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センスの良い人が普段見ているもの、感じてきたこと 〜Sraw 柳亜矢子さん①〜

 

センスの良い美容師さんはいつもどんなものを見て、どうやってセンスを磨いているの?

 

洗練されているけれど、無理に頑張り過ぎないさりげないオシャレ感。自分らしさを大事にしているスタンスに支持が集まる柳 亜矢子さん。

 

美容業界内だけでなく、さまざまな業界から注目される柳さんの「好きなモノとコト」を人生観や仕事観も含めて、3回連載でお届けします。

 

第1回目はサロンの名前やロゴ、内装や家具のすべてが柳さんプロデュースのSrawから。

 

どんな視点でお店をつくったのでしょうか?

 

 

空間ごと感じてほしいから、1つひとつをこだわった

 

店内に入った瞬間、視界に入ってくるのは心地良さを感じる広々とした空間。

 

セット面はなく姿見が白壁に立てかけられており、照明や家具など、ほっとするようなリラックス感があります。

 

 

 

Srawは今年7月、代官山にオープンしました。

 

Srawは「Slow × Raw」の造語。

 

・Slow=ゆっくり

 

・Raw=自然のまま、ありのまま

 

 

今ここでしか感じられない感覚をありのままで感じ、

 

共有する場所にしたい、という想いから名付けられたサロン名です。

 

 

柳:broocHのオープン当時から通ってくださっているお客さまも、

 

気づけばみなさん、仕事で活躍していたり、結婚して環境が変わったり、日常を忙しく過ごしている人たちばかり。

 

お客さまがSrawに来て、心が落ち着いたり、少しだけ立ち止まって自分を振り返ったり、

 

髪をキレイにして、新たな出発点にしてもらえる場所にしてもらえたら・・・。

 

美容室は、そんな切り替えができる場所でありたいと思います」

 

 

 

 

一番大切にしたのは、お店に来てくれたお客さまにとって“気持ちいい空間”であること。

 

サロンは人の出入りが多い分、いつでも気持ちよく迎えられるように、

 

入り口に盛り塩を置いたり、空間やトイレには天然石を置いたり・・・。

 

 

天然石の浄化作用は空間を気持ちよく変える力があり、心を落ち着かせてもくれるそうです。

 

 

Foretmentで購入したクリスタルにセージを添えて

 

 

 

サロンに置いているのは、オールマイティに作用してさまざまな効果をもたらしてくれるクリスタル。

 

写真のセージはダコタセージという、置くだけで浄化作用のあるセージなのだそうですが、

 

ドライのホワイトセージを焚いて空間を浄化することもあるそうです。

 

 

 

柳:「サロンはお客さまを向かい入れて、おもてなしする側。

 

自分たちも気持ち良く過ごせないといけないし、お客さまにとって常に気持ち良い空間を提供したい。

 

そういう思いからサロンにも天然石を置いたり、セージを焚いたり、気持ちが安らぐ植物を置いたりしています。

 

今まで家でやっていたことをそのままサロンに取り入れたという感じなんですけれどね(笑)」

 

 

 

実は柳さん、自宅でも盛り塩を置き、毎月1日と15日には盛り塩を新しいものに取り替えるそうです。

 

日常的に神社に通い、何かを始めるとき、節目になるときは必ずお参りへ。

 

自分の「気の流れ」を良くし、仕事がうまくいくように自身を「整える」ためでもあるようです。

 

 

 

そんな柳さんの根底にあるのはきっと、周囲の人や身の回りのすべてへの「感謝」。

 

 

「良い気」を自分で導く習慣、始めてみたくなりました。

 

 

 

リラックス感とイマジネーションが膨らむセレクション

 

 

誰かの家に来たようなリラックス感をテーマに内装をデザインしたSraw。

 

R型の窓際や白い棚には、デザイン性のあるフラワーベースやオブジェなど柳さんが厳選した洗練されたアイテムが並びます。

 

 

 

20代の頃からアートピースが好きだった柳さんのセレクションは、見ているだけで心地良く、想像力が研ぎ澄まされるようなもの。

 

ヘアサロンはイマジネーションが膨らむ場所であって欲しいと考える柳さんのこだわりが表れています。

 

 

 

 

照明はジョージ・ネルソン(アメリカ)のバブルランプ。

 

姿見と中央のテーブルは、造形作家の柳さんの弟・柳弘之さんがつくったFremontの家具。

 

中央テーブルの椅子はすべて40〜70年前のヴィンテージチェア、ニールス・O・モラー(デンマーク)とフィン・ユール(デンマーク)。

デンマークのファブリック「Kvadrat(クヴァドラ)」の新しい生地を張り替えてつくってもらったそうです。

 

 

 

自分の“周りの人たち”がつくったものを置きたい

 

 

柳:「自分が幸せな気持ちになれるだけでなく、

 

自分の大切な人も一緒に幸せになれたらと思い、

 

自分のサロンをつくるときは、弟の家具を置こうと考えていました。

 

 

壁に何か飾るなら、大好きな写真にしたいなと思い、

 

お客さまでもある永瀬沙世さんの『PINK LEMONADE』のアザーカットを飾りました」

 

 

 

 

 

Fremontの家具はすべて「リボスオイル」というドイツ製の自然染料で、

 

染色・脱色を行わず、蜜ロウワックス仕上げられており、

 

小さい子供が触っても体に害がないものだそうです。

 

 

 

 

柳:「年末の大掃除ではみんなで蜜ロウワックスで磨こうと思っていて、

 

栄養を与えてあげて育てながら長く使っていけたらいいなと。

 

新しいものと古いものを混在させながら、これから一緒に育てていきたいですね」

 

 

 

ひとクセある、アートっぽさのあるアイテムたち

 

 

家のような安心感は大事にしながらも、

 

デザイン性のあるアイテムが目に留まる店内。

 

 

 

 

 

 

アメリカのヴィンテージショップ「CASA SHOP」で購入したガラスのオブジェ。

 

 

国内には欲しいものがなくて海外のサイトを見ることも多いそう。

 

 

 

姿見のサイドの飲み物を置くスツールは、できるだけセット面ぽい感じにならないように、

 

ギャラリーでオブジェを置くような白いキューブにドライヤー用のフックをつけて。

 

 

 

 

 

ここまで見てきて、やはり柳さんが大事にしているのは「自分らしさ」だということ。

 

 

その自分らしさとは、

 

アート・建築・映画を見て、そのコンセプトを考えたり、

 

ヘアデザインに直結しないものから養われている視点も多いと感じます。

 

 

単に柳さんのセレクトを真似したからセンスが磨かれるということではなく、

 

センスの良い人が見てきたもの、普段感じているものが何なのか? を知ること、

 

好きなものの意味を感じることが大切であると気づかされた初回でした。

 

 

 

 

次回のテーマは、「柳さんの休日」。1月〜2月更新予定です! 次回もおたのしみに♪

 

 

柳 亜矢子(やなぎあやこ)/神奈川県出身。国際文化理容美容専門学校卒業後、都内サロンでの勤務を経てbroocHの立ち上げに参画。2021年7月、自身がディレクションした新店舗「Sraw」を東京・代官山にオープン。サロンワークのみならず、ファッション誌などのヘアメイクとしても活躍。コンテスト審査などにも多数関わる。

Instagramアカウント @ayakoyanagi

 

 

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