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業界

カラーチューブが車椅子に

理美容業界向けプロショップ「理美容専門卸問屋 ファイブ」を展開する理美容ディーラー、株式会社ヘアラボ(村島有治社長)が参加する任意団体「BBリサイクルパートナーズ(石井賢一代表)」のリサイクル活動が、環境省が主催する第10回グッドライフアワードにて「実行委員会特別賞<環境と福祉賞>」を受賞。また、12月3日には、東京・渋谷のSHIBUYA QWS スクランブルホールにて表彰式が行われた。

 

ファイブ店頭では、今年1月からBBリサイクルパートナーズの要請を受け、東京3店舗(表参道、池袋、吉祥寺)、大阪2店舗(梅田茶屋町、堺)に回収ボックスを設置。理美容から持ち寄られたカラーチューブをダンボールにつめ、熊本県の再生事業者に送っている。対価はBBリサイクルパートナーズに送金され、社会福祉常人などに送付する車椅子の原資となっている。店舗の想像以上に理美容師からの関心は高かったようで、約11カ月で967キログラムの使用済みカラーチューブを集めることができた。これは車いす1台分に相当する量とのこと。中でも表参道店での関心は高く、約7割(705キログラム)は表参道での収集となった。買い物だけでなく、店舗に入らなくても持ち寄れる手軽さや、原宿表参道欅会美容部会での呼びかけ、近隣の有力美容室が率先して協力したことが成果の要因だという。

表彰式の様子。右:石井賢一(BBリサイクルパートナーズ代表)左:炭谷茂委員

カラー剤の年間生産量3万550tから推計すると、カラー剤容器には、3055tのアルミニウムが使用されている。リサイクルされている量は僅かで、日本各地でカラーチューブリサイクルの活動は部分的には行われているものの、「リサイクルが当たり前」と標準化されるまでは至っていない。

主な理由は

1. 効率的に分別回収する仕組みがないこと
2. 完全に絞り切らずカラー残液が残った状態では、汚れたもの(廃棄物)とみなされること。
3. 使用済みカラーチューブ(アルミ)を有価で引き取る事業者が少ないこと

などが考えられ、理美容室から出るヘアカラーチューブの分別回収・リサイクルが少しでも進み、事業系廃棄物の抑制とより少ないエネルギーでの再資源化が実現できるよう、同社では今後の協力を呼びかけている。

■BBリサイクルパートナーズについて

2014年9月に設立し、使用済みカラーチューブ回収活動を開始。理容室、美容室、各地の理容組 合から協力を得て、8年間で計約16tをリサイクル。業者から得られた対価で車椅子を購入し、社 会福祉協議会や自治体などに寄付しています。現在までに23台の車椅子を寄贈しました。贈呈 先は次の通りです。 三鷹市社会福祉協議会、有限会社まんまる、東京都立多摩総合医療センター、日野市社会福 祉協議会、中央理美容専門学校、社会福祉法人悠々会、特別養護老人ホーム恵比寿苑、社会 福祉法人同愛記念ホーム、軽費老人ホーム偕楽荘、特別養護老人ホーム加賀さくらの杜、特別 養護老人ホームやすらぎミラージュ、特別養護老人ホームあそか園、渋谷区けやきの苑・西原、 社会福祉法人麦久保園、東京都墨田区社会福祉協議会、まちかど自立センター、社会福祉法 人親の家、石川県金沢市役所、東京都渋谷区役所、岩手県盛岡市社会福祉協議会

詳しくはこちら「https://bbrecycle.jimdofree.com/

「BBリサイクルパートナーズ」は5月11日、リサイクルの収益で購入した2台の車いすを渋谷区に贈呈した。写真中央:長谷部健区長、左:石井代表

■環境省主催グッドライフアワードについて

グッドライフアワードとは 環境に優しい社会の実現を目指し、日本各地で実践されている「環境と社会によい暮らし」に関 わる活動や取組を募集して表彰し、活動や社会を活性化するための情報交換などを支援していくプロジェクト。環境大臣賞と各分野に精通した実行委員が表彰する実行委員会特別賞があり、〈環境と福祉賞〉は、福祉の向上とともに、エコロジーな社会づくりにも貢献する取組を表彰している。

詳しくはこちら
https://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/

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