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美容室労務に特化した社労士が教える!新型コロナに係る雇用調整助成金の緊急対応期間のポイント

2020年から新型コロナウイルスの感染拡大により、美容室のみならずさまざまな経済活動が苦境に立たされています。そんな中、労働者の雇用を守るため、企業の存続を守るための制度「雇用調整助成金」は支給適用要件を例外的に緩和しています。

小社髪書房では2020年4月に、公式YouTube・BOBtubeにおいて、美容室サポートに特化した社会保険労務士 船津和繁さんを講師にお招きし、雇用調整助成金に関する動画セミナーを実施していました。

そして本日、東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県で緊急事態宣言が再発令されました。

新しい情報が待たれる情勢ではありますが、今改めて新型コロナウイルスにかかる緊急対応期間中の特例措置の概要を理解し、厚生労働省他の発表に柔軟に対応できるように備えておきましょう。

※当記事はBOBtube「サロンの新型コロナウイルス雇用調整助成金活用セミナー」の中の特例措置に係る説明について再編集したものです。

雇用調整助成金とは?

雇用の維持を目的とする助成金。従業員の解雇を回避するため、業績が落ちた企業が従業員を解雇せずに休業させた場合の休業手当を補償するという制度です。

※ 元々の出勤日に本人は働く意思・能力があるのに休ませる場合が休業。そのため、従業員のコロナ感染による休業は含まれない。

どういう休業なら雇用調整助成金の対象に?

新型コロナウイルスの影響によって、直近月の売上高および損益などが前年同月対比で5%以上減少、そのことにより事業活動が縮小して休業を選択した場合対象となります。

通常の雇用調整助成金の制度では前年同月対比10%以上の減少が条件となるのが、緊急対応期間中は減少幅が5%に下げられることでその支給基準が緩和されているということになります。

・労働者が感染症を発症したため、自主的に事業所を閉所して事業活動が縮小した

・労働者が感染症を発症していないが、行政の要請を受けて事業所を閉鎖し事業活動が縮小した

・小学校等の休業により、大半の労働者が長期的に休暇を取得することにより、生産体制の維持などが困難になり営業を中止した

・売上減少のため、自主的に事業主が労働者を休業させた

補償される休業手当=事業主都合で休業した場合の給与補償。払っていなければ対象外

事業主は事業主都合で休業をした場合、事業主は被雇用者に対して平均賃金の(直近3カ月の賃金総額の1カ月平均額)に対して60%以上の休業手当を支払う義務があります。助成金はこの休業手当を補償するもの。支払っていなければ雇用調整助成金受給の対象外です。

この平均賃金には技術売上の歩合、店販の歩合、交通費などが含まれます。

緊急対応期間のみに適用されること

緊急対応期間とは?

令和2年4月1日〜令和3年2月28日。12月28日厚生労働省発表により期間延長が発表されました。

この期間、従前(通常の状態)とどんな点が違うのか、条件を整理していきます。

緊急対応期間に適用される特例

雇用調整助成金受給の条件はいくつかありますが、この緊急対応期間は労働者の雇用維持のために支給要件が緩和されています。

その特例を一覧にまとめました。

生産指標要件の緩和 1カ月10%以下から5%以上低下まで緩和

・雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成の対象に含める

・助成率の引き上げ 大企業3/4 中小企業 10/10まで

・教育訓練の加算額引き上げ 大企業 1,800円 中小企業 2,400円

・雇用保険に入っていれば6カ月未満の労働者(退職予定のない者)に関しては対象となります

・支給限度日数とは別に緊急対応期間中の休業等の日数を使用できる
 支給限度日数を通常トータル100日間という限度が決まっているが、緊急対応期間はそれを上限としません

自宅での教育訓練を可能とする
① 自宅等での片方向オンライン講習も一定程度の技能・実務経験・経歴のある者が講師として行う場合は対象となります。
②繰り返しの教育訓練が必要なもので、過去行った教育訓練を同一の労働者に実施する場合も適用に(同一期間の再訓練は認めません)。
③接遇・マナー研修・パワハラセクハラ研修・メンタルヘルス研修などの職業職務の種類を問わず、一定の一般知識・ノウハウを身につける訓練も対象になりました

半日教育訓練と半日就業を可能とする
従前は訓練日に就労することができなかったが、半日訓練+半日就労が可能に。半日訓練の場合は加算額が半額になります。

オンライン教育での注意点

特例措置の中で、特に規制が緩和されたのが教育加算の適用要件です。

オンライン教育の運用に関していくつか注意点があります。

①双方向オンライン教育(ライブセミナー等)の場合

講師は教育期間中は勤務時間とみなし休業対象にはならない。また、受講者は在宅であることが条件。(カフェなど他の場所での聴講は認めない)

②片方向オンラン教育(YouTubeや課題動画視聴等)の場合

講師の撮影時間を勤務時間と見なすし、この時間は休業対象とならない。動画や市販のDVDなどでもOK。常に動画が見られる状態である場合は、教育計画に沿った時間に視聴していない場合は対象とならない。勤務表などで管理・確認が必要。

雇用調整助成金の対象となる教育訓練の注意点

特例措置の期間延長は2月いっぱいで、今年の新卒社員の研修期間に係る期間ではありませんが、万一に備えて、カリキュラムや教育計画を見直しておくことをお勧めします。

①カリキュラム作成
訓練開始前に助成金センターへこの内容で大丈夫か問い合わせておくと安心。

②訓練時間を出勤簿に記載(3時間以上の訓練が必要)

③レポートを提出(任意書式)
受講者の訓練日ごとに記入したレポートやアンケートを提出してもらうようにするとよい。受講者の直筆である、サインや押印があるなど、受講者が訓練を受けた日が証明できる書式が整っていることが望ましいため。

④休業補償率100%で休業手当を支払う
雇用調整助成金の支給基準は休業補償率60%だが、教育訓練加算を受給する場合は、休業補償率100%で休業手当を支払う義務がある

⑤講師要件を満たした講師が行う必要がある

最新情報はこちら

緊急対応期間の延長や特例の拡充などの情報は厚生労働省のホームページに記載があります。こまめに確認し、最新情報を入手するようにしましょう。

▶︎雇用調整助成金

(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

また、平均賃金の算出や助成額・加算額の算出に関しては動画セミナーの中で船津さんが解説してくださっています。計算式が難しいように感じますが、基本的な考え方を身につけておくことはとても重要です。ぜひ合わせてご覧ください。

▶︎ BOBtube「後編 サロンの新型コロナウイルス雇用調整助成金活用セミナー」

https://youtu.be/KXo8C_W5tF8

ななしま

AUTHOR /ななしま

月刊NEXT LEADER編集部→月刊BOB編集部→書籍編集部。好きなものは宝塚と蛙亭と、赤井秀一です。

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