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【連載】ハイセンスな若手美容師をたどって取材&応援!つながれ★おしゃれンズ/Vol.8 櫻井優太郎[grico]

という連載。オシャレな若手美容師さんに「オシャレだと思う仲間を教えてください!」と紹介してもらって取材先を決めていくリレーインタビューです。
毎回インタビュー後に友人を紹介してもらうのですが、みんな「こんなところがアツいです!」とか「こういうところが可愛くて憧れてます!」といった感じでアツくレコメンドしてくれるんですね。で、それが取材してみると毎回的確!仲間や友人の良いところを言葉にできるのって素敵だな、だから本人も魅力的で、ひと回り上の編集から見ても勉強になることが多いんだろうなと思います✨
連載8回となる今回も、前回の平山さんがアツくレコメンドしてくれましたので話すのが楽しみでした!
第8回は櫻井優太郎さん[grico/東京・原宿]
前回の平山華蓮さんに紹介してもらったゲストはこちら!
櫻井優太郎・さくらいゆうたろう さん
2000年1月23日生まれ。愛知県出身。名古屋モード学園卒業。エザキヨシタカさんのインタビューを読んだことがきっかけでgricoに出会い、入社。現在入社2年目。楽曲制作も本格的に行なっており、Apple Musicに「Ohirune」名義で楽曲を発表するなど多彩に活躍。
平山さんからは音楽をやってるアツい友達!と熱量もってご紹介いただきました。そんな櫻井さん、どうして美容師になろうと思ったのですか?

それと、20歳には社会に出て働いていたいとも思っていました。
そこから、自分の好きなものを考えた時、髪・古着・フィルムカメラ・音楽だなと思い、その中から「髪」=美容師を選んだという感じです!
なるほど。髪に興味があったのはどういうきっかけ?

2人待ち合わせて登校していたんですが、その子が髪のセットに2時間くらいかけていて、毎朝待ち合わせにちょっと遅れてくるんですよ(笑)。なんで遅れてくるの?みたいな話から判明して、面白そうだなと興味を持ちました
あとは同時期に、単純にモテたいなと思って、ファッションやおしゃれに興味を持つようになり……菅田将暉くんとか、おしゃれだなと思う人がどんな服を着ているか調べているうちに、古着が好きになりました
面白い出会いですね! ちょっとした友達の習慣から興味が向くのは柔軟な感性だね。
ファッションも「いいな」という五感を大事に
続いてファッションの質問をします。サロンワークではどんなコーデをしていますか?

そっか!おしゃれなエプロンですね。エプロン中心のシンプルなコーデになるんだね。

美容師用のポケットエプロンと、エザキ(ヨシタカ)さんのアシスタントがつけるエプロンと。
あ、この下につけてるのがエザキさんエプロンなんだ。

エプロンをつけるとONのスイッチが入る感じがします。“技術職の人“だなって感じがするというか
清潔感がありながら、職人って感じがしますね。素材が良いものを身につけるのは身が引き締まるよね。

OFFも素材感や心地の良さにはこだわります。気分で動くタイプなので、「なんかいいな」という感覚を大切にしていて。
「なんかいいな」ってどういう感じ?

なるほど、直感の「好き」を大事にするんだね。

それは面白い。直感で選ぶから思い込みがない分、本当の自分に気づけそう。
OFFのコーデも撮ってもらいました。小物づかいがおしゃれですね!

そっか、音楽やカメラなど趣味のカルチャーとファッションもつなげて楽しんでるんですね。

聴覚=音楽、嗅覚=香水、触覚=服の素材、視覚=フィルムカメラ、味覚=グルメって感じで、、それぞれのジャンルの中で一番を集めて、良いものにこだわりたいなと思っているんです
それは大事なことだと思う! バランスよく五感を刺激するのは人生を豊かにしそうですね。
音楽はライフワーク! ミュージシャンとしての顔、これからの活動は?
五感の話が出ましたが、一番興味があるのは音楽? きっかけや活動歴を教えてください。

きっかけは、子供の頃ピアノをやっていたんですが才能がないなと思っていて。そんな時、学生のとき友人とカラオケに行く機会があったんです。ほとんど行ったことがなかったんですが、一緒に行った友人に「歌上手いね」と言われて。そのとき初めて自分が「歌えるんだ」と気づいたくらい。
それがきっかけで作詞作曲をやるようになりました
これも面白い出会い! ピアノの才能がないと言っていたけど、才能がないって気づくのも才能だと思うから、やっぱり音楽に対する感性が鋭敏だったのかもね。アーティスト活動のことも教えてください。

アーティストトップはこちら。(すべて画像からApple Musicに飛びます)
拝聴しました! なんていうか、めっちゃ好き(語彙力)。これ、ジャンル的には何ていうの?

