協力のもと、全国フォロワー数ランキングから集客成功サンプルを取材。大きな反響がありました。雑誌でインスタのような速報性のあることをやるのはナンセンス、という意見もありましたが、なぜインスタで集客できるのか、これから何が起きるのか(実際予約機能を先日実装しましたね。詳しくはこちら)を分析的に見ることができたと思います。
7月号は根元を暗くする(or明るくする)デザインカラーを特集。スキルと知識が必要なカラー技術ですが、持ちもよく伸びてもきれい。ブリーチ時代ならではの根元のアプローチはバリエーションが多彩!

7月~9月

8月号(7/1発売)特集「新本格/韓国ヘアの技術帖」

9月号(8/1発売)特集「秒で○〇」

10月号(9/1発売)特集「美容Z世代」

本来昨年に韓国(髪書房には韓国支社があります!)に行って、本場のオルチャンヘアを特集しようと考えていました。しかし渡韓国はもちろんできない上、リサーチすると「技術がない」「スタイリングだけ」との意見もチラホラ……。これはしっかり、技術に落とし込んだ企画にしないと! と思い、かなりテクニカルな企画に。でも思った通り、指名の多い韓国ヘアは、理論がしっかりありました。おかげさまで追加が多くヒット号に! 短時間でイメチェンする「秒で○〇」はコロナ禍のニーズにマッチして好評をいただきました。10月号の「Z世代」はかなり議論を巻き起こしたようで……今までの延長線上にない価値観、美容師像。コロナ禍で躍進の秘密は、スピードと行動力、そして思いのほか「思慮深さ」にありました。

10月~12月

11月号(10/1発売)特集「WHITE BLEACH」/別冊「そうだったのか! 酸性ストレート・パーマ&酸熱トリートメント」

12月号(11/1発売)特集「集客できる動画」

1月号(12/1発売)特集「まつ毛、まゆ毛、まえ髪 見えるとこ、全部。」

酸性域のパーマや酸熱トリートメントは確かに、見極めが難しい部分はありますが、これまで不可能だったことを可能にしてくれる革新的なテクニック。ブリーチしたりハイライトが入っているカラー毛が前提の今、覚えるべきデザイン技術の1つだと思います。現在主流となっている酸性系メニューを商材と技術によってまとめなおしたのが11月号別冊「そうだったのか! 酸性ストレート・パーマ&酸熱トリートメント」です。おかげさまで印刷版は完売いたしました(デジタル版はこちら)。

12月号ではリールやYouTube、TikTokによる動画集客の実例を取材。「TikTok売れ」が流行語大賞の候補になっている今、あらゆるものが動画でプロモーションされています。意外と質のよいお客をつかめるという動画集客だけど、SNS以上に撮影や編集に時間を喰う! やはりタイムマネジメントとの勝負に。マスク時代になって、顔周りしか提案しない美容室に「目」「眉」も含めた目まわりを提案してもらおうと企画したのが1月号です。

現在発売中の2月号では、2022年の潮流を、「オンラインサロン」「メニュー」「商品」「海外へア」などに分けて紹介。ヘアのトレンドそのものはもはやなくなった今、提案すべきものは何か? 考えるヒントになるはずです。

2022年の美容師はどうなる?

2022年のキーワードを考えてみました。

①脱トレンド
②形のある髪型・技術回帰
③ブリーチとの共存
④Wワークと働き方の多様化
⑤Z世代の活躍

①ヘアスタイルに関しては、流行よりも「自分に似合うものを求める」傾向がますます強くなっていると思います。要はイメージチェンジを任せられる美容師かどうか。

②ブリーチブームによってカラー技術が格段に進歩し、あらゆる色出しが可能になりましたが、フォルムのあるスタイルは減り、色が映えるボブや切りっぱなしスタイルが多くなりました。カラーができればプレデビューができる背景も相まって、カットのウエイトは少なくなっています。カットの学び直しが必要になり、フォルムワークが見直されるのではないでしょうか。

③ブリーチ経験者が増えた今、どうやって継続していくかを考えたデザインサイクルを考える必要があります。酸性域でかかるパーマでカールをつけたり、伸びてきたときに次の提案がしやすいカラーの入れ方など、先を見越した内容を常に提案して飽きさせないこと。デザインとダメージレスの共存が大前提です。

④美容師はこれからどうやって稼ぐのか。コロナでサロンに出られなくなった時、みんなが感じた不安は今も続いています。たくさんお客を担当しても売り上げられる額には限界があり、サロンワーク以外の収入が欲しい。実際にYouTuber美容師たちはサロンワークに軸足を置きながら知名度を使ったビジネスを展開しています。独立せずに稼ぎを増やす方策は水面下で数多く動いているようです。自分の時間が確保しやすくなった今、Wワークをする人は確実に増えていくでしょう。

⑤いい意味でも悪い意味でも上の世代の影響を受けず、スピードと行動力で「のし上がってきた」のが美容Z世代。物心ついたときからSNSが身近で業務委託やフリーランスの働き方も熟知。若くして経営者になっている(経営者をあえて選ばない人も多いですね)人が多い彼らに話を聞くと、今美容業界が抱えている数々の問題(引き抜きや給与なども含めて)に新しい風を吹かせてくれるかもしれません。業界を良い方向に導いてくれたのがこれまでの世代だとしたら、それを実行に移す役割がZ世代……と勝手に期待しています。

SNSの影響が集客に直結していることもあって「個」の力ばかり注目されていますが、強い個を集めた集団こそが美容業界を善き方向に導いてくれると信じています。冷静に状況を捉えながら、美容の力、美容室の力を信じて、みなさんとともに歩んでいきたいと思っています。

具体的な企画は1年かけ特集していきますね! 今年もどうぞよろしくお願いいたします!

kindleでも購入できます

 

morii

AUTHOR /morii

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