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美容室のTwitter活用★マンガ×専門性で”バズ”も”信用”もどっちもつかむ!
InstagramやTikTok、個人ホームページなど、美容師さん一人ひとりがSNSやオウンドメディアを通して個人発信するのが当たり前になりました。
スタイル画像やBefore/After、カウンセリング動画などでマーケットの目をひくコンテンツづくりを模索している人も多いのではないでしょうか。
そんな中、Twitterを活用したおもしろいアプローチで、自社メディアへの誘導・顧客化に成功しているサロンがあります。
Twitterで「10万いいね」以上を獲得するヘアケアマンガ誕生秘話
取材した人
宇野和弘(うの・かずひろ)さん[monohair 代表]
1981年8月18日生まれ、静岡県出身。窪田理容美容専門学校卒業。都内数店舗を経て、2015年東京都町田市にmonohair[モノヘアー]をオープン。オープン以来、縮毛矯正やヘアケアに特化したHPでの発信に尽力。2019年1月にTwitterで始めたヘアケアマンガが反響を集め、2022年11月現在Twitterフォロワー1.9万人、Instagramフォロワー2.2万人。
宇野さんの「ヘアケアマンガ」で最もバズったものがこちら。
①【漫画】時短でもツヤ・手触り・まとまりに差が出るドライヤーの乾かし方 pic.twitter.com/njfQQkRQ2T
— 宇野和弘@漫画 (@monohair_henshu) May 6, 2019

①【漫画】時短でもツヤ・手触り・まとまりに差が出るドライヤーの乾かし方 pic.twitter.com/njfQQkRQ2Tより
2019年5月に投稿されたものですが、2022年10月現在4.5万件のリツイート、16.4万件のいいねを獲得しています。
なぜヘアケアマンガをTwitterで発信することになったのか、経緯を教えてください。

縮毛矯正やお客さまのBefore/Afterなどを取材してもらった記事がメインで、SEO対策も練ったうえでのお役立ちコンテンツだったので、順調に訪問者が増えていたんです。
それが、伸び方が3年経ったくらいでいったん頭打ちになりまして。その突破口として考えた新コンテンツが「ヘアケアマンガ」でした
なるほど。ホームページで更新していた記事は次のような記事ですね。
オウンドメディアのコンテンツ充実ではなく、SNSで発信していく形を取ったのはなぜでしょうか?

ただ、当時も既にたくさんの美容師さんがTwitterにもInstagramにも着手していたので。すでに皆さんがやっているBefore/Afterを載せたり、写真やレシピを載せるのでは難しいなと思いました。だから違うことをやらねばならない。これが、「マンガ」という形にした2つの背景ですね。
文字のメディアでの伸び悩みを打破すべく、マンガへ転換したんですね。

▶上記投稿の記事版はこちら
【漫画】時短でもツヤ・手触り・まとまりに差が出るドライヤーの
https://kazuhirouno.jp/how-to-
どのくらいで反響があった? 反響が大きい更新の仕方は?
自社サイトへの導線としてTwitterに着手した宇野さん。着手からどのくらいで反響があったのでしょうか。

最初に「バズった」といえるのはこちらなんですが……
①「放置よりも効果的?2分30秒で仕上がりに違いが出るトリートメントの使い方」 pic.twitter.com/RWIWTH3x4w
— 宇野和弘@漫画 (@monohair_henshu) February 16, 2019

①「放置よりも効果的?2分30秒で仕上がりに違いが出るトリートメントの使い方」
2019年2月16日の投稿で、Twitter投稿を初めて1カ月ほどの記事だそう。2022年10月現在、10.4万件のいいねがついていますね。
「バズる」ために意識したことはありますか?

編集を担当してくれる方が、ホームページの記事の際と同じように、僕が日頃サロンワークでやっていることやお客さまにお話ししていることに特化するほうがおもしろいと言ってくれたため、こういった形になっています。
特長的なのは、マンガと言ってもかなりテキストが多いですよね。しかも、正直言って結構専門的で簡単とはいえません。絵も結構リアルタッチですし。この辺の見せ方にはこだわったのでしょうか?

