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【ゆく年くる年】2021年の美容業界ふりかえり。2022年は?
本年ラストの記事はボブログ大晦日の恒例「2021年美容業界の出来事」。
2021年の弊社の取材や2021年のメーカー・ディーラー主催イベントを抜粋しながら1年を振り返ります。
【1月】
2回目の緊急事態宣言。成人式の着付け&ヘアメイクに影響を及ぼす
今年、「本当に東京オリンピックは開催できるのか?」そんな不安を感じながら迎えた1月、
年明けまもなく、首都圏1都3県に2回目の緊急事態宣言が発令。
各地で成人式の中止が決定され、開催するエリアでも最大5000人かつ収容率50%以下に制限されるなど、
美容室での着付けやヘアメイクに大きな影響を与えました。
例年1月に行われる新春パーティや新年度方針発表会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で次々と中止もしくは延期に。
【主な業界ニュース】
29日
ウエラプロフェッショナル(ステファン・ガー社長)が2021年方針説明会で「2020年12月から再び“独立会社”として展開する」と発表。
【2月】
ワクチンの先行摂取スタート
2回目の緊急事態宣言は、栃木県は2月7日で解除。
埼玉・千葉・東京・神奈川・岐阜・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡については3月7日まで、1か月延長することが決定されました(その後、2月28日に岐阜・愛知・京都・大阪・兵庫・福岡は解除)。
同月13日夜間、福島県沖を震源とするM7.1、最大震度6強の地震が発生。避難所での感染対策の見直しも進められました。
【主な業界ニュース】
3~5日
株式会社ビジネスガイド社(芳賀信享社長)は東京ビッグサイトで「第91回東京インターナショナル ギフト・ショー」を開催。コロナ禍にも関わらず、1,432社が出展し総来場者数は94,335人となった。
8~9日
メッセフランクフルト ジャパン株式会社(梶原靖志社長)は「ビューティーワールド ジャパン福岡」を福岡国際センターで開催した。122社が出展し、3,818名が集まった。
17日
一般社団法人ジャパン・ヘアドレッシング・アワーズ・アソシエーション(蒲生茂理事長/藤本圭哉運営委員長)は「サロンチーム・オブ・ザ・イヤー新設する」と発表。
18日
NPO法人日本ビューティ・コーディネーター協会(中野訓延理事長/以下JBCA)は2021年第1回全体総会をオンラインで開催。今年の年度方針を「経営の本質、あるべき姿に向き合う年」と発表。
【3月】
繁忙月の3月、卒業イベントの縮小で伸び悩み
埼玉・千葉・東京・神奈川の緊急事態宣言も3月21日までの期限で解除されました。
2020年の大学の卒業式は6割が中止を余儀なくされたのに対し、今年2021年、多くの大学は参列規模を縮小するとともに、時間短縮を講じて卒業式を実施。
保護者の参列が中止になるケースが多かったものの卒業生の着付けニーズは一気に高まりました。
【関連記事】
【主な業界ニュース】
8日
タカラベルモント株式会社(吉川秀隆 会長兼社長)がオンライン「セールスフォーラム」で「創業100周年を迎える今年度は『美しい人生を、かなえよう』を企業目的に、サロンが生み出す新たな価値を提案する“Beauty ACTIVATION”を推進する」と発表。
【4月】
大型連休目前に3回目の緊急事態宣言
25日から東京・大阪・京都・兵庫に3回目の緊急事態宣言が適用されました。
当初、大型連休に合わせて、5月11日までの集中的な対策を行う方針でしたが、他エリアも追加となり、6月20日まで緊急事態宣言の適用期間が続きました。
ワクチンは4月12日より、高齢者の優先接種がスタートしましたが、まだこの時期はいつになったら打てるのか? 見通しも立たず、効果に対しても半信半疑でした。
長引くコロナ禍でも、美容室からはポジティブ発想の提案が多く見られました。
たとえば、「マスクヘア」や「マスクヘアカラー」など、マスクに似合うヘアスタイルの提案も定着してきました。
【主な業界ニュース】
1日
タカラベルモント株式会社(吉川秀隆 会長兼社長)は国内および世界的な新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、2021年9月27日〜28日に予定していた「TWBC2021」の中止を発表。
5日
株式会社アリミノ(田尾大介 社長)は、オンラインで創業75周年を迎える2021年度の活動テーマを「FOR THE FUTURE『ファン』を作ろう!」と発表。
6日
(株)プロラボホールディングス(佐々木広行代表取締役会長 兼 CEO)は商品を取り扱う認定サロンの功績・取り組みに称賛を贈るイベント「プロラボアワード2020」を開催。コロナ禍の中でも1673社がエントリー。
20日
NPO法人日本ヘアカラー協会(今井英夫・柿本榮三2020年度委員長/以下JHCA)はデジタルライブコンテストを開催した。テーマは「美しいシンニホンジン」。
【5月】
