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「髪を乾かさないで寝てしまいます。」あなたはどう答えますか?
髪の毛を髪を乾かさないで寝てしまいます。とお客さまに言われたら?
「髪が短いので、夏場はすぐ乾きますし、ドライヤーしません」
「髪の毛が長いと面倒で……乾かしません」
と、お客さまから言われたらどう答えますか?美容師の皆様ならじゅうぶん承知だと思いますが、髪の毛を乾かさないのは危険な行為ですよね。でも実際に髪を乾かさないお客さまは多いのが現状です。お客さまにどう伝えるべきなのでしょうか。
そこで今回教えてくれるのは、
毛髪診断士・毛髪協会認定講師の前田秀雄(まえだひでお)先生です!
実は私、最近アルバイトとして入社しました。わからないことが多いので、たくさん質問させてください!
髪の毛を乾かさなくていい理由がある!?
お客さまも理由があって、髪を乾かしたくない場合があるようですが、果たして正しいのでしょうか?そこで前田先生に答えていただきました。
その1
その2
その3
その4
髪を乾かさないと頭皮に雑菌が繁殖し、それが次に生えてくる髪に影響して余計にパーマが取れやすくなることも。かといって枕が清潔であっても頭皮の中での繁殖は防げませんので、結局乾かすのがベターです。
お客さまはなぜ髪の毛を乾かさないのか。それは頭皮が不衛生ということ以前に……
ドライヤー(熱風)で乾かす行為は髪の毛が痛む原因になる
と考えているからでしょう。どうしても乾かすのは嫌だ!というお客さまには
冷風で髪を乾かす
ことを提案してみてはいかがでしょうか。この時期、熱風で乾かすと汗をかいたりしてしまいますよね。せっかくお風呂で汗を流したのに、また汗をかくなんて…。でも冷風で乾かすと、火照った身体のクールダウンにもなります。風量が強めの冷風が良いでしょう。
扇風機で乾かすのはどうなの?
何しろ夏のお風呂上りは暑い!冷風がいいなら、扇風機で乾くしそれでよくない?という気もしてきますよね。
でも実は、扇風機の風ってとても埃っぽいんです!羽根にすぐ埃が溜まりませんか……?これは当然扇風機の風にも混ざっていて、あまり濡れた髪に当てていると髪に汚れが溜まってしまいます。
ちなみに、周りの空気を集めて吐き出すのはドライヤーも扇風機も同じですが、ドライヤーにはフィルターがありますし、また熱風であれば、ドライヤー内部では180°ほどまで温度が上がるので熱で滅菌された風が出てきているのです。
……やっぱり我慢して熱風で一気に乾かしちゃったほうがいいかもしれないですね。
正しく乾かすことでダメージを防いで、翌朝の寝グセを抑えられる!
正しい髪の乾かし方とは、頭皮を乾かすことだった
先ほどその3で寝ぐせの問題を取り上げましたね。「髪を乾かして寝れば、翌朝はとても簡単に寝グセを直すことができる」と前田先生が仰っていましたね。髪を正しく乾かすのがポイントです。詳しく教えてもらいましょう。
ポイントは髪の毛の表面ではなく、頭皮(髪の毛の根元)を乾かすことです。
毛先がハネてしまうのは根元のクセの原因なのです!
お客さまに「正しい髪の乾かし方」を説明する際には、頭皮をしっかり乾かすことを説明してあげましょう。これはシャンプーする際にも共通することで、頭皮をしっかり洗うようにシャンプーすると良いでしょう。
水は上から下に落ちる
また、今更な話ですがお客さまが意外と見落としがちなことに、「水は上から下に落ちるから、根元から乾かさないと二度手間」ということがあります。
髪の毛が長くて乾くまで時間がかかる!とおっしゃるお客さまの多くは、頭のサイド~盆の窪辺りの毛量がたまる部分の根元を先に乾かそうとして、根元から水が落ちてくるので「いつまでも乾かない!」と感じている場合が多いものです。
これだと根元まで乾くころには毛先がパサパサ……そして、ドライヤー=髪が傷むというイメージが形成されてしまうわけなのですね。
「髪の毛を乾かさない」という行為は危険すぎる
武装もせず戦場にいるのってどう考えても危ない!それと同じくらい、濡れて膨張した髪の毛は、超無防状態と言うこと。頭皮に残った皮脂でニオイの原因にもなるし、パーマ・カラーをするよりダメージ大なのです!!
濡れたまま寝ると、地肌は雑菌の住処に!
「私は髪の毛を乾かさないです!なんで乾かさないといけないの?」とお客さまに言われたら、以下の【前田先生とお客様のお手本トーク】を是非参考にしてみてください。髪を乾かさないと、髪の毛が痛んでしまい今後カット・カラー・パーマなどの施術する際にトラブルの原因にも繋がってしまうかもしれません。大切なお客さまと髪の毛のためにも、しっかりと伝えましょう。
【前田先生とお客さまのお手本トーク】
お客さま:寝る前の忙しい時間に髪を乾かすのが面倒です!どうせ翌朝に寝グセ直しするのに、どうして乾かさなきゃいけないんですか?
前田先生:お客さま、髪を乾かさずに寝るのは頭皮にも髪にも非常に悪影響です。まず、頭皮に残った皮脂に水分が残ったまま寝ると雑菌が繁殖する原因になります。お化粧を落として寝なければ肌によくないのと同じですね。また、髪も濡れているとキューティクルが開き、そのまま寝ると摩擦や絡まりの原因になります。
お客さま:雑菌にダメージ……!でも、毛量が多くて乾かすのが大変なの、どうにかならない?
前田先生:ご安心ください。正しい乾かし方をしっかりレクチャーいたします。ポイントは髪の根元をしっかり指で動かしながら、頭皮に風をあてるようにすること。髪でなく頭皮を乾かすつもりでドライヤーを使ってみてくださいね。
美容師のケミ会話では他にもお客さまからの悩み「ホームカラーっていいの?」「市販のシャンプーってどれがいいですか?」「枝毛が気になるので、トリートメントで直してください」など25個以上の質問と適切な答え方が載っています!これを読んで、お客さまになんとなく答えるのはもうやめましょう!是非お手に取ってみてくださいね。
前田秀雄[のりこ美容室(のりこびようしつ)/京都府 伏見区]
まえだひでお/1965年9月6日、京都府生まれ。京都理容美容専修学校卒業後、1991年に母・紀子さんが創業したのりこ美容室に勤務。2007年に事業を承継し㈱NORIKOを設立。代表取締役社長となる。毛髪診断士および毛髪協会認定講師の資格は1995年に取得。小さな美容室の「行きつけマーケティング」という独自化経営のコアを支えるのが毛髪科学知識であり、徹底した悩み解決提案・施術にこだわる。趣味は天体観測。
AUTHOR /sae
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