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女優・綺咲愛里さんに聞く“髪とキレイ“の話♡前編 「似合う髪」ってどうやったら見つかるの?

「髪は顔の額縁」とよく言いますが、ヘアスタイルはコンプレックスをカバーしたり、印象を左右する“装い“の重要なファクターです。

また、私にはどんな髪型が似合うの? とか、どうやったら綺麗な髪を保てるの?と、髪そのものの悩みも尽きないのが女心……。そして美容師さんも、そんな女性たちの日々変化する悩みやニーズにどう寄り添うか、研究は尽きないところ。

今回はそんな両者の悩みに同時にヒントを見出すべく、編集Nが今一番「美しい髪を着こなしている!」とイチオシする、女優の綺咲愛里さんにインタビュー!

元宝塚歌劇団のトップ娘役を務めた綺咲さん。“清く正しく美しく“をモットーとする美のスペシャリストたちが揃う同劇団内においても、その美貌で一際支持を集めていましたが、特にその美しさを引き立てるヘアスタイルづくりの技術が美容業界誌の編集目線で見ても緻密でハイセンスだと感じていた次第。

そんな綺咲さんに、髪型のことヘアケアのこと、美容室のこと。“髪“について多岐に渡り語っていただきましょう!

 

“髪を着こなす“プロに聞きました

取材した人 女優・綺咲愛里さん

Photo by Fukaya Yoshinobu(auraY2)

きさき・あいり/兵庫県出身、10月30日生まれ。2008年に宝塚音楽学校に入学し、2010年に宝塚歌劇団に入団。星組に配属され、愛くるしい容姿とのびやかな舞台姿で早くから注目を集め、各種公演でヒロインを歴任。2016年11月には星組のトップ娘役に就任する。2019年に退団後は女優として活躍。2021年1月ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』メリーベル役で、漫画から抜け出てきたような可憐さと繊細な演技で注目を集める。2021年8月〜9月にはミュージカル『王家の紋章』に出演予定。

ヘアスタイルのこだわりやコンプレックスとの向き合い方

――綺咲さんが「ヘアスタイル」を変えたり、決めたりする際に一番こだわっていることを教えてください!

綺咲 私、髪が伸びるのがとても早いんです。定期的にイメチェンをしたいなと思ってボブ(肩上)にすることもあるんですが、気づいたらロングになっていることが多くて。ですので、身近な人やファンの方々も、ロングのイメージがあるのかなと思います。

ロングヘアであるからには、やっぱり髪そのものがキレイであるようにというのは女性にとっては憧れですよね。また、それによる“品“というのもロングヘアの1つの武器、魅力だと思います。

だから、顔と同じくらい髪のお手入れには気を使っているというのがこだわりの1つです。

 

――ツヤとまとまりのあるキレイなロングヘアが素敵です。ご自身の髪質についてはどう分析されていますか? コンプレックスなどはあるのでしょうか。 

綺咲 美容師さんは、柔らかくて量も少なすぎず良いバランスだねと言っていただくんですが……、自分の中では、コンプレックスはありますね

たとえば、巻きが取れやすいとか、スプレーが効きづらいとか。また、前髪のクセが強いのも。

皆さんもそれぞれ細かい悩みはおありだと思うんですが、コンプレックスも含めて、自分の髪質を活かしながら自分にあったヘアスタイルを見つけられたらいいなと思っています。

 

――一般女性の皆さんもそれを探し求めているのだと思います! そのためにはどうすればいいと思いますか?

綺咲 私は、美容室に行ったときに、髪のお手入れやヘアスタイルに関することをとことん聞きまくります! 美容室だけでなく、撮影現場のヘアメイクさんなど、プロの方にお会いする機会にお聞きする情報はとても勉強になりますね。

もちろんインターネットなどでも知識や情報は得られますが、自分の髪を見てもらって直接教えていただくのが安心できるかなと思います。

 

――それはさすがです! 髪型の悩みを美容師さんに打ち明けられなかったり、行きつけの美容室も定まらずに悩んだりしている女性とても多いのです……。どんなことを聞きますか? 

綺咲 全部です、なんでも聞きますよ! どういう髪型が似合うのかということもですし、自分の髪質や頭の形から、こんな髪型はどうかということなど、なんでも相談します。

最近だと、久しぶりに前髪を短くしてみたんですよ。私は前髪にすごくクセがあるのでずっと長くしていたんですけど、最近演じた役柄の影響もあって、挑戦して見ようと思いまして。

それも、担当の美容師さんにどんなふうに扱いづらくなるか、伸びるとどういうクセが出るかというのを説明していただいた上で「それでもいいですか?」という相談の上で挑戦してみましたね

 

――髪質のクセやお悩みを理解した上でチャレンジするのは、勇気が要りそうですが可能性が広がりそうですね! 

