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美容師を楽しんでる姿を後輩に見せること。諦めない女性美容師の働き方を実現した、水口英里さんの「継続力」

クリエーションで結果を出しお客さまの支持を得て、25歳で店長に。売り上げは400万近く。そしてFCオーナーへ…がむしゃらに働くタイプの女性美容師と、結婚・出産。

継続力で、諦めない働き方をつくり出してきたSCENE by RAD 水口さんに聞きました。

 

月刊BOB2018年11月号「ぼくたちは継続力で、できている」特集から、トップランナーの継続力を深掘りしたインタビューを掲載します。

注)情報はすべて掲載当時のものです

シリーズ第1弾、「72歳、いまだ現役。川島文夫の『継続力』」はこちら

シリーズ第2弾、「巻き髪で時代を変えた。奈良裕也さんは『継続力』で、おしゃれキングのイメージから一流職人へ」はこちら

シリーズ第3弾、「山積みの本と、目標達成プロセス。三科公平をアップデートし続ける『継続力』」はこちら

 

撮影に、新店立ち上げ。がむしゃらに働いた20代

大阪・梅田でSCENE by RADの代表を務める水口さんは、2歳半の愛息を育てながらバリバリと働くママ美容師だ。

「スタイリストデビューしてからずっと続けているのは作品撮り。当時、モードケイズは雑誌に載るようなサロンではなかったのですが、小さな広告ページの撮影から始めて、「カジカジH」の巻頭ページを担当したときは、デザイナーズサロンとして認めてもらえた感じがして胸が熱くなりましたね」

雑誌で知名度が上がり、水口さんの集客力もアップ。25歳で梅田店の店長になり、翌年の指名技術売上は約380万円。それに加えて雑誌やテレビの撮影、店長会議もあり、まさに休みなしで働いた。

「当時はタフだったし、深夜2~3時まで飲むことも多かったです。忙しかったけど、そういうコミュニケーションも大切にしたかったので、フットワークは軽かったですね」

そんな中、26歳で結婚。実はその翌年、妊娠しているが、美容師として上り調子の状況を止めることがどうしても想像できず、やむなく出産を遅らせる判断をした。

「周囲は『えーっ!?』という反応。でも、夫は仕事をしたいという私の気持ちを理解してくれました。ありがたいですよね。そんな決断があったからこそ3年後。30歳になるまでに仕事をやり切るんだと覚悟が決まり、今までに増してバリバリ働くようになりました」

水口さんが次に取り掛かったのは、新たなサロンブランディング。5年間店長を務めたRAD noelの立ち上げだった。

「社長には以前から『ハイセンスなデザイナーズサロンをつくりたい』と伝えていて、内装などのわがままは全部聞いてもらえました。自分の中でも、〝美容師からもお客さまからも支持される人材〟をこの店から輩出したいという気持ちもありましたね」

店長としてオープニングサロンを軌道に乗せるのは大変だったが、自らの背中を見せる水口さんの姿勢は変わらず。31歳のときには大阪ブレンド(※2)にも参加して、新たなステージへと進んだ。

美容師を楽しんでいる姿を後輩たちに見せる

妊活しようと決心したのはその年。仕事はなるべく休みたくなかったので、事前に実家近郊へ引っ越してサポート体制を整えた。同年、妊娠。つわりなどがあまりなかったため、出産1カ月前まで働き、すぐに産後復帰を考えていたが、先輩から『後輩がしんどくなるなら半年は休みなさい』と諭され、やむなく育休を取得したというのが水口さんらしい。

「たった半年ですが、営業できないのがもどかしいんですね(笑)。周りが進んでいくのに、自分だけが取り残されている気持ちがあって。仕事はしたい一方で、子どもを産後5カ月で保育園に預けるのに葛藤があったりして……。やはり女性美容師が一番悩むのは結婚より出産。やりたいのにやれないことがが出てくるから、自分をコントロールするのが大変でしたね」

復帰後は保育園の迎えもあり、18時半には店を出る水口さん。スタッフとのコミュニケーションは営業中に取るようになった。復帰して指名客が減ったのは悲しかったが、マネージャーとなり、売り上げよりも人材育成に目を向けるようになった。

「美容師と子育てを両立するために大切なのは『無理せず、あきらめない』こと。私は働いて育児もするのがハッピーだからやっているけど、心のどこかで無理していると感じるなら子育てに専念した方がいいと思います。あとは、周囲の協力が必要なので、甘えるところは甘える。一番大切なのは、結婚しても子供を産んでも、〝美容師を楽しんでる姿を後輩に見せる〟こと。形はどうあれ、それが女性美容師の見本になっていくんだと思います」

水口さんの前進は止まらない。今年5月にFCオーナーとしてSCENE by RADをオープン。スタッフのがやりたいことをもっと叶えられるようにしたいと思ったのがオーナーを目指したきっかけだという。

「18歳で働きはじめ、これまで社長に叶えてもらったことは数え切れません。都心で働きたい、雑誌に出たい、店長になりたい、おしゃれなサロンをつくりたい、出産しても自由に働きたい……。私がやり続けてきたことは、目標を聞かれたときに『わからない』とは言わず、やりたいことを言葉にしてきたこと。強く思っていなくてもいい。柔軟に捉えて、とにかくやってみることが大切かのかなと思います」

言葉にしたら道がつながる。水口さんが次々と夢を叶えてきた理由がわかった気がしたー。

水口さんから学ぶ 継続力

やりたいことや目標は 言葉に出し続ける

何事もやってみてから 判断するクセづけを

水口英里(SCENE by RAD)

みずぐちえり/1983年11月8日生まれ。大阪府出身。高校卒業後、モードケイズに入社。グラムール美容専門学校通信課程にて美容師免許取得。梅田店店長を務めた後、RAD noel立ち上げに尽力。2016年に出産、復職。2018年5月から同社のFCオーナーとなり、SCENE by RADの代表を務める。

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AUTHOR /2021delivery

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