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名古屋で起こるニューウェーブ

かつては「名古屋巻き」など、コンサバな印象があった名古屋に、なにやら変化が起きている模様。
……で、一体何が起きてるの！？
潮流の中心にいる５人に、名古屋美容事情の変化を語ってもらいました。
それぞれの作品とともにお楽しみください。

写真：munico

SNSの隆盛で個人店が増えた！

――名古屋出身で、現在名古屋にそれぞれのサロンを構える５人のプレイングオーナーのみなさん。名古屋のヘアで何か変化を感じることとは？

沢井　おしゃれな人が増えた気がしますね。街を歩いていても、ハイトーンをよく見かけるし。

菅谷　５、6年前と今では、サロンを取り巻く状況がかなり変わったなあ。僕がLOREN をオープンしたのが2015 年で、服部君がtsunagu をオープンしたのが2016 年。当時は名古屋の中心地、栄エリアと名古屋駅エリアじゃないと集客できないのが定石だった。だけどその２エリアは地価が高いから、大型店しかサロンを出せなかった。だから僕は中心地から少しだけ外れた場所に出したんだよね。

八田　tsunagu は天白区という、中心部から少し離れた住宅街ですよね。そこに出店するのは挑戦だったんじゃないですか？

服部　天白区に出したのは、家が近かったからなんだよね（笑）

一同　えっ、そんな理由（笑）！

八田　でも、tsunagu ができて、ここにもおしゃれなサロンがあるんだ！　って知られてきて、最近では名古屋のなかでも注目のエリアになってますよね。

石原　天白区のパイオニア！

服部　郊外でも集客できるようになったのは、インスタグラムのおかげ。世界観を明確に打ち出せば、周りにライバルがいない分目立てるし、見つけてもらえさえすれば場所に関係なく来てくれるようになった。

菅谷　その頃から名古屋におしゃれな個人店が増えたよね。それまではコンサバor クリエイティブに二極化していた印象だけど、その中間ができたというか。これまで名古屋で本当におしゃれな人は東京のサロンに行ったりしてたけど、その層をキャッチできる店が増えてきた。

沢井　前まではコンサバじゃないと売れない的なムードだったけど、明らかに変わりましたよね。

菅谷　東京より地価が安いから、その分スタッフに還元できて豊かな生活が送れるし…… これからは地方が最強ですよ（笑）！

地方は突出しやすい

服部　コロナの影響で地方移住する人も増えていますしね。tsunagu では「ヒト×モノ×コト」をつなぐ、をテーマにしていて、マルシェやフリマをやってきたけど、そういったことができるスペースを確保しやすいのも郊外の良いところかも。

八田　地方だと、やりたいテイストで突出しやすいのもメリットですよね。世界観を明確に打ち出せばお客さまはちゃんと選んで来てくれるし、おしゃれな人が通うサロン、という印象をつけられると噂が噂を呼んで人が集まる。僕だけじゃなく、サロンとして出すスタイルがブレないように気をつけています。

石原　沢井くんのjurk ではアパレルもはじめて、スタッフもみんなおしゃれだよね。

沢井　そこはこだわってます。スタッフが大きくヘアチェンジするときは必ず僕が担当して、本気でおしゃれにしよう！ と。

石原　うっかりダサい服着てきたらどうなるの？

沢井　そこはみんなで指摘しあうから、失敗できない空気になる（笑）。お客さまにはわざわざうちのサロンを選んで来て欲しいから、スタッフも憧れられる存在でいた方が良いと思って。そうするとお客さんも感度が高い人が集まりますね。

クリエイティブなサロンスタイル

沢井　そもそもこの５人はコンテストで活躍してて、昔から親交があったよね。コンテストやクリエーションが強くてもサロンワークには関係ないっていう意見もあるけど、その経験が世界観の打ち出しに役立ってるし、お客さまに刺さるバランスに落とし込めているのかなって。

今回の僕のスタイルは、ナチュラルモードをテーマにした、カールの利いたウルフ調のハンサムショート。エッジがあるけど街に出ても映えるヘアを目指しました。服部さんと八田君はハイトーンだね。

写真左から、沢井卓也（jurk）、服部達哉（tsunagu）、八田 雄（wit）

服部　くすみピンクで派手過ぎず、顔周りにレイヤーを入れてニュアンスづけをしました。

八田　僕はwit的ネクストトレンド、くすみネイビー。根元を外してなじませています。菅谷さん、石原さんは自然な髪色ですね。

　
写真左から、菅谷遼将（LOREN）、石原拓也（yant）

菅谷　モデルさんの地の髪色を活かし、顔周りのカットとウェーブでやわらかく見せました。

石原　僕はえりあしをかわいく見せるシルエットにこだわっています。

バズった投稿のきっかけは？

八田　みなさん、SNS でもはっきり自分たちの好きなテイストを確立していますよね。石原さんは普通とはちょっと違う、おしゃれなアレンジでインスタがバズりましたよね。

石原　5.4 万人フォロワーのいたアカウントが乗っ取られてしまったけどね……。みなさん、
新アカウント@yant‒ishihara をぜひフォローお願いします。

アレンジ自体は３年くらい前に友人の美容師さんに教えてもらって、投稿したらすごくバズって。それからオリジナルのアレンジをちょくちょく載せています。実はアレンジがすごい好き！ ってわけじゃなかったんだけど、需要があるからやってる部分もある……（笑）

一同　えっ（笑）！

石原　というより、一般的なアレンジじゃないものをつくりたいなと思ってやってます。おかげで美容師さんがお客さんで来てくれることが増えましたね。

菅谷　自分の武器を持てれば活躍できるんだね。これからもみんなで名古屋を盛り上げていこう！

※こちらの記事は、月刊BOB2021年３月号の記事を一部改変、転載したものです。「もっと５人の作品を見たい！」「詳しく読みたい！」という方は、本誌をチェック！