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美容業界の未来を担うZ世代のsand流教育方法10カ条

sandのインスタグラム公式アカウントを見たことはありますか? ギャラリーを見ると、ほぼショートorボブのヘアスタイル。フォロワー数1.7万人(2021年11月現在)。

 

sandインスタグラムを見る限り、sandはショートに特化していて支持率が高い!と言うことがわかりますよね。

 

大学4年間マッシュショート~ショートボブのヘアスタイルを行き来していた私もsandを利用している1人です。sand歴はだいたい3年くらい。とにかく和やかで居心地がいいsandは、私の大好きな場所です。

 

どうしてこんなに和やかで居心地が良いんだろう。そんなことを思っていた矢先、NEXT LEADER2021年5月号「特集Z世代はこう育てる」の中にsandの教育方法が取り上げられていました。

 

今回のブログはZ世代の深堀りも兼ねて、sandのサロン教育を紹介します。

 

 

コロナ禍で変化した美容業界の教育

これまでは「早期育成」や「階段式デビュー」などカリキュラムの仕組みや内容が主に論議されてきたが、コロナ禍で加速した動画教育やアウトソーシング化など、これまでのあり方を飛び越えつつある状況だ。

受け手はZ世代と呼ばれているスタッフ。サロンの成長の根幹となる教育の最前線を取材。

 

 

 

Z世代とは?

Z世代とは欧米から広がった言葉で、明確な定義はないが1990年中盤以降に生まれた世代を指す。

つまり現在10代前半~25歳くらいの年齢で、日本の世代論と組み合わせて考えると、ゆとり世代の次の世代ということになる。

 

 

生きてきた時代背景が異なるゆとり世代とZ世代

ゆとり世代との大きな違いの1つが生きてきた時代背景。

日本経済のいわゆる「失われた20年」に成人を迎えたゆとり世代に比べると、Z世代は思春期からアベノミクスによる景気回復に突入。それゆえ、ゆとり世代ほど社会に対する閉塞感を持っていない。

 

 

スマホ第1世代としてのZ世代

Z世代のもうひとつの特徴が”スマホ第1世代”。さまざまなアプリの普及により、オンライン上のコミュニケーションが当たり前になり、より強い発信欲求、承認欲求を持つようになった。複数のアカウントの併用は当たり前。ビジュアルコンテンツとの親和性が高いのも特徴だ。

 

 

ミレニアル世代とZ世代の違い

出典:JETRO「次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ」ー米国における世代(Generation)について」を一部抜粋・改変

上記はアメリカの調査報告をまとめたもの。日本のZ世代にはそのまま当てはまらないかもしれないが、

将来性を重視

独立志向が高い

禁欲的

DIY

など、Z世代の自立性、ストイックさが感じられるキーワードが並ぶ。美容師にとって必要な資質ばかりだと感じ取れる。

 

 

コロナ禍で変化した教育のあり方

今回の記事の初出であるNEXT LEADERでは、何度となく「教育特集」を組んできたが、昨年のコロナ禍で教育のあり方がさらに変化したように感じる。以下の図はサロン教育におけるキーワードを図式化したものだ。

これまで「早期育成」や「段階式デビュー」など、サロンの生産性向上とスタッフの実践経験を掛け合わせたものが多かった。しかし、コロナ禍を経て動画の活用やオンライン化など、テクノロジーの進化に伴った教育が一気に広まった。

それと同時に原点回復するような形で「教育の目的」「チームワーク」を重視する揺り戻しが起こっている。ポイントはどちらかではなく、両方兼ね備えた教育が求められるという点だ。これは「効率性」と「人間味(エモさ)」を求めるZ世代の志向と見事にマッチする。

「進化」と「回復」。この2つの要素を兼ね備えた教育を提供できるサロンが令和の勝ち組となるだろう。

 

 

Z世代の教育に求められる6つのキーワード

キーワード① スタッフ教育に透明性を持たせる

「この教育を通して何を身に付けてほしいのか」など、教育の意図や目的を明確に説明できないとZ世代からの信頼は得られない。疑わしい情報があれば即検索する世代に、かつてのような「会社の言うことが絶対」という風潮は通用しない。

 

 

キーワード② 個別のコミュニケーションを増やす

Z世代は考え方が1人ひとり全く異なる。その能力を最大限に引き出すためには、個別のコミュニケーションを増やすことが必要。きめ細かなコミュニケーションの積み重ねが信頼を築き、小さな変化や悩みに気付くきっかけとなる。

 

