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特選!まるごと粋なクリスマス・アルバム [其の弐] ボブログ音楽食堂Vol.16

-序章-

 

情報社会に埋もれてしまった名曲/名盤(迷盤!?)のホコリを払って美容師のみなさまに紹介する「ボブログ音楽食堂」。Vol.16のテーマは年に一度、世界中がそのムード一色に染まる大イベント「クリスマス」。最後までかけっ放しでい~い気分になれるクリスマス・アルバムをVol.14に続いて大特集。ひとりの時も仲間と過ごす時も、またクリスマスが嫌いな方でも楽しく聴き通せる秀逸なアルバムが登場します!

 

今回は本家も真っ青の本格的ビートル・サウンドで綴るクリスマス・アルバムと、ジニアス=天才と称されたレイ・チャールズが真似をするくらい崇拝していたブルース・シンガー&ピアニストのチャールズ・ブラウンが吹き込んだクリスマス・アルバムをご紹介!米西海岸を代表する「あの」ロック・バンドも登場しますよ!

 

 

 

[第一章] サンタ苦労す!? ビートマス!

 

「もしも〇〇な居酒屋があったら…」はドリフの鉄板コントですが、もしもビートルズが他人のクリスマス・ソングをおもしろがって演奏したら……という、ビートル・マニアの逆鱗(げきりん)に触れそうな企画が具現化したアルバムを紹介します。

 

北欧デンマークはコペンハーゲンのロック・バンドTHE RUBBER BAND(ザ・ラバー・バンド)が、1995年の冬に人知れずリリースしたクリスマス・アルバム「XMAS! / THE BEATMAS(クリスマス!/ ザ・ビートマス)であります。

 

着眼点とセンスの良さはビートル・マニアのみならず、堅気のロック・ファンさえも唸らせる痛快なクリスマス・アルバム。本家ビートルズの音楽を細部まで研究し尽くして再構成したサウンドは長年のファンも思わず「おお!」と膝を打つ作品と信じて疑いませんが、音楽評論家やビートル・マニアのせんせがコレを真正面から取り上げた記事はいままで読んだことがありません。

 

 

 

XMAS!/ THE BEATMAS(邦題:4人はサンタクロース / ザ・ビートマス)彼等の本当のグループ名はTHE RUBBER BAND(ザ・ラバー・バンド) だが、なぜかこのアルバムの時だけTHE BEATMAS(ザ・ビートマス)と改名。本家ビートルズの曲調を巧みに応用し、WHAM!のラスト・クリスマスや誰もが知るクリスマス曲をもろビートル「ふう」に仕上げる大胆不敵さ。〇ソ真面目なビートルズ愛好家の裏をかきつつも強く惹きつけるしたたかなアルバムだ。

 

 

 

ちなみにこのクリスマス・アルバム、私は真夏でも至極フツーに愛聴しており、通年のヘビー・ローテーション・アルバムのTOP40に堂々26年連続でランク・インし続けております(それくらいかっちょいいです!)。

 

このTHE BEATMASのクリスマス・アルバムが大ヒットしたという後記にはお目にかかったことがありませんが、毎年冬になるとコンセプトをそっくり真似た“二匹めのドジョウ”企画がリリースされるのを見る限り、この地味なアルバムには侮れない影響力があるようです。

(※ボブログ音楽食堂Vol.10の一部記事に加筆して再掲載)

 

 

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[第二章] あのレイ・チャールズがマネた!? チャールズ・ブラウンのR&Bクリスマス

 

レイ・チャールズ氏が自らガチンコで関わり完成した伝記映画「Ray / レイ」は、彼が音楽を生業とすべく故郷のジョージアからシアトルに出てきた時の様子を克明に物語ってくれる貴重な映像作品ですが、若きレイ氏のアイドルがピアニスト&シンガーのナット・キング・コール(Nat King Cole)氏と、今日の主役=チャールズ・ブラウン(Charles Brown氏だったことが、映画の中で克明に語られています。

 

コール氏からはJazzの小粋なセンスとイディオムを学習したように感じますが、特に若い時分のレイ氏の歌とピアノはチャールズ・ブラウン氏の声色とブルース的センスがまるで「生き写し」のようです。

 

そのブラウン氏が1961年に発表したクリスマス・アルバムCharles Brown Sings Christmas Songs / チャールズ・ブラウン、クリスマス・ソングを唄う」は、春夏秋冬ぶっちぎりで楽しめる小粋で極上のブルース~R&Bの大傑作。汗と熱気を抑えた都会的な歌とサウンドは、ボニー・レイット姐さんが自身のツアーに招いて共演を切望するほどの高磁力。21世紀の現在も世界中で新規フォロワ-を惹きつけています。

