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2020年の振り返りと2021年の展望【BOB編集部】
あけましておめでとうございます。月刊BOB編集長の森井です。
本日2021年1月2日現在、東京は感染者が激増しており、再び緊急事態宣言が出てもおかしくない状況。
日々情勢が変わる本格的なwithコロナ時代の幕開けとなりました。
雑誌編集部にとっては去年は苦行のような1年でした(苦笑)。人には会えない、移動できない、つまり取材ができないので、
情報が命のわたしたちにとっては、そういう中でいかに現場に即した情報をとれるか。
ズームや電話、ラインのやりとりが劇的に多くなった1年でもありました。
こんな状況の中、たくさんの情報を提供、共有いただいた美容室のみなさんに改めて感謝申し上げます。
さて、今日のお題は「2020年を振り返る」なので、BOBも表紙とともに内容を振り返っていきたいと思います。。。。
【第3次ブリーチブームと技術開発】
2020年 1月号 『5人の達人が披露 動画でエアタッチ』
2020年 2月号 『華やカラー Pink! Pink! Pink!』
私事ですが、2019年の10月号より出戻り編集長として再任いたしました。
わかってるつもりだったものの、やはり技術の現場に戻ってくると、あまりに商材やテクニックが進化しており(って勉強してなかったんかい、というコメントはスルー)、これは勉強しなおしだ……と襟を正した2020年前半。一発目の特集は「エアタッチ」!
ハイライトやバレイヤージュ、Wカラーなどブリーチを使ったテクは85年生まれ以降の美容師たちによってブラッシュアップされているのは間違いなく、もともとある技術を拡大再生産させるクリエイト力に「新しい時代がきたな……」と感じたのでした。
この第二次ブリーチブームは2010年あたりからの「外国人風カラー」「透明感」が源流で、その時点では「商材マター」だったものの、技術者がテクニックを進化させて「技術マター」にしていった歴史が今のブリーチだと思っています。
技術マターにできたから、定番化した。1月号ではすでに自分の型を持っている美容師さんたちに登場してもらい、それぞれの技術を披露してもらいました。
【美髪メニューとケアブリーチで高単価に 】
2020年 3月号 『新しい自分に出会う 最高売上への挑戦』 〈別冊付録 酸熱トリートメント&プレックス系トリートメントガイド〉
ブリーチが一般化したのは美容師による技術革新が主な理由ですが、その美容師たちに火をつけたのはプレックス系商材の登場。マレイン酸やジカルボン酸などを駆使してSS結合を疑似再結合する処理剤が出てきました。若年層のハイトーン客、そしてグレイ世代のハイライト客たちにブリーチメニューが広がったのはプレックス系処理剤を使った「ケアブリーチ」によるところが大きい。
そして何より、ほぼ同じ施術時間でプラス料金が取れます。単価アップできるメニューはなかなかつくりにくい中でデザインメニューで結果がすぐに出るケアブリーチがヒットしたのは必然でした。
同じように単価のとれる美髪メニューとして登場したのが「酸熱トリートメント」。美意識の高い40代以降のロング志向の女性たちを中心に人気を集めました。グリオキシル酸を代表とする酸性成分と熱処理によって髪をツヤツヤにする新機軸この技術は、ケミカル知識と経験値、技術力が相当に求められるメニュー。
新しいメニューづくりには美容師の技術と新しい商材が必要なのだと改めて実感した特集で、知識が足らず何度もメーカーさんや美容師さんに聞き、全編集部総動員で制作にあたりました(そして見事、完売しました!)。
【令和時代の価値観と消費者ニーズ】
2020年 4月号 『令和のモテ髪大研究』
2020年 5月号 『5G時代の美容師と動画』
2020年 6月号 『時間単価を意識する 1分・5分・15分・30分 時間別ヘアアレンジ』
美容は良くも悪くも時代を反映するトレンドビジネスなので、最先端なものと同じくらい月刊BOBが大事にしているのが「マスマーケット」です。
4月号では、SNS世代の20代女性の価値観を探る特集を立て、令和のモテ髪を定義。「あざとさ」の正体に迫りました。
5月号ではVR教育や動画集客に着手している美容師やYouTuberを多角的に取材。通信革命とビッグデータの運用が美容室をどう変えるのかを考えました。
そして早速6月号で動画でテクを見せるアレンジ特集を実施!
【コロナ禍の美容師、美容室に必要なこと】
2020年 7月号 『こんな時こそ、こんな自主トレ』
2020年 8月号 『新しいサロン様式』
2020年 9月号 『サロンワークのための衛生管理』/書籍『サロンワークのための衛生管理』
雑誌の企画は約2カ月前倒しです。7月号は6月1日発売なので、取材は4月中旬くらいから行います。6月号の撮影時から取材自粛をすべきかどうかの議論が始まっており、7月号では東京都の自粛要請もあり、出張を見合わせることになりました。そのため、リモートでの取材がメインとなりズームで取材し、
現地にカメラマンのみ派遣して撮影するという新しい手法で雑誌をつくることになりました。この時期にはまだサロンがお休みだったところが多かったので、
「今のステイホーム期間をどう過ごすか」をテーマに企画。
スタッフと経営者でもめているサロンも多く、情報が錯そうしていたのでインスタライブを立ち上げ、雑誌以外の情報発信にも取り組みました。
衛生管理がしっかりされている美容室に新規が多く来ているという声を聞き、いち早く特集を組み、同時に「美容室の衛生管理」という書籍もつくって
美容室は衛生業であることをアピールしました。厳しい状況の中取材にご協力いただきましたサロン様には感謝申し上げます。
【美容室の現場もこれからはタイムパフォーマンス(時間生産性)】
2020年 10月号 『信頼も効率もどっちもアゲる タイムパフォーマンスが新基準!』
2020年 11月号 『売れっ子美容師☆同窓会』
2020年 12月号 『激動!! 2021年』
コロナ前から雑誌のコンセプトを変えることを考えていました。これまで、月刊BOBが追ってきた「総売上」だけでは時代に合わなくなっていると感じていたからです。
働き方も多様化し、時間が1つの価値になっている中、長く働き続けるために時間売上(タイムパフォーマンス)に価値を置いていこうと議論しているさなかにコロナが起こりました。美容室の滞在時間はより短くなり、技術のスピードアップとお客との深い信頼関係づくりが求められており、「わざわざ会いにいきたい美容師」かどうかが問われています。このタイムパフォーマンスを新しい時代の働き方・基準に打ち立てたのがこの2号です。
【2021年の特集企画】
2021年 1月号 『フェイスフレーミング』
2021年 2月号 『B.O.C ブリーチオングレイ』/別冊 『CREATIBOOK』
そして3月号では、毎年大人気の企画、「最高売上」を「最高タイムパフォーマンス」として衣替え。コロナ禍でも自分の最高売上を更新する1990年代以降生まれの若手美容師をピックアップ。 どんなタイムパ値が出てくるか?! 注目です!
現場レベルでも時間売上を考えるのがwithコロナの働き方。
SNSなどで個人集客も可能になった今の時代、個々のスタイリストがタイムパフォーマンスを上げるために見つめるべきは
①自分のキラーメニューの開発と単価アップ・メニュー率アップ
②信頼関係の再構築(スタッフ、お客、経営者と)
③時間単価を意識した働き方
④商品売り上げづくり
上記の内容をもとに、2021年もみなさまと一緒に美容業界を盛り上げていきたいと思います。特にキラーメニューづくりとタイパアップに注力していきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!