大型連休は自分磨き!? 浮いたお金を美容に投資
4月から緊急事態宣言期間に入っていた東京、大阪、兵庫、京都に加え、5月12日には福岡、愛知、同月16日には北海道、岡山、広島、同月23日には沖縄が追加されました。
大型連休は緊急事態宣言エリアの百貨店は休業。テナントに入る美容室は休業を余儀なくされました。
一方で大型連休が来ても「旅行に行けない、外出を控えなければならない」というストレスの発散先がヘアや美容全般に向いていることが家計における美容消費の支出割合の伸びを見ても明らかになりました(※)。
※総務省「家計調査」より、ホットペッパービューティーアカデミーによるデータ編纂
【主な業界ニュース】
16日〜18日
メッセフランクフルト ジャパン株式会社(梶原靖志社長)は「ビューティーワールド ジャパン」を東京ビッグサイトで開催した。509社が出展し、36,986名が集まった。
17日
ロレアル プロフェッショナル(本社フランス・パリ)は、世界のトップアーティストと共に、世界規模で配信するオンラインプログラム「RUN LE HAIR SHOW」(ラン・ル・ヘア・ショー)の配信をスタートした。
31日
全国美容用品商業協同組合連合会(菊地浩市理事長)、アジアビューティエキスポ実行委員会(橋本健治 実行委員長)は2022年5月30日〜31日の2日間、「第9回アジアビューティエキスポ」の開催決定を発表した。
【6月】
徐々に広がるワクチン接種
沖縄を除く9都道府県について、緊急事態宣言を6月20日で解除。
このうち東京や大阪など7都道府県は、まん延防止等重点措置に移行しました。
ワクチンの一般接種が進み、8月下旬には2回の接種を終えた人の割合が全ての国民の4割を超えるスケジュールで進行。
【主な業界ニュース】
4日
一般社団法人日本美容サロン協議会(略称JABS/吉田靖志理事長)は「有志勉強会による美容師制度に関する提言」を河野太郎行政改革担当大臣に手交した。
提言書の内容は美容師国家試験の改革、インターンシップのような実践的な実務研修制度の創設、外国人美容師に関する就労特区の支援、美容師の働き方改革の推進、美容室のコロナ対応への支援など。
14〜15日
株式会社ミルボン(佐藤龍二社長)は自由度の高い新たなイベント体験ができるバーチャルイベントスペース「ミルボンデジタルアリーナ」をローンチ。ローンチイベントを開催した。
15日
中野製薬株式会社(中野孝哉社長)は、サステイナブルな美容業界づくりに取り組む新イベント「BEAUTY IS ART」を開催。
【7月】
4回目の緊急事態宣言の最中、オリンピック開催
東京オリンピックを目前に控え、東京は7月12日から4回目の緊急事態宣言が適用されました。また、すでに適用されている沖縄の緊急事態宣言を延長。ともに9月30日まで適用期間は続きました。
東京オリンピック開催に向け景気はピークを迎え、海外からの観戦客に日本の美容室を体験してもらうはずだった7月。
開催まで様々な議論が巻き起こった東京オリンピックですが、予定通り7月23日に開幕となりました。
【主な業界ニュース】
6日
中野製薬株式会社(中野孝哉社長)は第22回日本化粧品技術者会(SCCJ)優秀論文表彰において奨励賞を受賞した。SCCJジャーナルに掲載された論文において、奨励賞は今後の発展が期待できる研究内容に送られる賞。
【8月】
美容業界でのワクチン職域接種も
8月は多くの都道府県で緊急事態宣言が発令。
8月2日より神奈川、埼玉、千葉、大阪に、8月20日より群馬、茨城、栃木、静岡、兵庫、京都、福岡に、8月27日より北海道、宮城、愛知、三重、岐阜、滋賀、広島、岡山に緊急事態宣言が適用されました。
ワクチン接種も進み、東京・渋谷には予約不要の若者向け接種会場も設けられました。
【主な業界ニュース】
17日
株式会社アルテ サロン ホールディングス(吉原直樹創業会長/吉村栄義社長)は、株式会社ケンジ(本多義久会長/西山和平社長)と連携し、新型コロナウイルスワクチンの職域接種に関する政府方針に従い9月6日より職域接種を実施すると発表した。
30日
NPO法人美容週間振興協議会(瀧川裕史理事長)は、2021年のThe Beauty Week Award受賞者を決定。
受賞したのはVtuber文化をけん引する姿との合致を理由に選ばれたバーチャルyoutuberのキズナアイと、美しい格闘スタイルが受賞理由に挙がった東京オリンピック2020男子レスリングフリースタイル65キロ級の金メダリスト、乙黒拓斗選手。
【9月】
コロナ感染数が急速に減少
9月30日には緊急事態宣言がすべて解除されました。
9月よりオンライン開催の業界イベントも活発化し、人数制限を設けてのリアルイベントも少しずつ再開し始めました。
【主な業界ニュース】
13日
北陸ヘアドレシングアワーズ(HKHA)2021の授賞式がオンラインで開催された。今回の応募総数は78作品。
24日
タカラベルモント株式会社(吉川秀隆会長兼社長)は美の国際祭典「TWBC2022(タカラ ワールド ビジネス コングレス)」を来年2022年11月21日と22日に開催すると発表。
【10月】
内閣新体制とともにコロナ明けるか? 明るい兆し?
