伝承していく想いと技術
株式会社アリミノ(田尾大介社長)は11月29日、東京都新宿区のアリミノホールでM.TANIGUCHIの谷口愛子氏による結い髪・クリエイティブ・トークライブ【AIKO Thanks a Million Charity LIVE】を開催した。
2019年開催して以来、約3年振りの開催となった谷口愛子氏による「愛子塾」セミナー。アリミノでは、約30年に渡り開催してきたセミナーとなる。
今回は「AIKO Thanks a Million Charity LIVE」と題し、セミナーの収益金の一部を「障害者雇用確保」のための基金として寄付する目的のセミナーでもあった。
谷口氏は、1960年代半ばから雑誌での活動を開始、以来40年以上第一線で活躍し続け、現在も1カ月約230名のお客を迎える現役のサロンワーカーだ。
会場には美容師をはじめとした業界関係者ら約150名が集まり、冒頭挨拶にはアリミノ美容教育プロデューサーの田中成由氏が登壇。「変わるものと変わらないものがある中で、愛子先生の美容技術は伝承していかなければいけない本質的なもの。その技術の極意と美容にかける情熱をアリミノとして伝えていきたい」と同セミナーにかける思いを語った。
3部構成となる同セミナーの第1部は「クリエイティブワーク」。国内のみならず、フランスやイタリアなど海外でもヘアショーを実施した経験のある谷口氏のクリエイティブワークは圧巻そのもの。1名のモデルを15分で仕上げる迷いのない手さばきと判断力で、あっという間に3名のモデルに結い髪を披露。力強いフォルムと柔らかなニュアンスが生み出す独自な作風が来場者を魅了した。
第2部では、冒頭挨拶で登壇した田中氏とのトークセッション。セミナーに参加されているすべての次世代の美容師へ想いを伝えたかった谷口氏。プロフェッショナルの条件として切磋琢磨を忘れない志と美容への思い、そしてさまざまな出会いを通して「感謝」する大切さを伝えた。「人生を花になぞられると、硬いつぼみが20代。5分咲きが30〜40代。50〜60代で8分咲き。70代から満開に咲き誇る」というメッセージが印象的だ。
第3部は「サロンワーク」を想定したスタイルの披露した。実際の谷口氏のお客2名がモデルとなった。すき毛を使い逆毛を立てた、和装・洋装にも合うスタイルを提案し、要所要所でこだわりの技術を解説。
“確かな技術”と”高いプロ意識”で「生涯美容師」として活躍する谷口氏。その技術や言葉は、いまなお最前線で輝き続けることができるエネルギーにあふれ、多くのセミナー参加者を魅了した。