ボブログ

そろそろ“酸スト”ブームの次を考えようか。

 

毎月1回、必ず5万円の酸性ストレートを行い、毎回リタッチカラーもプラスしていた女性。

 

一見とても綺麗な髪だけど、濡らすと指すら通らない状態でひどく傷んでいる。

 

他店で髪質に合っていない施術を1年繰り返したお客さまの髪はボロボロだった。

 

 

 

今日のボブログでは、酸熱トリートメントのスペシャリストとして数多くのセミナー講師をしてきたWatai 代表取締役社長 渡井タケトさんと「これからの美髪」について考える。

 

 

 

何でもかんでも酸ストでよいのか?

 

 

酸性ストレートブームのお陰で、女性たちにまた「髪を真っ直ぐにする」習慣が訪れた。

 

 

しかし、「何でもかんでも酸性ストレートでよいのか」と渡井さんは言う。

 

 

「僕のサロンにも酸性ストレートメニューはあります。

 

だから酸スト反対運動をしたいわけでもありません(笑)。

 

 

しかし、どんな施術でもアイロンで強い圧力をかければダメージにつながります。

 

明らかに施術回数が多いと、薬剤が酸性であっても還元剤が髪に残留した結果、ダメージにつながることも・・・。

 

 

Wataiでは髪質を丁寧に見極めた結果、酸性ストレートメニューを施術することはそれほど多くはありません。

 

お客さまの髪質に合う薬剤は何か? どのメニューが合うのか? 毎回新規のカウンセリングに15分はかけています」

 

 

2016年に酸熱トリートメントのプロトタイプに出会い、5年以上美髪メニューを研究してきた渡井さんが酸ストブームを経て思うのは、

「酸性だから安心」

「客単価が上がる」

という理由だけで、美容師が何でもかんでも酸性施術に流れるのは、もうやめませんか? ということ。

 

 

「酸性の方が良いとか、アルカリの方が良いとか、酸熱の方が良いとか、俺の方がすごいとか(笑)。

 

そういうことじゃなく、“お客さまのためになることをしよう”ということを今、伝えたいと考えています」

 

 

 

 

酸性? アルカリ? 酸熱? どれでいくか問題

 

渡井さんのところに入る美容師からの相談で一番多いレスキューは「毛先がビビってしまった。どうやって直せるか?」という相談だという。

 

こうした問い合わせにはシリコンを用いた解決方法を伝えるが、トラブルが起きる前の「毛髪診断」の精度をもっと上げるべきだと考えている。

 

 

「酸性ストレートは細毛のクセ毛には合います。

 

けれども、ブリーチ毛や傷んでいる髪への酸性ストレートはフィットする毛とフィットしない毛があります。

 

一時的にはキレイに見えても、時間が経つと指通りが悪くなることも。

 

 

酸性ストレートはアルカリより「やさしい薬」というイメージによってメニュー展開しやすい利点はあるが、個人のアイロン施術の力量に大きく左右される。

また、過膨潤の失敗も起きやすい。

 

一方、アルカリ領域で施術する縮毛矯正は、酸性の還元剤と比較すると負担が大きいように思えるが、薬剤コントロールさえしっかり身に付ければ、アイロンによるプレスを一定にすることで髪への負担を軽減することができる。

 

しかし、縮毛矯正は薬剤選定の理論が曖昧だとアイロン施術でコントロールしなければならず、プレスによる断毛などの失敗にもつながってしまう。

 

Wataiでは縮毛矯正のメニューとして、「ナチュラル縮毛矯正」「ジャパニーズストレート」「プレミアムストレート」の3つを揃え、お客さまが求める縮毛矯正のレベルごとに薬剤選定の統一化を徹底している。

 

 

そしてWataiで最も比率が高い美髪メニューが酸熱トリートメント。

 

「まだ酸熱という言葉もなかった2016年に、全く新しい理論のトリートメントと出会いました。

 

どこよりも先行して使い始めたこのトリートメントははじめは全く思い通りにならず、一部の美容師にしか扱えないような難しいトリートメントでした。

 

それでもトライ&エラーを繰り返し、何度もメーカーとレビューを重ね、2017年に正式に販売をスタートしたときにはすでに酸熱トリートメントの固定ファンがついていました」

 

2社の酸熱トリートメントを導入し、月200名(月17〜18日出勤)を担当する渡井さんの平均客単価は26,000円。

高単価に寄与しているのが酸熱トリートメントメニューであり、2018年より急増した渡井さんの酸熱トリートメント比率は現在25%弱となっている。

 

 

 

酸熱トリートメントを使い始めてから5年。

今では「酸熱のパイオニア」と呼ばれるまでになったが、現状の酸熱トリートメントだけでこの先の美髪文化が継続できるのかを考えるようになった。

 

こうして1年前より新しい酸熱トリートメント開発の挑戦が始まったのだ。

 

 

 

酸トリよりマイルドな“弱酸熱”トリートメント

 

 

今月発売した渡井さんがメーカーと開発してきた新しい酸熱トリートメントは、縮毛矯正と酸性ストレートの領域どちらもカバーできる弱酸熱領域だという。

 

「美容師が美容師を楽しめる商材。そして本当にお客さまのためになって、どんな美容室に入っても役に立つものがつくりたいとずっと考えていました。

 

ヘアカラーに影響せず、ブリーチ毛にも処理剤としても使え、”なりたい”の最短ルートを叶える薬剤を適正価格で。美容師だったら誰しも、よいものを適正価格で伝いたいと思うから」

 

 

 

フルセットで導入しても購入価格3万円という新商品。

5つのラインナップが“円”のようにつながり髪にアプローチして、すべての女性に喜んでもらう。

 

お客さまとの“縁”。

スタッフとの“縁”。

美容業界との“縁”。

 

“縁”をつなぐという意味も込めて、商品名は「Enn」と名付けた。

 

 

 

 

美容学生時代から仲間と掲げていた「俺たち世代で美容の新時代をつくる」の合言葉。

 

15年経った今、渡井さんは酸熱トリートメントを武器に1つの美髪新時代を築いた。

 

そしてこれからは美髪文化を持続させるため、すべての女性たちの継続的な満足のために美髪メニューの本質を啓蒙していく。

 

 

 

 

Watai 代表取締役社長 渡井タケト

 

わたいたけと/1985年8月22日生まれ。静岡県出身。高校時代にカナダへ1年留学。早稲田美容専門学校卒業後、TAYA入社。25歳でスタイリストデビューし、26歳でTAYA自由が丘店の店長に就任。2014年より静岡の実家が経営するTop Styleで本店店長兼技術教育マネージャーを務めた後、2019年にWatai自由が丘オープン。モデルや有名人の美髪をサポートし、2021年には移転拡張。酸熱トリートメントがメニュー化する前から先行して酸熱を使いこなし、2017年からは酸熱トリートメントの講師として全国で活躍。2022年11月に発売の新しい酸熱トリートメントの開発に携わる。

 

 

 

 

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