前述の6月4日のニュース「河野太郎行政改革担当大臣に提言書を手交」の政治的背景から、美容業界でも注目の総裁選でしたが、自民新総裁には岸田氏が選出されました。
ワクチンの接種が進み、感染拡大要素もなくなった8月下旬以降、急激にコロナ感染者が減少。
年末に向け、あらゆる業種で景気回復モードに突入しました。
【主な業界ニュース】
1日
株式会社ミルボン(佐藤龍二社長)は、神戸市と小売・日用品メーカー・リサイクラー15社と共に市内75店舗に回収ボックスを設置。使用済みの日用品のつめかえパックを分別回収して再びつめかえパックに戻す「神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」をスタートした。
7日
全国に300店舗以上を展開する株式会社アルテ サロン ホールディングス(吉原直樹創業会長、吉村栄義社長/以下アルテグループ))は国際環境NGOのひとつ「バードライフ・インターナショナル」の日本支部である一般社団法人バードライフ・インターナショナル東京への寄付にあたり、寄付金贈呈式を神奈川県横浜市の同社本社で実施した。
19日
株式会社ビジネスガイド社(芳賀信享社長)と株式会社髪書房(榛葉隆社長)は東京ビッグサイトで第92回「東京インターナショナル・ギフト・ショー」×「NEXT LEADER」の特別コラボレーションセミナーを開催した。
セミナーテーマ:「美容室✕〇〇」
13~15日
株式会社ビジネスガイド社(芳賀信享社長)は東京ビッグサイトで行われる日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨のBtoB見本市「第92回東京インターナショナル・ギフトショー秋2021」を開催した。
18~20日
メッセフランクフルト ジャパン株式会社はインテックス大阪で「ビューティーワールド ジャパン ウエスト」を開催した。340社(国内328社、海外12社)が出展。来場者数は3日間で25,552名を記録した。
25日
ミシマ株式会社(三島正寛社長)は「D2 PHOTO COLLECTION授賞式」をオンライン開催した。合言葉は「中四国から全国メジャーへ」クリエイティブ部門135作品、サロンスタイル部門83作品、学生部門76作品が集まった。
【11月】
年末商戦に向け、一気に挽回!
