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美容室でリユース!? 発想の転換による美容室の新しい収益モデル

 

店販品の強化やサロンメニューに付加価値をつけたり、特化型ブランディングで価値を上げるなどしてここ数年、客単価を向上させてきた美容師は多い。

 

これまであれこれやってみたけれど、少しだけ発想を変えて、サロンの客単価を向上させることができないだろうか? そう考えたのが株式会社フジシンとBookMark合同会社、株式会社パスタカードの3社による協働リユースプロジェクト「Beauty Salon Buying(BSB)」だ。

 

「限りある資源の循環」「楽しいショッピング」「SDGsの参加」を掲げ、2021年からスタートしたリユースサービスとはどんなものなのか? 美容室での活用についてもPONO(千葉県柏市)代表取締役 茂木慎一氏に聞いた。

 

 

急成長中のリユース産業

 

2兆円市場と横ばいの美容業界だが、リユース業界はSDGsの流れも追い風となり、2025年には3兆5000億円規模になると予測されている。

 

(引用元:リサイクル通信)

https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_7557.php

 

 

これまでブランド品を売った際に感じた不満を調べたアンケート調査では「思ったより買収価格が安かった」「買収価格に対する説明が不十分だった」「モノを持ち込む、発送するなどの手間が面倒だった」が上位3位を占めたという。

 

この3つを解決する新しいリユースのあり方として考案されたのが、「リユース窓口としての美容室」だ。

 

リユースプロジェクトBSBを発案したBookMark合同会社 代表社員/CEO 加藤耕太氏によると、美容室と顧客の関係値が高い美容室では、従来型のビジネスから発想を転換させ、異業種のビジネスモデルの中に美容室の特性を組み込み、「ファーストタッチに美容師さんが入る」ことで、新しいビジネスモデルの構築やマネタイズの可能性は無限に広がるという。

 

2020年12月からテストスタートし、2021年には本格スタート。フジシンを通して美容室へ紹介し、現在申し込みは120サロンとなっている。

 

 

 

美容室でリユースしたら、買取価格と接客対応への不満が解消

 

株式会社フジシンとBookMark合同会社、株式会社パスタカードの3社による「BSB」は、美容室が買取サービスの窓口となるため、買取用の店舗が必要なく、専門スタッフの配置もいらない。よって、顧客に高い買取額での還元が可能なる。

 

美容室はあくまで窓口として、顧客の買取希望の商品を預かるだけで、買取金額の提示や送金はすべて買取会社と顧客がやりとりを行う仕組みだ。

初期導入のコストもサロンワークへの負担もなく、美容室への手数料が戻り、客単価アップにつながる。

 

【美容室のメリット】

①顧客の買取希望の商品を預かるだけで売り上げに貢献する

②スタッフの生産性が高まる

③サロンワークへの大きな負担がかからない

④初期の導入コストがかからない

 

【顧客のメリット】

①買取会社の運営コストが低いため、高額買取が可能

②サロンに行くついでに持ち込み可能

③送料などはすべて買取会社負担でデメリットが最小限

 

これまでに1人で美容室に7点のバッグやアクセサリーを持ち込み、20万円を超える買取事例も出てきており、この場合の美容室に支払われる手数料は2万円以上。

全国の平均客単価が約6,000円だとすると、客単価は491%アップの計算となり、技術売上、店販売上以外の客単価アップの手段の1つとなり得る。

 

 

サロンで行うのはたった3工程

 

サロンワークへの大きな負担がかからないと言っても、美容師は何をすれば良いのだろうか?

サロンにおけるBBSの流れを紹介する。

 

 

【BSBの流れ】

お客さま:来店時に商品を持ち込み

美容師:申込書を記入してもらう

美容師:流れを説明

お客さま:QRコードからBSBの専用LINE読み取り

お客さま:商品の画像と申込書を撮影

お客さま:商品と申込書を専用の袋へ入れる

美容師:商品を預かる

お客さま:後日、買取会社からお客さまのLINEに買取額の連絡がくる

 

買取額に納得すれば、買取会社から入金があり、納得いかない場合はLINEで買取会社へ連絡することもできる。金額に納得できず返送される場合も送料は買取会社の負担のため、お客さまのデメリットがないことが勧めやすいポイントだ。

 

【動画で流れをチェック!】

 

 

BSB導入店舗の美容師が行う工程はたった3工程であることも、美容室にとって導入の決め手となっている。

 

【美容室が行うこと】

①BSBの説明

・申込書に記入してもらう

・LINE登録の際のサポート

②商品預かり

・お客さまが自分で梱包した不要物を預かる

③宅配業者に受け渡し

・宅配業社に受け渡したあとは、買取会社とお客さまのやりとりになるため美容室はノータッチ

 