綺咲 扱いづらいんじゃないかとか、心配な面があっても「結局、髪は伸びるから」と思っちゃうんですよね(笑)。やってみよう!って。毎日向き合うものなので勇気は要るんですけど、挑戦も大事かなって思います。

その時は、夏が近づくと湿気が多くなるから、今(年末)チャレンジしてみたら?と美容師さんにアドバイスをもらいました。

やってみて、やっぱりセットが難しいなと思ったりはしましたが、失敗も含めて挑戦だなと思います!

 

自分の「似合う」に向き合う目

――ご自身の「似合わない」とか「できない」を決めつけすぎずに色々チャレンジすることが、自分だけに似合うものを見つけることにつながるんですね。そのあたりの審美眼は、やはり宝塚歌劇団時代や、舞台でのお仕事で培われることも多いのでしょうか。

綺咲 やはり宝塚時代はカツラを着用することが多かったので、自分の髪質によらずショートヘアにもロングヘアにもなれるところは楽しみでもありました。頭の形に沿うかどうかは重要ですが、ある意味何にでもなれてしまうので楽しかったですね。

それで、周りの方から「これが似合うね」と言っていただいて気づくことはたくさんありました。自分が良いと思うものや好むものが根本には誰にでもあると思うんですけど、私はそういった第三者の意見も特に参考にしていました。他の方に良いと言ってもらえると自信になるというのもありますし、自分で良いと思っていなかったものを褒めていただいたりと、発見もありましたね。

 

――まさに“探求“ですね! 冒頭でも紹介しましたが、綺咲さんは宝塚時代のカツラの質感・ディテールの作り方が絶品で。特に『霧深きエルベのほとり』(2019年/星組 宝塚大劇場公演)でのウエーブがかったブロンドヘアは、質感がどこまでもリアルなのに品があって、素晴らしかったです。ああいうこだわりや審美眼のようなものはどう磨かれるのでしょうか。

綺咲 あのカツラは私にとっても挑戦でした。まず、カツラを作ってくださる技術者さんの絶大なる力ですね! ものすごく相談しますし、何より私の頭の形を熟知してくださっています。いかに外国の少女のような生まれながらのクセが出せるかを研究しました。

また、宝塚のヘアスタイルは、地毛とカツラが馴染んで見えることも重要なんです。髪色も本当に難しくて、カツラそのものも自然光や蛍光灯の下で見る色と、舞台照明の下で見る色と見え方が違ってくるんです。また、地毛に整髪料をつけると少しトーンダウンすることも逆算して染めなければならない。カツラ屋さんと美容師さんと、そういう緻密な微調整の上に毎公演髪型を作っていましたね。

だから、宝塚時代は必ず毎公演カツラがあるので、ヘアカラーそのものを楽しむということはなく、カツラの色を中心にカラーチェンジしていました。

その中でも1回やったことのある形にはしないとか、次の公演で続けて似たような色にはしないといったことは、早いうちからこだわっていました

 

――やはりプロの目を信頼することと、変化をし続けるということが綺咲さんの“美“の秘訣なのかもしれないと思いました。こんな可憐な方にかける言葉として適切かはわかりませんが、かっこいいです…… 

綺咲 宝塚はヘアもメイクもすべて自己プロデュースの世界。できる限りのことをやりたいという一心でした。

また、見に来てくださるお客さまに楽しんでいただきたいので、毎回違う自分を見せられたらなというのは大切にしていました。似合っていようと似合っていまいと、とにかくいろんな自分をお見せする機会を作ろうと。そういうところから、色々挑戦してみるという姿勢になっていったのだと思います。

もちろん、お聞きする方によって違う意見をいただくこともありますし、最終的に判断するのは自分なのですが、いろんなご意見を聞いた上で、というプロセスは糧になっているかなと思います

 

まとめ

毎回緻密に作られた美しい世界観でありながら、毎公演、毎日キレイになっていく綺咲さんの美の進化の裏にあったのは、周りの意見に耳を傾ける冷静な目線とアツいチャレンジ精神があったのですね……!

悩んでいるお客さま側から見ても、お客さまの悩みを解決したい美容師さん側から見ても、そのマインドや在り方は十分参考になるのではないでしょうか?

少しの勇気と、そして信頼できる美容師さんとのディスカッションで、皆さんが「似合う髪」に少しでも近づけたら幸いです。

 

後編ではヘアケアや美容室事情についておうかがいしていきます!

4月22日(水)更新予定★ お楽しみに!

ななしま

AUTHOR /ななしま

月刊NEXT LEADER編集部→月刊BOB編集部→書籍編集部。好きなものは宝塚と蛙亭と、赤井秀一です。

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