タカラ101年目スタート
「美しい人生を、かなえよう。」をパーパスに理美容や医療の業務設備機器および化粧品などを製造・販売するタカラベルモント株式会社(吉川秀隆会長兼社長)は、4月6日に2022年全国有力代理店会議をリーガロイヤルホテル大阪(大阪市北区)にて3年ぶりに開催した。
当日は事前の抗原検査や当日の感染防止対策へ協力のもと、全国から70社102名の代理店代表者らが出席した。
会議では、吉川社長がタカラベルモントグループ全体方針、及び理美容機器・化粧品の事業方針を動画も交え発表。また、当社創業100周年に際し、株式会社ガモウ代表取締役会長の蒲生茂氏からは共に歩んできた業界発展への道のりを振り返りながら、今後も共に業界発展に取り組んでいこうという未来に向けたスピーチをいただいた。代理店会議の後は同会場で優秀代理店の表彰式を行い、吉川社長より各代理店代表の皆様にトロフィーが手渡された。
■2022年グループ全体方針・事業方針 要旨(以下、同社よりのプレスリリース抜粋)
吉川秀隆
タカラベルモント株式会社
会長兼社長・SCB(サロン&コスメティクスビジネス)本部長
■創業100周年へのお礼
タカラベルモントが昨年創業100周年を迎える事ができた事に関し、共に歩んでいただいた皆さまに感謝を申し上げ、2022年は101年目のスタートとして社員一同、気持ちをあらたに皆さまとともに歩みたいと考えている。
■環境動向に関して
ウクライナの情勢による世界的な経済低迷、物流や製造への影響を懸念しているが、それ以上に、人命や平和が脅かされることは絶対にあってはならない事であり、早期に終息することを願っている。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に関しては、予断を許さない状況が続く事が予想される。人々の美と健康に携わる企業として、様々な角度から貢献できるよう努力する。
一方、コロナ禍は人々の生活やビジネスに「変化やイノベーション」を生み出した側面もある。テレワークの普及もそのひとつであり、当社も様々なツールを活用し、新しい営業スタイルを作っていきたいと考えている。
また、コロナ禍でのストレス増大により、サロンに求められるニーズも変化。当社が実施した消費者調査では、ストレス解消やリフレッシュするための体験に関する設問で、「サロンに行く」という回答が女性の1位であった。この結果から、サロンの存在感は今後も高まると考えられる。
当社にとってうれしい話題としては、ホッケー女子日本代表でもある当社の及川栞社員が、アジアカップで主力として活躍し、優勝した事が挙げられる。スポーツにはあらゆる文化や国家、人々の間の理解を促進し前向きに社会を変える力がある。7月にはワールドカップが開催される予定だ。
■業績報告
2021年度のタカラベルモントグループの連結売上高は、国内マーケットが565億円、海外マーケットが167億円。全体売上は、2020年度実績比で14%アップ、コロナ前の2019年と比較しても5%アップした。
理美容機器事業では、当社が提案を続けているロイヤルカスタマー型のサロンや、個室・半個室を取り入れたルーミングサロンの出店が増加したことが、好業績につながった。
一方で、世界規模での半導体不足により、アクアフォルテ(自動シャンプー機器)や給湯機の生産に影響がでている。欠品によりご迷惑をおかけしていることを心苦しく思っており、早期解消に向けて全力をあげて取り組む。
化粧品事業では、日本人特有の赤みを消す技術を採用したヘアカラー「エドル」、肝細胞研究からうまれ世界8か国で同時発売されたヘアケア製品「ルベルワン」など、新製品の販売が好調。
■2022年度の取り組み
1:サロンにおける体験価値の向上
コロナ禍では、これまで以上にサロンに対「リラックスやリフレッシュ」と「安心できる感染対策」の両立が求められる。これらを実現できる「個室・半個室サロン(ルーミング)」の提案は、当社がこれまで提案してきた「ロイヤルカスタマー型」のサロン経営や、顧客体験型・持続型のサロンビジネス「ビューティーアクティベーション」にもつながる。
2022年も引き続きこれらの提案をすすめるとともに、個室・半個室で行え、体験価値向上できるメニューとして「頭浸浴(とうしんよく)」や「男性のひげ脱毛」も提案する。
2:デジタルテクノロジーの活用
近年のデジタルテクノロジーの進化は目覚ましいものがある。サロン業界は、理美容師の皆さまの「手」で直接触れる”リアルでアナログ”な、デジタルとは対極にある業界であるが、これこそが他の業界にはない強みでもある。
このサロン業界ならではの強みと、デジタルテクノロジーを融合させ、業界を拡大させていきたいと考えている。
