タカラ100周年トークイベント
今年10月に創業100周年を迎えたタカラベルモント株式会社(吉川秀隆 会長兼社長)は、11月15日、デザイナーのコシノジュンコ氏を迎えて、同会長兼社長と2人によるトークイベントを同社本社(大阪市中央区)で開催した。
タカラベルモントは鋳物工場として大阪で創業し、今年で100周年を迎える。昭和初期には理容椅子の製造を開始。昭和30年代にはアメリカへ進出。昭和40年代には医療機器分野に業務を拡大し、現在は12カ国に現地法人を構え、120カ国を超える国に製品を提供している。
1970年に開催された大阪万博では「美しく生きる喜び」をコンセプトに、単独でパビリオン「タカラ・ビューティリオン(ビューティ+パビリオン)」を出展した。このときは創業者の吉川秀信氏が、あまりにも大きな投資であるなどの理由で周囲の猛反対を受けたが、それらの声を押し切り「人々の美と健康を提供する企業」として社会に貢献するという強い意志のもとプロジェクトをスタートさせた。
プロジェクトは当時、新進気鋭と言われた建築家・黒川紀章氏がパビリオンの設計とプロデュースを担当、デザイン・イラストは横尾忠則氏、音楽・一柳慧氏、照明・石井幹子氏、そしてコスチュームデザインは、今回のトークイベントに登場したコシノジュンコ氏が担当し出展。メディアの注目を浴び、連日多くの来場者で賑わい出展は大成功をおさめた。
このたびのトークショーでは、当時のパビリオンの様子や、故・黒川紀章氏の手書きスケッチや設計図、コシノジュンコ氏がデザインしたコスチュームなどエピソードを交えて紹介された。
デッサン、設計図、コスチュームなどは11月16日(火)〜12月27日(金)まで、タカラベルモント大阪本社1階のエントランスで一般公開される。
創業100年を2年後に控えた2019年、同社は「美しい人生を、かなえよう。」とパーパス(企業目的)を制定。人々の健康と美をかなえたい、という普遍的な価値に向き合い次の100年に向けて事業を展開している。2025年に予定されている大阪・関西万博では、経済界や地域に貢献したいという思いで大阪パビリオン推進委員会に協賛。コシノジュンコ氏は公益社団法人2025年日本国際博覧会協会シニアアドバイザーを務める。
1970年の大阪万博から始まる同社の美の哲学は、時代を超えて継承されていく。