なるほど、今オルタナってこういう感じなんだ。オルタナというとグランジをいメージする世代なので(年がバレる)、新鮮に楽しみました。オシャレだね!
Ohiruneのコンセプトとかテーマについて語ってもらいたいです。

なので、寝てる時間もやらなきゃみたいな意味から派生させて「お昼寝」からインスパイアしたんですけど。
ちょっと変えたいんですよね、最近納得いっていなくて
どの辺が納得いっていないの?

美容師とミュージシャンというよりは「アーティスト」としてやって行きたくて
なるほど、美容と音楽を区切るのではなく、どっちも包括してアーティスト・櫻井優太郎って感じか。

すごい、しっかり投資してるんだね。本気度が伝わるなぁ。新しい活動も楽しみにしてます!
大切な濃いエッセンスを薄めず、広がっていくクリエイション集団の一員として
エザキヨシタカさん率いるgricoは美容師や美容室という枠にとらわれず、ブランドサロンの業態革新に挑戦しているサロンです。そういうサロンに出会ったのは櫻井さんには合っていたかもしれませんね。

単に自由に他のこともやらせてもらえているだけではなく、美容師としての本懐や哲学が一本芯が通っているところも共感しています。今、SNSなどを見ていると、美容師としてのあり方に疑問を持つことが多いんですが……
たとえばどういうところ?

たとえば1万人フォロワーがいて、その人と濃いコミュニケーションができているの?その人数に見合うパワーをもって発信しているの?という疑問が。
それよりも20人に直接会いたいです、僕は
美容師の仕事は直接対面してしかできないことですもんね。そんな櫻井さんは、美容師、アーティストとしてどうなっていきたいですか?

サロンワークや美容の面で言うと、早くgricoの店長になって、gricoの技術を伝えられ、人を育てられる人になりたいです。
美容室に限らず、お店や規模を広げていくとき、スタートアップのメンバーがもつ濃いエッセンスやフィロソフィーが薄まっていくのは嫌だなという思いがあるんです。先ほど言ってもらったgricoのエッセンスを濃いまま広げたいと思うので……、そのエッセンスを表現するなら美容室じゃなくてもいいと思っています。ごはん屋さんとかでもいいと思う。オシャレや好きなカルチャーで繋がれる社交場みたいなものを作っていきたいという目標があります
それはいいね! 同じようなビジョンを持っている人はいると思いますが、実際に本気で創作活動をして、美容と音楽に同じ熱量で取り組んでいる櫻井さんならできる気がします。

そのためには、現実的な部分……お金だったり、協力してくれる人だったりが必要です。そういう夢や目標に対して、協力してもらえる人になることが一番の目標です。そのためには、日々のアシスタント業務のできることを1つひとつ本気で取り組んでいきたいと思っています!
五感を大切にし、人とのコミュニケーションを大切にする櫻井さん。コロナ禍もあり、当連載はオンライン取材なのですが、櫻井さんは「会って話せないのが残念」と言ってくれていたのが印象的でした。
ですが、そんな櫻井さんだからこそオンラインでも伝わる熱量がスゴかった。お客さまやスタッフ・仲間を、そして自分のことも客観的に見つめ、大切にする櫻井さんは、オンライン対面でも「会ってみたい」と思わせられ、いつまでも話していられるムードのある人でした。そんな人が本気で作る音楽だから心を打つんだろうなと思いましたし、聴覚だけでなく五感を大事にしているというだけあって歌詞と語感、曲のバランスが絶妙なんですよね……! こういう感性の人がスタイリストデビューしたとき、お客さまをどんなヘアスタイルで彩っていくのかとっても楽しみになりました✨
次のゲストもお楽しみに!
(第9回更新は11月中旬の予定です。)
AUTHOR /ななしま
月刊NEXT LEADER編集部→月刊BOB編集部→書籍編集部。好きなものは宝塚と蛙亭と、赤井秀一です。