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コロナ禍で変化した美容室・美容学生の就職活動。表面的領域と本質的領域のバランスをとり、入社後のミスマッチを防ごう

コロナの影響で急速に進んだ就職活動のオンライン化

コロナ禍の影響で今まで通り対面で行う面接やサロン見学が、感染予防のため出来にくくなりましたね。対面で予定していたガイダンスや会社説明が延期になり、夏以降の採用にシフトしてしまったサロンが増えました。さらにオンラインという選択肢も増えたため、各サロンの採用担当者は対応に追われています。また、美容学生のサロン選びの基準も変化が

オンライン採用のメリット・デメリットとは一体何なのでしょうか。

今回のブログは、美容業界に特化した求人サポートを行う株式会社ビューティープロ代表の荒井由実(あらいゆみ)さん監修のもと、NEXT LEADER 2020年9月号の記事を引用しています。

監修:荒井由実

人材採用の歴史と美容業界のポイントを振り返る

どの業界においても急速に進んだオンライン採用は果たして定着するのだろうか。実は、美容室の採用のデジタル化はコロナが流行する前の2015年を起点に加速。人材採用の歴史とともに、どのような背景がありデジタル化が進んだのかを振り返る。

2008年

・採用市場に最も影響を与えたリーマンショック

・過去最低となった求人倍率

・労働基準法改正の公布(時間外労働の割増賃金率の引き上げ)

2010年

ダイレクトリクルーティングが本格化

・テクノロジーの急激な進化に伴い、採用活動のさらなる多様化が進み、採用方針の方針も変化

2011年

・日本人の人口減少が本格化

2012年

・SNSを活用したソーシャルリクルーティングが流行りはじめる

2014年

売り手市場の再来

・効率的なアプローチを可能にした学生スカウティングサイトの盛り上がり

★2015年

採用のマーケティング化

・デジタルとリアル、2軸の活動採用に注力する企業の増加

・女性活動推進法規定、若者雇用促進法規定

2016年

政府が働き方改革を提唱「働き方改革実現推進法」発足

2018年

兼業や副業の促進

・AIなどを活用した企業と人材のマッチングサービスが充実

2019年

・労働法改正に伴う生産性の高い組織づくり

・働き方改革関連法に基づき、労働基準法をはじめとした8つの労働法が改正

★2020年

・採用市場に大きな影響を与えたコロナショック

 

美容業界のポイント1

【2015年】美容業界の求人活動にインスタグラムが重要視されるようになる(インスタグラムリクルーティングやインスタ採用)

デジタル→SNS、インスタグラムリクルーティング

リアル→ガイダンス(学校ガイダンス、外部業者によるガイダンス)

 

2015年からは、この組み合わせが採用活動のスタンダードに

デジタルに注力できていなかったサロンは採用において苦戦を強いられることに。特に教育型の老舗サロンにその傾向が強く見られる。

 

美容業界のポイント2

【2020年】美容業界の採用において、コロナ禍で学生と出会えない背景からオンライン採用の開始

オンライン→インスタグラム、YouTubeの活用、Zoomでの説明会、面接

オフライン→ガイダンス(学校ガイダンス、外部業者によるガイダンス)

 

2020年からは、この組み合わせが採用活動のスタンダードに

2015年以降にデジタルを強化したサロンは対応がスムーズ。都心や地方によって状況はさまざまだが、首都圏はオンラインが主流となる傾向に。

実際にコロナショックで美容業界の採用においてどんなところが変化したのだろうか。美容学生を取り巻く環境はこの1年程で激変。詳しく解説していく。

 

コロナショックで変化その1

美容室の価値

コロナ禍において生活になくてはならない業種として再認識された美容室。「安心・安全」が求められるようになったことは、衛生法規を学んだ国家資格取得者として美容師の価値を高めるチャンスに。あらためて美容師の社会的意義を考える美容学生が増えそうだ。

 

それに伴い、美容学生の「サロン選びの基準」も変化

コロナ前

「雰囲気がオシャレ」「デザインがかっこいい」「楽しそう」「給与が多い」「休みが多い」「都市部にある」「新規客が多い」など

▽ ▽ ▽

コロナ後

「安心・安全」「経営者の考えに共感できる」「経営基盤がしっかりしている」「適切労務環境」「地域密着」「固定客が多い」

下記の画像は中日美容専門学校の久米健市校長が在校生に向けてインスタグラムで投稿した内容。

就職先を選ぶ際に、いかに「価値観への共感」が大切なのかが書かれている。コロナを機に美容学生のサロン選びの基準が大きく変わっていくかもしれない。

 

