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【空間除菌?】結局、次亜塩素酸水の空間噴霧ってどうなんですかね【コロナ対策】

前提①次亜塩素酸ナトリウムと間違えないで。②拭いたりかけ流したり、は有効で確定済み

次亜塩素酸ナトリウム(薄めたハイターでの消毒とかですね)は濃度が低くても肌を痛めるし高すぎれば有毒ガスが発生するしで結構危ないです。噴霧はもってのほか!この記事で問題にするのは次亜塩素酸水だけです。

また、次亜塩素酸水での拭き掃除に関しては厚労省も太鼓判を押していて、使用方法としては「有効塩素濃度80ppm以上の次亜塩素酸水を使い、十分な量の次亜塩素酸水で濡らす」「流水でかけながす場合は有効塩素濃度35ppm以上のもので20秒以上掛け流す」を挙げています。

この辺の使い方、使う薬液の量など実践的に動画で紹介しているのでぜひご覧ください。

※https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.htmlより。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)による、一定濃度以上の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの量を減少させるという確認に基づいた発表

というわけで、「次亜塩素酸水の有人空間での噴霧」「空間除菌、空間消毒」について考える。

厚労省が認めていないことを根拠に、否定的な人も多い次亜塩素酸水の噴霧。サロンでも取り入れるかどうか迷う方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと:評価は未確定。実地ベースでは効果のありそうな見解多数。ただし、空中のウイルスをなくせるわけではないよ!

否定派の見解も、肯定派の見解も、「リスクも効果も未確定」ではあります。評価基準が定まってないからなんともいえず、リスクがあるならやめたほうがいいという見解も多い一方で、コロナ前から噴霧目的の製品は多数あり、畜舎ではスタンダードだったり、有人空間での使用実績も結構あります。

リスクがないわけではないけど、効果があるかもしれないならやれるだけのことをするのか。効果の可能性よりもリスク回避を優先するのか。どちらを選ぶかは考え次第ですが、どちらにしてもお客さまに安心していただくためには説明できることが必要です。

最も注意すべきことは、肯定的な見解においても「空間除菌」という言葉から連想されるような空気中のウイルスを不活化する働きを目的にはしていないことです。家具、壁などのモノの表面が常に消毒液に触れていることで、そこに付着したウイルスに対しての効果を期待して使うもの、という見解がほとんど。店舗が広くて常に拭き清められない場合などに、副次的な手段として検討しましょう。

効果は未確定。この対策を取り入れたからといって何かをやめていいというものではありません。

基本◆まず厚労省の見解は「未評価」「推奨しない」に留まる

引用元:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

〇人体への影響と噴霧しての使用について

手指への使用は「未評価」。

「有効かつ安全な噴霧が科学的に証明された事実は確認されていない」そのため、推奨しない。

人体への影響も確認されてないけど、安全とも言い切れないし、効果があるとも確認できてないからやらないほうがいいよ。という見解ですね。

また、Q&Aでは

諸外国の知見も踏まえ、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、これが人の眼に入ったり、皮膚に付着したり、吸入されたりするおそれのある人状況での空間噴霧をおすすめしていません。(空気や環境の表面の除染方法として有効かつ安全な噴霧が科学的に証明された事実は確認されておりません。)

との回答。傍証として、世界保健機関(WHO)による噴霧非推奨(人体に有害となり得るという付記あり)の発表、米国疾病予防管理センター(CDC)による「不十分なので推奨しない」という発表を挙げていますが、ここでも「おすすめしない」に留まり否定はしていません。

厚労省見解見解、2つの根拠への疑問

WHO見解でも、実は次亜塩素酸水の噴霧は否定されていない

厚労省が出典としているWHOの発表は2020年5月のもの(「「COVID-19に係る環境表面の洗浄・消毒」)です。確かに「消毒剤の(空間)噴霧や燻蒸をすることは推奨されない」「屋外であっても、人の健康に有害となり得る」としているのですが、このWHO発表の中では次亜塩素酸水は消毒液ではなく雑貨扱い。消毒剤に対する評価には含まれておらず、未評価ということになります

米国疾病予防管理センター(CDC)は、2020年の発表で「人体に対して無害」と言及

さらにCDCの「推奨しない」という発表は2008年のもの(「医療施設における消毒と滅菌のためのCDCガイドライン2008」)。

次亜塩素酸水の歴史を考えると、国内での食品添加物としての認可が2002年と2012年。2017年に生成装置の認可といったように、近年変化している分野。2008年の情報の価値は疑問です。

東京工業大学の奈良林直特任教授によれば、そのCDCが2020年の発表においては生物組織に対して無毒であると言及しているという情報があります。また、中国国家衛生健康委員会が粘膜への使用も認めたとの情報も。

(参考:https://www.koureisha-jutaku.com/newspaper/synthesis/20201021_13_1/

こちらはソースについて追加調査中ですのでまた追ってお知らせします。

噴霧NGの代表的見解◆独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「吸入していい消毒液なんてないよ!」

公式発表的には、噴霧の効果も安全性も評価方法がないという見解です。

新型コロナウイルス対策における「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート) 改訂 令和 2 年 6 月 9 日現在より