サロンでは12月に向け、固定客に来店スケジュールを再提案。
業界内イベントにも活気が戻ってきました。
しかし一方で11月25日に南アフリカで変異株・オミクロン株が発表。11月末には国内でも感染が初確認されました。
【主な業界ニュース】
1日
株式会社フジシン(遠藤一徳社長)は「CHANGE変身動画グランプリ」を開催した。テーマは「人生が変わる瞬間」。施術前のスタイルから、カット、カラー、パーマ、スタイリング等の技術を施して変身スタイルを20〜30秒の動画で表現した。
1日
新潟を中心に美容室オーナーによって結成された技術者集団 Roots NIIGATAが主催するコンテスト「the CUT」が朱鷺メッセで開催された。エリア発信のコンテストとしては最大級。
2日
ウエラ プロフェッショナル(ステファン・ガー社長)は世界最大級のヘアデザインコンテスト「WELLA TREND VISION AWARD2021 THE FINAL」を無観客LIVE配信で行った。
8日
一般社団法人ジャパン・ヘアドレッシング・アワーズ・アソシエーション(JHAA)はセルリアンタワー東急ホテルで第32回JHA授賞式を開催した。2021年のヘアドレッサー・オブザイヤー・グランプリはDADA CuBiC 古城 隆さん。
10日
神奈川県藤沢市を拠点に首都圏に121店舗を展開するケンジグループ(株式会社ケンジ/本多義久会長、西山和平社長)はグランドプリンスホテル新高輪・飛天の間にて設立50周年の式典を開催した。
15日
株式会社アリミノ(田尾大介社長)は「アリミノ フォトプレゼンテーション2021」の受賞作品を発表した。テーマは“Veil(ベール)”。
16日
一般社団法人ユナイテッド・ダンクス・インターナショナル(門田義治理事長)はKT Zepp Yokohamaで「UNITED DANKS HAIR SHOW 2021」を開催した。来場者253名、配信同時接続300名以上が鑑賞した。
29日
株式会社ミルボン(佐藤 龍二社長)は「ミルボンDAインスパイア2021」FINALをミルボンデジタルアリーナで開催。
29日
ミツイコーポレーション株式会社(宮崎俊哉社長)はフォトコンテスト「#totta」授賞式をオンラインで開催した。
【12月】
年末商戦本番! 新たな脅威株も
コロナ以降、メニューを減らし美容室の滞在時間を短縮したいと考えていたお客さまも、コロナ感染者数の減少とともに予約メニューを増やす傾向に。
オミクロン株が第6波につながるリスクを感じながらも、やはり美容室は強い! 12月の美容室の売上は堅調傾向。本日12月31日現在、各地から続々と「最高記録を達成した!」という声も届いています。
中には13年連続で最高記録を更新続けているサロンも。
コロナ禍でも、通い続けてくれているお客さまからの信頼とお客さまのことを考えた提案があれば、このようなギネスは更新できるのだと改めて感じています。
【主な業界ニュース】
6日
株式会社ガモウ(蒲生典子社長)はサロンやエリアの垣根を越えたチーム戦によるステージ形式のカットバトル「TAKUMI 2021」を開催した。ギャラリーは約650名。
6日
株式会社ガモウ関西(藤本圭哉社長)は技術とデザインを競うコンテスト「三都杯」をみやこめっせで開催した。昨年はオンラインで開催しYouTube配信をしたが、今年はリアル開催しインスタライブやYouTubeでもライブ配信した。
9日
タカラベルモント株式会社(吉川秀隆会長兼社長)は、「ヘアサロンで“人生が変わる”瞬間を描いた動画」から最も心に響いた作品を選ぶ動画投票キャンペーンを実施し、その結果を発表・公開した。一般部門のグランプリは「100歳カット」。
20日
株式会社ハホニコ(酒井良明社長)は9月29日に紺綬褒章を受章。その授章式が大阪府庁(大阪市中央区)で行われた。ハホニコは、新型コロナウイルス感染拡大によるアルコール消毒液不足の状況を鑑み、大阪府へアルコールハンドジェル4万本を寄贈したことが受章理由となった。
【ゆく年くる年まとめ】
2020年〜2021年でオンライン教育やオンライン面接は一般化しました。
簡単に知りたいことが学べるようになり、これまでセミナーに通って学んでいた技術を身近に目にする機会も増えた分、練習に費やす時間(手を動かす時間)は減少傾向、教育の形は大きく変化しました。
一方で2021年後半あたりから、カットの再教育やベーシック学び直しなど、苦手技術の克服に取り組み始める声もチラホラ聞こえ始めました。
リアルイベント開催の声も高まり、春に向けて数々のリアルイベントが予定されています。
また、2022年以降は最低賃金のアップを目的にした国の政策により、客単価を上げざるを得ない美容室が増えると言います。
客単価に見合う高付加価値を提供できているか?
客単価に見合う人材育成がされているか?
SNS映えだけでない、プロの技術を提供できているか?
2022年はプロとして、本質が問われる年になりそうです。
年末に発表されたAIによる新規感染者数予測(名古屋工業大学 平田晃正教授の予測データ)によると、東京都でオミクロン株の市中感染が始まったのが12月25日だったと仮定した場合、2022年2月中旬には3000人でピークに達すると予測されています。
各地で市中感染が増えている今、2022年前半はオミクロン株の感染拡大に大きく左右されそうですが、
コロナ年を乗り越えた経験と知恵は、次の変異ウイルスに打ち勝つ強さを備え持っています。
2022年、美容師の底力が、より発揮される1年になりますように。
美容の力で、より多くの人が幸せな瞬間を感じられますように。
本年もボブログをご愛読くださり、ありがとうございました!
良いお年をお迎えください。