また、サロン持ち込み買取だけでなく、商品によっては出張買取も紹介することも可能。

 

【サロン持ち込み買取商品】

・ブランドバッグ

・時計

・アクセサリー

・イミテーションアクセサリー

※洋服は対象外。

※訪問買取の場合は制限なし

 

 

 

どんな地域にも存在するのが美容室

 

「引っ越すことになった」「断捨離をしようと思って」など、日々のコミュニケーションの中でお客のライフスタイルを把握しているのが美容師。

 

お客さま
お客さま
今度、息子が実家に戻ってくるのよ。部屋を片付けなきゃ。
不用品があったら、うちのサロンで買取の窓口もやってますよ。
美容師
美容師
お客さま
お客さま
え、そうなの!?

 

他より高額で買い取ってもらえることも多いようですよ。
美容師
美容師

 

 

買取店舗が近くにないような郊外に住む人も、2〜3カ月に一度は美容室へ行く。

美容室で髪を整えるついでに買取希望の商品を他社より高い金額で買い取ってもらえることで、顧客満足にもつながるサービスとなっている。

 

 

 

SDGsにも参加できる

 

SDGsへの取り組み美容室は増えており、若いスタッフほど取り組みに積極的な人も多いという。

「参加してみたいけれど、何から始めれば・・・」と足踏みしているサロンは、BSBの利用を通してSDGsに参加してみるのも良いかもしれない。

 

【SDGsの参加】

BSBによってSDGSの目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」に参加する

12.8  2030年までに人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

 

 

 

本当に必要なときに寄り添えるサービス

 

千葉県柏市を中心に縮毛矯正と美髪で展開。埼玉県川口市にも出店し、都内への出店も予定しているPONO 代表の茂木慎一氏。PONOでは2022年11月にBSBを導入した。

 

茂木慎一
茂木慎一
労働集約型の美容業界のビジネスモデルは、美容業界の市場拡大において限界があるのではないかと感じていました。業界の外にヒントがあるのではないかと考えていたこともあってBSBの導入を決めました。
お客さまから家にある不用品をどうしてよいかわからないと聞いていたので、お客さまの“めんどくさい”をカバーできるBSBは美容室と相性が良いと思います。

 

リユース業界にもともと興味があったという茂木さんだが、スタッフに「毎回BSBを勧める必要はない」と伝えていると言う。

 

POPもお客の目につくところに置いてはあるが、口頭では敢えてあまり説明しない。その理由はBSBはあくまで「場の提供」であって、「このサービス、いいな!」は顧客に勝手に届くものだと考えているから。

 

茂木慎一
茂木慎一
BSBも店販も同じ考え方なのですが、PONO はBSBや店販を勧めて実績につながっても美容師個人へのインセンティブはありません。インセンティブがあると利他的な考えでなく、利己的な考えがどうしてもチラついてしまう。本当にお客さまにとって必要なときに、必要なサービス・モノを勧めるようにしています。

 

個人へのインセンティブはないが、BSBで得た利益は店舗利益として給与で還元し、その還元機会を増やしていくことで労働集約型の改善を目指している。

 

 

茂木慎一
茂木慎一
美容師とお客さまの関係性が築けていれば、何年か続ける中でBSBは利益に貢献できるストック型ビジネスだと思います。信頼関係あってのものなので、長い目で見て取り組んでいきたいですね。

 

 

業界内だけでなく、業界外の人脈も多くある茂木さんはこれまで美容師と顧客の「太い関係性」「美容師という仕事の価値」を感じてきた。

 

顧客との信頼関係の上に成り立つBSBのようなサービスを通して、スタッフにもさまざまな角度から美容師の価値を感じてほしいと言う。

 

 

PONO(ポノ) 代表取締役 茂木慎一

もぎしんいち/1986年2月11日生まれ。茨城県出身。国際理容美容専門学校卒業。千葉県柏市の大手サロンに入社し、縮毛矯正技術を磨く。2019年9月に柏の隣駅である豊四季に美髪専門店PONOを出店。2店舗目は千葉県流山市に出店。2022年5月に初の県外出店となる埼玉県川口市にPONO  東川口店をオープン。2023年は都内の出店も予定している他、自身が月1で主催する経営者や幹部が集う「CHIBA美容師会」は他県からの参加も多く盛り上がりを見せている。

 

 

Beauty Salon Buyingへの問い合わせ先

 

株式会社フジシン

電話 : 03-3357-4141

メール: info@fujishin.co.jp

 

 

 

 

yahagi

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