3.「次亜塩素酸水」の空間噴霧の有効性について

(1)ウイルス除去効果の評価方法
消毒液の噴霧によるウイルス除去効果について、国際的に確立された評価方法は見当たらない。日本電機工業会(JEMA)が、団体規格として「空気清浄機の浮遊ウイルスに対する除去性能評価試験方法」及び「空気清浄機の室内付着ウイルスに対する除去性能評価試験方法」を策定しており、これを援用して「次亜塩素酸水の噴霧を行った方がウイルスの減少速度が速い」としている例が見られる。

4.「次亜塩素酸水」の有人空間での噴霧の安全性について

(1)人体への安全性の評価方法
消毒液の噴霧による人体への安全性について、国際的に確立された評価方法は見当たらない。次亜塩素酸水を噴霧用途で販売する事業者では、噴霧後の空気について、空気中の塩素濃度に関する労働安全衛生法上の基準(0.5ppm)を満たしていることなどを安全性の基準として用いている例がある。噴霧によって生じた液滴中の遊離次亜塩素酸(HClO)そのものの影響についての評価・分析は、発見されていない。

が、Buzzfeedによる取材で、NITEの松本哲也委員長(国際医療福祉大学医学部主任教授)はかなり強く噴霧を否定しています。要約すればここまでと同じく「効果がわからないなら使わないほうがいい」ということなんですが、使用に対して危機感をもった発言という印象を受けます。

ただし、この取材は個人での対策に向けた内容のようです。確かに、自宅なら対策すべき面積が少ないから確実な方法を採ればいいんですよね。いずれにせよ、否定もしていません。

BuzzFeed「アルコールの”代わり”を調べてきた政府と専門家 「大切なのは何が有効かではない…」」より(7月3日取材)

「噴霧器に次亜塩素酸水を入れて噴霧するよう推奨する情報があり、『これはまずいな』と思っていました」

「消毒液全般として、噴霧での消毒は推奨されていないんです。吸入していい消毒液は、世の中にありません。それをわかっていただきたいと思います」

「安全性を証明するのは、すごく難しいんですよ。場合によっては、1年以上かけてやる必要があり、最終的には人体に対する検証も必要になる。人に全く害がなく、ウイルスを殺せるのであれば良いと思います。しかし、そうしたものは存在しない」

噴霧OKの代表的見解◆次亜塩素酸水溶液普及促進会議「いやいやいろいろイケるっていうエビデンスもあるから!」

次亜塩素酸水溶液 効能及び安全性に関するエビデンス一覧(会員メーカー提供の一部他)

に、噴霧の効果やリスクについての様々な事例がまとめられています。使用促進を目的とした団体ですので良い例が主に集まっているという問題点はありますが、効果が認められた例も多数あり、長期間使用して動物には影響がなかったという使用実績もあります。

一方、反例として否定的なエビデンスが挙げられたことはいまのところありません。

OK◆三重大学大学院生物資源学研究科 福﨑智司教授の見解

洗浄・殺菌工学、食品微生物学、生物化学工学、廃水処理工学が専門で、次亜塩素酸水に関する論文多数。なお、次亜塩素酸水溶液普及促進会議の関係者。

複数の取材記事や発表において、

・次亜塩素酸水を超音波式で噴霧した微細粒子は、微生物やウイルスに接触して除菌できている

・噴霧された微細粒子は空中に漂いつづけるわけではなく、徐々に上から下に向かって落ちていき、床や壁に付着している菌に作用する

空中で高い濃度が保たれることはないので安全(次亜塩素酸水を空間噴霧した場合の濃度は、粒子は下に落ちていくため足元が最も高く、顔周辺の濃度は低い。最も高濃度である足元においても20ppbを超えることはほとんどない)

ということを述べています。

参照元

三重大・福﨑教授に聞く(KENKO HEADELINE、6月9日掲載)

次亜塩素酸水溶液の効能・空間噴霧の効果と安全性(福﨑教授による資料,6月10日発表) 噴霧した場合の空気中の濃度が検証されている

 

いずれにしても、空気中のウイルス(ウイルスが付着したエアロゾル)に対する効果を期待している研究者はいないことに注意

OKとNGの差は、「リスクを取ってでも可能性があるならやりたいのか」「リスクを絶対に回避すべきなのか」割とこの2つの立場の差なのかもしれません。

安全か危険かは、未評価。効果も未評価。噴霧するかしないかはあなた次第……という感じです。

なお、空間除菌なんて言葉が使われることも多いですが、肯定的な見解においても効果を期待しているのはあくまでも空気中のウイルスではなく、家具などのモノが常時次亜塩素酸水に触れることによってモノに付着したウイルスの不活化を期待する、ということです。

空気中のウイルスには換気一択です!!!!!!!!!!

お客さまの反応はどうなの?

とりあえず、効果があるとは言いきれないけれど、やらないよりはやってみたほうがいいのか……?と思ったときに、気になるのはお客さまがどう思うのかですよね。

冒頭で動画を紹介しましたが、次亜塩素酸をモワモワ噴霧してガッツリ対策しているのりこ美容室の前田さんの意見をご紹介します。感染拡大に伴って新規はお断りしているそうですが、紹介で医療関係のお客さまはかなり増えたとのこと。

前田さん
前田さん
各大学や専門家からの発表をお見せして説明し、世界での使用状況や、新型コロナウイルス流行以前からの長年の使用実績、またさまざまな立場のお客さまに安心してご来店いただいていることをお伝えしています。次亜塩素酸水の使用を理由にした失客はひとりもありませんよ! 

 

2021delivery

AUTHOR /2021delivery

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