 

 

 

Charles Brown Sings Christmas Songs / Charles Brown (1961) 甘く湿気を帯びた声でしっとりと歌うスタイルとタイム感はかなり独特で、黒人ブルース歌手の中でも稀な部類に属する。彼をアイドルと崇める若きレイ・チャールズ氏が小レーベルswing time recordsでプロとして初めて録音したレコードは、チャールズ・ブラウン本人が自分のレコードと勘違いするのでは!?と勘繰りたくなるほど酷似している。

 

 

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[最終章] 売れっ子白人バンドも真似たくなった!チャールズ・ブラウンの名クリスマス曲

 

音楽食堂Vol.16は、チャールズ・ブラウン氏のクリスマス曲の「カバー・バージョン」で締め括ります。1976年に発表した「ホテル・カリフォルニア」の場外ホームランで世界的ロックンロール・バンドに昇格したイーグルス(The Eagles) 。

 

先記のチャールズ・ブラウン氏のクリスマス・アルバムに収録されていたPlease Come Home For Christmas / プリーズ・カム・ホーム・フォー・クリスマス」を録音し、1978年にシングルとして発売しました(B面はこれまた年末年始モノの”Funky New Year”)。

 

これは彼らのオリジナル・アルバムには未収録=シングル・オンリーの音源ですが、ドン・ヘンリー氏の砂漠のように乾いた唄声と、難しいことは一切していないのに絶対に真似られないドン・フェルダー氏のいぶし銀のギター・ソロが聴ける、正に名演中の名演。なーんの変哲もない八分の六拍子のロッカ・バラードがこんなにも人々の琴線を震わすのは極めて稀なことです。

 

 

Please Come Home For Christmas / The Eagles (1978 single only) 名曲のカバーはかくあるべし!という絶好の例。全員が好きで演っているのがひしひしと伝わってくる、ホテカリ(=Hotel California)の緻密な完成度とは対極の「裏名演」。曲間でWoo~とハモるだけで聴き手をトロけさせるのはイーグルスにしか出来ない魔術。オリジナル・アルバムには未収録なので、イーグルスのボックス・セットにボーナス収録されているのを狙うべし!

 

 

2022年もあと僅か!来る23年は更に守備範囲を拡げた音楽情報を美容師のみなさまにお届けする予定です。それでは髪書房一同より Merry Christmas!!!

 

ボブログ音楽食堂「バックナンバー」のご案内! 

 

Vol.1「心が洗われるような、いい音楽ありませんか?」は→コチラ

Vol.2「踊るROCKに観るROCK、ちょっぴり大人のAOR」は→コチラ

Vol.3「アラ40/アラ50のお手本としてアニーとクリッシーを拝むべし!」は→コチラ

Vol.4「アラ40アラ50にオススメしたい! 69歳の女性ロック・シンガー、クリッシー・ハインドの傑作スタンダード集」は→コチラ

Vol.5「おうちにいてもワイハでアロハ!!の巻」は→コチラ

Vol.6「違いの分かる女が斬る! J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲のあれこれ!」は→コチラ

Vol.7 「笑い転げて腸捻転!?世界の珍盤/奇盤/迷盤特集」は → コチラ

Vol.8 「唸るオルガン!その名はハモンド!」は → コチラ

Vol.9 「怒涛のハモンドオルガン特集 其の弐」は → コチラ

Vol.10「ビートルズ豪雨後の筍を狩る! 其の壱」は→ コチラ

Vol.11「ビートルズ豪雨後の筍を狩る! 其の弐」は→ コチラ

Vol.12  歌「だけ。」=ア・カペラ は→ コチラ

Vol.13 クリスマスの「隠れた名曲」クリス・レアの巻は → コチラ

Vol.14 「まるごと粋なクリスマス・アルバム特選 其の壱」は → コチラ

Vol.15 クリスマスの「隠れた名曲」オノ・ヨーコの巻は → コチラ

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AUTHOR /easyman

ビートルズが来日した年の生まれ。美容師・介護士の免許と実務経験があり、座右の銘は“髪(かみ)のケアから下(しも)のケアまで”。某美容メーカーの教育部門に19年間勤務し、なぜかプロ音楽家との演奏経験あり。一人しかいないのにナンバーワン営業マンと呼ばれる髪書房の特攻隊長。

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