ゼロカーボン社会実現に向け
ヘアケアブランドを展開する株式会社b-exの福井敏浩社長が11月13日〜14日にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された「COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)」の公式サイドイベント「World Climate Summit(WCS)」に参加した。
WCSはWorld Climate Foundation(WCF)が世界各国の企業が気候変動をテーマに議論する場として年に3回主催しているイベントで、2010年からはそのうち1回が毎年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)の公式サイドイベントとして開催されている。今回、COPの開催と合わせて行われた同イベントには、カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいる世界各国の企業等66団体が参加し、b-ex代表取締役社長の福井敏浩が日本の美容企業として唯一参加した。また、b-exが資本業務提携している台湾のカーボンニュートラルグリーンコスメメーカーO’right(本社:台湾桃園)の葛望平 代表がパネルディスカッションに参加した。
b-exではSDGsを経営の柱とし、長期ビジョンとして「アジアNo.1クリーンビューティ*カンパニー」を掲げている。今回のWCS参加も、ゼロカーボン社会の実現に向けた活動の一環だ。
【b-ex代表取締役社長 福井敏浩より】
クリーンビューティで遅れを取る日本、免税店にナチュラルコスメコーナーがある国も
今回、このWCSに参加した欧米各国の企業と比較すると、日本の美容業界は10年近く遅れている印象を受けました。商品の棚の大きさから見ても欧米と日本におけるナチュラルコスメの取り扱いには大きな差があり、海外では空港の免税店にナチュラルコスメコーナーが設けられている国も珍しくありません。また、「男性用、女性用」と商品の対象者を性別で区別しないジェンダーニュートラルな商品も増えてきており、企業におけるSDGsへの当事者意識が商品開発にも色校反映されていることを実感しました。
サプライチェーンから根本的な改革が必要
b-exが資本業務提携している O’right は WCS のパネルディスカッションで、気候変動の影響に迫った北極探検のドキュメンタリー「MELTING GREENLAND」を公開しました。O‘right の取り組みは規模の大きいものですが、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、持続可能な森林管理を評価する「FSC 認証」や環境に配慮した包装・容器の使用など世界的な広がりを見せています。その中でも日本は「過剰包装」の国と見られており、日本では当たり前の化粧品の箱、バージンシール、店頭の POP シールなどを使っていない海外のメーカーも増えています。また、日本のサプライチェーンでは高い品質を保つという意識が強いせいか、製造過程から廃棄が多いのが現状です。海外では、特にナチュラルコスメの購入者は製品の品質に影響を及ぼさないパッケージの不具合などに対して、日本の消費者よりも寛容な傾向にあり、使える資源を最大限活用するマインドが強く見られます。容器包装ごみの削減のため、消費者だけではなくサプライチェーン全体の見直しや意識改革がより一層求められています。カーボンニュートラルの実現は、エネルギー関連企業や大企業の努力だけで達成できるものではありません。我々のような中小企業が集まってアイディアを出し合い、アクションを重ねていくことがやがて大きな力になることを改めて実感しました。b-exが日本のクリーンビューティーをけん引していくために、来年度もヘアサロンとともに脱炭素化の取り組みを推進し、サステナビリティへの当事者意識であるグリーンマインドの浸透に取り組んでまいります。