 

キーワード③ スタッフの夢や目標を共有する

「自分らしい価値観」を追求する傾向が強いZ世代。スタッフ1人ひとりの夢や目標を共有し、明確なゴールを設定することがモチベーションアップにつながる。サロン教育が個々の夢や目標と紐づいていると理解できれば、Z世代は自走していく。

 

 

キーワード④ Z世代の効率性を取り入れる

複数のSNSを駆使し、すさまじい情報量の中で生きてきたZ世代は何事に対しても効率性を重視する考えを持っている。動画コンテンツなど、Z世代が持つ効率性とデジタルデバイスを使いこなす能力を活かさない手はない。

 

 

キーワード⑤ メンターとなる人材を配置する

個人主義で扱いづらいと捉われがちなZ世代だが、信頼できる相手に対しては貢献意識が高いという特徴がある。Z世代の良き理解者となり、フォローアップしてくれるメンターを配置し、スタッフの風通しを良くしよう。

 

 

キーワード⑥ プライベートな時間、価値観を尊重する

プライベートを侵されるようなコミュニケーションや過剰なプレッシャーはZ世代が最も嫌うところ。仕事とプライベートの境界線ははっきりと分け、お互いのプライバシーを尊重し合えるような関係性構築が求められる。

 

 

「Z世代」を深掘りしましたがいかがでしたか?未来のサロンを担う「Z世代」。その「Z世代」に響くサロン教育のヒントになれば幸いです。

続いて本題であるsandのサロン教育について紹介します。

 

✂  ✂  ✂

 

人としての成長を見守る温かい教育

 ‐sand 基本データ‐

sand(東京・銀座)

会社名:株式会社two sand

代表:島崎譲

創業:2017年

店舗数:美容室4店舗、パーソナルジム3店舗(2021年4月当時)

スタッフ数:71名(2021年4月当時)

 

冒頭でも紹介したが、sandと言うとショート特化で売り上げ爆発!というイメージがあるかもしれないが、スタイリストは謙虚で、後輩の成長のためには協力を惜しまない。こうしたサロン風土はどのようにつくられたのだろうか?

 

スーパースターが天狗にならない風土づくり

島崎譲 代表取締役
島崎譲 代表取締役
売り上げの高いスタイリストが天狗になってサロンが崩れるという過去の例はいくらでもあるので、そうならないよう創業当時から『温かいサロン』をめざしてサロンの風土を固めてきました。

売り上げを気にしていないというと嘘になりますが、売り上げ以上にどれだけ周囲の人をいい方向に導いたかを評価軸に置いています。

上記のグラフのように創業以来の離職は4名のみ。それでいて、昨年12月の役員2人を抜いたスタイリスト12名の平均給与が132万円というのは、同社がこだわる”温かさ”が結果を生んだ証拠と言えるだろう。

島崎譲 代表取締役
島崎譲 代表取締役
チームサロンの風土ができてしまえば、あとはスタッフからスタッフに良い習慣が伝播していきます。

そういえば、1年目の新人に『ほめて伸びるタイプか、しかられて伸びるタイプか?』って聞いてみたら、回答は半々でした。

みんな自分のことを理解していない人からしかられるのが嫌なだけなんです。

若い世代の力を伸ばすには信頼関係を築いたうえで”ほめる”と”しかる”を両方行っていくことが大事だと思います。

 

 

sandに学ぶ!チームサロンづくりの10カ条~全員参加型チームサロンはこうしてつくる~

 

その① 承認という土台をしっかり作っておく

スタッフの力を伸ばすには「ほめる」と「しかる」の両方が必要だが、その土台にはどれだけスタッフを見ているかという「承認」がある。承認が大きければ、いくらしかっても土台からこぼれないが、承認が小さいとほめてもしかっても裏目に出る。

つまり、日常的にいかに細かくコミュニケーションを取っているかが何よりも大事なのだ。

 

 

その② 最初のスーパースターをどう育てるかが重要

売り上げのあるスーパースターが天狗になり、チームバランスが崩れるのはサロンの常。肝心なのは、良くも悪くもスタッフから憧れを持たれる最初のスーパースターの育て方。

その⑧でも触れるが、sandでは創業当初から人間的成長に重きを置き、売り上げだけでは評価しないと言い切っていた。

 

 

その③ ショート特化は教育の一環と捉える

sandの”ショート特化”には教育に落とし込みやすいという理由がある。若いうちにショートをたくさん切る経験を積んでおけば、長いレングスに移行した際に対応しやすくなる。

