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使ったタオルも切った髪も、“土に還す” NYのサステナブル発想

穂高さん
穂高さん
みなさんこんばんは、NYで美容師・ヘアメイクとして活動している穂高律子です。最終回のテーマはサスティナブルについてお話ししたいと思います

 

この私のブログでも毎回ワクチンについてのニューヨークの現状をアップデートしてきたのですが、現状、ニューヨーク市の半数以上の人が1回目のワクチンを接種し、「接種完了した人はマスクを外してよい」「観光客にもワクチンを開放する」とデブラシオ市長が宣言しました。

ワクチンを打った人にはフリードーナッツや7日間の地下鉄フリーパスなどを提供するなどと謳い、ワクチン接種を国民に促しています。そのおかげか、ここ数週間で一気に日常通りに戻ってきた感のあるニューヨークで、観光客らしき人も見え始めています。

日本からもワクチンツアーなるものが計画されていると聞きました。観光客には1ショットで終わる、ジョンソン&ジョンソンのワクチンが適用され、街の観光名所の数カ所にワクチンサイトができるようです。

なんとも新しい発想。ワクチンを分け与えるのではなく、こちらに打ちにきてもらい、そのぶんニューヨークの経済も盛り上げてもらうという、またまたさすが!な政策です。

アメリカ人は、長々考えたりはせず、とりあえずやってみよう!やってダメだったら、また新しい作戦をやってみよう!というかんじなので、ポンポン新しい発想が生まれ、とても柔軟だなと思います。いち早く世界中がコロナ前のような日常に戻りますように!

 

lessプラスチック! ニューヨーカーはSNSでサステナブル運動

さて、今回が私のブログの最後回になるのですが、最後の回はサスティナブルについてお話したいと思います。

ここ2年くらいで、アメリカもようやく環境問題について考えるようになり、どんな業界もサスティナブルを意識するような取り組みをしています。

ゴミの分別も日本ほど厳しくなく、「なんでもポンポンと同じゴミ箱に捨ててしまうアメリカで?」とはじめは思いましたが、若い世代を中心に環境問題を考える動きが盛ん。SNSなどが得意な彼らが先陣を切って運動しているため、影響力があり、サステナブルがちょっとした流行りワードみたいな世の中になってきています。

そうなったら強気で押してくるアメリカなので、洋服や食品、靴などサスティナブルを謳った商品がたくさん出てきています。

アメリカはランチbox、サラダはもちろん、スムージー1個でさえ、オンラインでオーダーでき、自分がいる場所に届けてもらうことができます。私も普段忙しい時にランチのデリバリーをオーダーしたりするのですが、その入れ物がどんどん「lessプラスチック」になっているのが日々感じられます。

 

日本でもそうだと思うのですが、コーヒーのストローも紙のストローだったり、プラスチックではなく、再生できるペーパー素材に全て移行しています。

日本を外から見ると、ゴミの分別の厳しさが素晴らしい反面、世界からプラスチック大国日本と呼ばれてしまうように、野菜1つでも包装されていて、清潔さをキープするがゆえに、環境に優しくない一面もあるなと感じています。アメリカのスーパーなどに行くと、野菜がそのまままるまると売っています。来た当初は衛生的に大丈夫!?とびっくりしましたが、洗えばいいし、無駄な包装はいらないなと私も思うようになり、今の時代には日本もそうしてもいいのかなと思います。

一方でアメリカはゴミの分別に厳しくないので、日本のゴミの分別の厳しさを学ぶべきだなとも・・・。

 

NYのファッション業界はもはやマスト。“サステナブル”タグ

また、ファッション業界は、サステナブルを意識していないと業界にいられないくらい、大手ブランドは必ずサステナブル商品を出しているように見受けられます。ファストファッションはもちろん、NIKE、 Levi’sなど、最近本当によくSustainableというタグを見かけます。

私のお客さまのソックスブランドで、私自身もキャンペーンのヘアメイクをよくさせてもらっている”Comme Si(コム シ)”という靴下ブランドがあるのですが、彼らもサステナブルを意識していて、Comme Siの靴下はすべて靴下を留めるクリップを糸で施し、発送もプラスチックの袋ではなく、Comme Siオリジナルの紙の封筒で送り、テープなどを一切使わないという、新しいアプローチで取り組んでいて、とても素晴らしいソックスブランドだなと思っています。

 

この靴下ブランド、とても可愛いのでよかったらみなさんもチェックしてみてくださいね!

Comme Si

 

“美容師も協力できる”この感覚が気持ちいい

そして、私たちも美容室として、できる限り環境問題を意識していこうということがお店のコンセプトにあるのですが、その1つにお店のタオルも土に還るとされている「easy dry(イージー ドライ)」というタオルを使っています。

使い捨てならぬ、使い還しというかんじで、使ったものをまとめておくと業者さんが定期的に回収にきてくれ、彼らはそれを土に戻すように処理をしてくれます。

「easy dry」はタオルを洗う水、電気、洗剤などが環境に与える影響に比べてエコフレンドリー。

 

 

コロナ前から使っていたのですが、コロナ禍では洗濯したものよりも「easy dry」の方が新品な分、お客さまも衛生面的でも安心してくれるので、続けていてよかったなと思えることの1つでした。

もちろん、たくさんの従業員がいるお店だとお客さまの人数も多いので、使用量が大量になってしまうかもしれませんが、クリーンかつ環境にもいいという点で地球環境に協力できている感じがして、使っていながらとても気持ちがいいです。

“切った髪の毛を回収して土に還す”といった取り組みもあるようで、まだ私たちはそこまでしていませんが興味があります。

ケミカルを扱う私たちの職業はなかなか環境問題と向き合うのは難しいですが、Le laboのように、使い切った香水の瓶を持っていくと空き瓶に香水を新しく入れ直してくれ、その分ディスカウントしてくれるといったように、シャンプーやスタイリング剤なども詰め替えて、容器代分がお得になるような取り組みを少しずつ美容業界で進めていけると、美容室でのプラスチックを減るのかな、なんて思ったりもします。

衛生的になかなか難しいところもありますが、アメリカの新しい発想と日本の賢い発想が上手く融合して、美容界もサステナブルなことがもっとできたらいいなと思います。

 

 

これからもインスタやnoteなどで色々ニューヨークからの新しい情報や発見をシェアしていけたらと思っていますので、是非覗いてみてください。

それでは、Vo.1-6まで読んでくださり、ありがとうございました!

Hope to see you soon!

 

 

穂高律子[Three Degrees Salon/(アメリカ・ニューヨーク)]

ほたかりつこ/1982年7月25日生まれ。岩手県出身。日本美容専門学校卒業後、東京・表参道のDaB(ダブ)を経て2010年macaroni coast(マカロニコースト)にオープニングスタッフとして参加。2016年に渡米し現在は雑誌やブランドの撮影やブライダルのヘアメイク、ファッションウィークのバックステージにも参加しながら、Three Degrees Salonにてサロンワークを行う。
Instagram:@ritsuko725

yahagi

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