昨年度、WEB上でお客様が自分の好みなどを来店前にプレオーダーできる「Palpul(パルプル)」、サロン専売品を購入できるオンラインストア「ビューティシティ」をスタートさせた。さらに、11月に開催するイベントTWBCでは、コミュニケーションをデジタル化する画期的なシステム披露する予定だ。
3:SDGsへの取り組み
当社は、3年前の当会議にてSDGsに取り組むことを発表した。
2022年度以降も、主にサロン業界を通じて社会に貢献できる「環境」と「持続」の2つの側面から活動を推進する。さらに、この活動推進が、実質的なビジネスの拡大にも繋がるよう、取り組みたいと考えている。こうした環境問題への対応は、サロンでの取り組みとともに、サロンに来店されるお客さまへの啓蒙活動も強化する必要があると考えている。
「環境」側面での活動としては、化粧品事業では、22年前に取得したISO14001への準拠はもちろんのこと、さらに自主基準を設け、環境負荷の少ない容器素材・原材料の採用にも積極的に取り組んでいる。ルベルブランドでは、2025年に100%の製品を環境対応型にすることを目標にしている。
理美容機器事業では、チェアの製造過程で出る廃棄レザーのアップサイクル「リボニスプロジェクト」を実施した。また、従来のエコ給湯機に加え、節水シャワーヘッドへの切り替えを進めていく。
化粧品・機器とも環境対応型の製品を拡充し、環境対応を進めていくことに繋げていく。
「持続」の側面では、ロイヤルカスタマー型サロンを増やす活動を通じ、サロンの持続的発展とサロンスタッフが業界で長く活躍できる環境を整えたいと考えている。
他にも、ルベル「SEE/SAW:シーソー」の『ハッピーウーマンアワード2022 for SDGs「女性応援ブランド賞」』受賞に代表される「女性が長く活躍できる環境づくりの支援」や、タカラ美容専門学校での理美容師育成支援に代表される「質の高い教育の推進」などにも、引き続き積極的に取り組んでいく。
化粧品事業については、頭髪化粧品、スキンケア化粧品、ネイル製品の各ブランドの組織統合を行った。これにり、市場のセグメントの明確化と、相乗効果が発揮できるマーケティング展開を実施する。
また、将来に向けてトータル300億円の売り上げに対応する為、2025年に新化粧品工場を建設するとともに、物流機能の強化を行う。
研究面においては、化粧品研究開発センターにて、最先端の毛髪化学研究を中心に、さまざまな領域への真の美の可能性を広げる基礎研究を行っている。
そのひとつは、「ファインスキンテクノロジー」。
これは、肌が自ら潤いを生み出す力を高める最新基幹技術で、当社が独自に開発。また、 もうひとつ、同じく当社が開発した「ヘアメデュラケア」技術を応用すれば、メラニンがない白髪に”メラニン補充“が可能になる。
これらの技術はルベル、エステシモ、ピトレティカの新製品に既に搭載されているものもあり、今後さらに拡大させていく。
教育面では、オンライン教育のプラットフォーム「ルベルモバイルスクール」をスタートさせた。100以上のオンデマンドコンテンツと当社インストラクターのリアルな講習を組み合わせた、ハイブリッドな新しい教育を提供していきたいと考えている。
■未来に向けて
2020年ドバイ万博が3月末に閉幕し、次は2025年大阪・関西万博が開催される。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、コンセプトは「未来社会の実験場」。これまでの社会や生活を大きく変革するような画期的なテクノロジーや仕組みが披露される。
当社としても理美容業界の未来を見据え、美と健康領域の新たなステージを切り開くため、出展にチャレンジしたいと考えている。正式に決定次第改めて報告。
本年11月21日・22日にはパシフィコ横浜でTWBC2022を開催する。
急速に進化するデジタルテクノロジーと、理美容師が持つクリエイティブを融合した美と健康、近未来のサロンの在り方を様々な角度から視点を当てた展示企画を行う。
また、OMCHAIRWORLD Presents GLOBAL SYMPOSIUMを日本に特別招。
この開催は、 昨年9月に予定していた30年ぶりのOMC HAIRWORLD日本開催が、コロナ禍により中止となった事を受け、改めて「世界の技術を日本の理美容師の皆さまに見ていただく場をつくりたい」という想いから、実現した。
世界の競技大会を勝ち抜いたワールドチャンピオンの技術パフォーマンスに触れられる機会として、TWBC2022とともに理容・美容業界の方々のさらなる発展に貢献できるものと考えている。
さらに、直近では、5月30日、31日に第9回アジアビューティエキスポが開催される。当社も積極的に参加し、業界を元気づけるイベントとして盛り上げていきたいと考えている。
■参考
タカラベルモント100 周年記念サイト:https://www.takarabelmont.co.jp/100th