コロナショックで変化その2

採用活動

これまでの採用活動

「ガイダンス」「会社説明」「サロン見学」「面接」

▽ ▽ ▽

これからの採用活動

【オンライン採用活動】

「オンライン会社説明」「オンラインサロン見学」「オンライン面接」

【対面採用活動】

「ガイダンス」「会社説明」「サロン見学」「面接」

コロナによって強制的にオンラインツールを活用せざるを得なくなったことで、一気にデジタル化が進んだ採用活動。良いか悪いかは別として、今後はオンラインとオフライン(対面)の組み合わせがスタンダードになるのではないか。

 

オンライン採用は3ステップ

基本的なオンライン採用の流れと課題(メリットデメリット)を解説していく。

オンライン採用の流れは下記の3ステップ。すべてオンラインにするわけではなく、部分的にオンラインツールを取り入れているサロンが多い。STEP1で興味を持った学生はDMなどで通じてつながりを持てるので、採用担当者が個別にコミュニケーションを取りながら一気にSTEP3に進むケースもある。

オンライン採用のメリットとデメリット

【美容室側のメリットとデメリット】

メリット

・都合のいい時間・場所で発信を見てもらえる

・交通費や宿泊費がかからない

・今まで出会えなかった学生に出会える

デメリット

・学生の雰囲気がつかみづらい

・他社の状況と比較できない

・ITが苦手な人がいる

【美容学生側のメリットとデメリット】

メリット

・感染リスクを避けられる

・交通費を節約できる

・最新の情報を受け取れる

デメリット

・サロン全体の雰囲気がわからない

・採用担当者以外の話が聞きにくい

・サロン周辺の様子がわからない

・通信状況が悪い場合がある

 

上記を踏まえて課題として上がる点

①オンラインをどれだけ上手く活用できるか?

②表面的になりやすいため、本質をどのように伝えていくか?

③ミスマッチをどうやって防いでいくか?

コストをかけずに今まで出会えなかった学生にも出会える反面、人物像の見極めが難しいという声も。また、採用担当者がオンラインツールを上手に活用できていないケースもある。メリット・デメリットを踏まえ、あくまでもオンラインは手段の一つだと心得よう。そして②と③は具体的にどういうことなのだろうか。詳しく見ていく。

 

本質的採用活動と表面的採用活動が安定することで人が集まる

下記の2つのピラミッドを比べてみる。

表面的領域の発信・・・求人票、会社案内、ガイダンス、SNS発信、ホームページの充実、メディア露出等

本質的領域の発信・・・理念に基づいた取り組み(紹介、口コミ、職業体験イベント等)

デジタル化は間違いなく進んでいくので、時代に合わせた発信力は必要。オンライン採用に取り組める体制はしっかり整える必要があるが、表面的領域ばかりに気を取られ、本質を見失って採用すると早期離職の原因となる。何のために求人をするのか?経営理念、業績、教育制度など本質的な領域を整え安定したピラミッド型の採用活動を目指したい。

本質的な領域と表面的な領域のバランスが取れたサロンは、人が集まり辞めない!

人が集まり辞めないサロンとは本質的な領域と表面的な領域のバランスがうまく取れているサロン。求人手法は変化していくが、変わらないのは本質。事業規模にもよるが、紹介や口コミなど地域密着型の求人手法が見直される機会になるかもしれない。

 

オンライン採用は毒か薬か?

サロンにおいて重要な採用の知識や方法を詳しく知りたい方は、NEXT LEADER 2020年9月号をチェック。これから学生に選ばれるサロンとは? 会う前から学生の素を見れるPR動画って?など「オンライン採用」特集となっております。

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▽ ▽ ▽

 

 

荒井由実

あらいゆみ◎美容業界に特化した求人サポートを行う株式会社ビューティープロ代表。新卒向け就職マガジン「美容師になろう!」編集長。求人コーチ育成講座主催、美容学校での講師、講演多数。

 

 

 

 

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