カラーやトリートメントなど他メニューでの特化は、あくまでもショートやボブがしっかり切れることが前提となる。

 

その④ スタッフ全員の夢を書き出して共有する

スタッフが「どんな夢や目標を持っているのか?」を紙に書き出してもらい、スタッフ研修で発表するのがsandの恒例行事。

モチベーションの源泉はスタッフ1人ひとりの夢や目標。文字に起こすことで性格や思いの強さもわかるという。

 

 

その⑤ インスタ集客の実力は半分程度に見積もる

インスタグラムの積極活用で集客に成功しているsandだが、あくまでもSNSの恩恵であり、いつこのブームが終わるかわからない。

自分の売り上げの実力があるわけではなく、その半分くらいだと思っておきなさいと常日頃からスタッフには伝えている。

 

 

その⑥ 管理職のコミュニケーション不足はただの言い訳

同じサロンにいるなら「忙しくてスタッフとコミュニケーションが取れない」は単なる言い訳。

朝イチで声を掛ける、髪型やネイルの変化に気付く、休憩を取る際に誰かを誘って少し話すなど、何だってできる。もちろん定期的に面談する仕組みをつくるのもアリだ。

 

 

その⑦ 小さな成功体験を積み重ねる

若いスタッフには小さな成功経験を積み重ねさせ、その都度承認した方がモチベーションを維持できる。

情報にあふれた今、ずっと暗闇では走り続けられない。大きな目標を細かく噛み砕き、階段式に成長させていくのがポイントだ。

 

 

その⑧ 売り上げメインの評価基準にしない

sandの評価基準は自分の周りにいる人をどれだけいい方向に導けるか。売り上げは美容師としての自信に過すぎない。

給与の評価制度は着手中だが、利他的な行動を取ったスタッフに賞与支給する仕組みなどを考えている。

 

 

その⑨ 美容以外の悩みは極力排除する

いつの時代も離職要因の第1位は「人間関係」。いじめ、モラハラ、パワハラなど美容以外の悩みは店長を通じて役員に上がってきたら、すぐに対処。

スタッフ研修でも上記のような悩みは会社として排除していくが、美容師としての悩みにはとことん向き合うべきと伝えている。

 

その⑩ 習慣が風土となり、風土が文化となる

sandでは創業後、むやみにスタッフを増やさずに6名のオープニングメンバーでサロン風土を固めてきた。

大切にしてきたのは利他の精神。習慣が風土となり、風土が文化となるが、一度悪い風土や文化になってしまうと元に戻すのは難しいので、習慣の段階から自社の評価軸を明確にしておくことが必要。

 

 

スタイリストデビューがゴールじゃない

そう語るのは、取締役の絹村友也さん。

絹村友也 取締役
絹村友也 取締役
”スタイリストになってから生産性を持たせたらゴール”という美容業界にありがちな考え方に違和感があったのが、チームサロンをつくりたいと思った原動力かもしれません。
sandのゴールは生涯顧客をつくること。こうした考えが浸透しているから、圧倒的な売り上げがあっても天狗になるスタッフは1人もいません。

 

sandが温かいサロンなわけ

sandに行くとレセプションの方ももちろんですが、他のお客さまを担当しているスタイリストの方も、しっかりこちらを見て「いらっしゃいませ!お越しくださりありがとうございます!」と笑顔で元気に挨拶してくれます。

 

そして席には「〇〇さん!本日はお越しいただきありがとうございます!」とメッセージカードが置いてあります。嬉しいですよね。

 

sandのアシスタント含めスタイリストの皆さんはとても物腰柔らかな方ばかり。そして全員ポジティブ。皆さん口をそろえて「sandで働けて幸せ」と言います。

そんな素敵な皆さんが接客してくれるので、sandに行くと心が温かくなります。

実は就職活動中と大切な試験前に何度か訪れて、sandの皆さんに励まされて元気をもらいに行ったことも。前向きな気持ちに導いてくれて、就職活動と試験は頑張れました。

 

 

家族のようにいつでも温かく快く迎えてくれるsandは生涯通いたいです。

この写真は撮影で訪れた時のものです。このメッセージカード、嬉しくて毎回持ち帰ってしまいます……!

 

 

NEXT LEADER2021年5月号では、【Z世代はこう育てる!】という特集で「Z世代に向けた動画教育の浸透性」「サロンに所属しているアシスタントと美容学生対象の新しい学校」等、Z世代をじっくり解説。

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AUTHOR /sae

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