重視しているのは中身。手軽であることよりは、僕が発信している意味のある専門性の高い内容をぐっと踏み込んで発信する方が喜ばれるし反響があると感じています。
そうなんですね。最初に紹介した「①【漫画】時短でもツヤ・手触り・まとまりに差が出るドライヤーの乾かし方」なんかは、1コマもぎっしりですし、ツリーも長いですね。それでいてこんなに反響があるのは驚きです。

長くて収まらない場合は、最後にHPへ誘導するように。これもちょっとしたコツなんですが、ツリーの頭からURLを載せないようにしています。URLが載っているツイートって、シェアされにくいなと感じるので

①【漫画】時短でもツヤ・手触り・まとまりに差が出るドライヤーの乾かし方 の最終ツイート。HPに誘導している
▶上記投稿の記事版はこちら
【漫画】放置よりも効果的?2分30秒で仕上がりに違いが出るト
https://kazuhirouno.jp/how-to-
では、読まれるために大切なのはテーマ選びでしょうか。

更新頻度はいかがですか?

①美容師300人に愛用シャンプーを聞いてみた。
(1/3) pic.twitter.com/sgqwVqdYNs
— 宇野和弘@漫画 (@monohair_henshu) May 9, 2022

①美容師300人に愛用シャンプーを聞いてみた。
(1/3) pic.twitter.com/sgqwVqdYNs
▶上記投稿の記事版はこちら
美容師300人に愛用シャンプーを聞いてプロが選ぶ本当のおすす
https://kazuhirouno.jp/archive
集客やリピートにつながった? サロンワークでの反響
SNSに関しても、美容師さんが気になるのはサロンワークの成果への関連性だと思います。その点はいかがでしょうか?

ヘアケアマンガをやってよかったなと思うのは、数字以上に、新規来店時点での‟信頼度”が増しているということです。お客さまとしては悩みを相談したい気持ちはありながらも、事前の関係がない状態で「違いますよ」と言われると気分がよくないですよね。
マンガや記事を読んできてくださっていると「やってみたけどうまくいかないんです」というような質問になるので、お答えしやすいというのが最大のメリットです。
なるほど。予習をして授業を受けているような感覚ですね。ふつうの新規客相手では、数回にわたってその信頼関係を築きますから、その距離が縮まるのは大きいですね。
スタッフ教育や求人の面ではいかがですか?

中途採用が多いこともあって技術やアドバイスが属人的なってしまいがちだったのですが、コンテンツを通して弊店のスタンダードを共有すれば、お客さまにとって「前回の担当者と違うことを言われた」というストレスをなくすことができると思います。
認知度が上がったことによって、応募してくれるスタッフのご家族が僕のTwitterを知っていてくれたというケースもありましたね
顧客、スタッフそれぞれが共通の認識と関心をもってレベルアップしていけるようになったわけですね。
美容師のSNSアカウントがバズることも珍しくない今、サロンワークとも密接にかかわった別角度のアプローチで大変新鮮でした。SNSの取り組みに悩む美容師さんに向けてヒントになれば……。最後に展望をお聞かせいただきたいです。

バズった結果をつなげるのには、コンテンツがバズ目的のテーマだと信頼が得られないということです。僕の投稿がたくさん共有されるのは、一度やってみた読者の方が「本当に効果が出た!」と実感してくれて再共有してくれたりという‟SNS上のリピート”が生まれているのも大きいなと。髪の乾かし方からトリートメントのつけ方まで、本当にすぐできて効果が実感できることにテーマを絞っています。
お客さまは美容師さんに聞きたいけど聞けないことや、悩んでいることがたくさんあります。そういう本音に寄り添えるのがSNSの強み。サロンワークのカウンセリングの時間ではできないアフターフォローにもつながるのでファン化も進み、来店動機にもつながるはず。そういったお客さまファーストの視点で取り組むことが、結果につながるSNSになるのではないでしょうか
AUTHOR /ななしま
月刊NEXT LEADER編集部→月刊BOB編集部→書籍編集部。好きなものは宝塚と蛙亭と、赤井秀一です。