2021年ミルボンの「視点」
株式会社ミルボン(佐藤龍二社長)は、オンラインによる2021年度の政策プレゼンテーション“NEXT VISION 2021”を行った。視聴者の都合に合わせて何度でも視聴できる。同社が提唱する”Life Time Beauty Innovation for NEXT 100”は、「社会に対するあり方」「顧客へのあり方」そして「サロンのあり方」を追求し、「業界視点」から本質的な「社会視点」「顧客視点」への転換を目指す。
政策プレゼンテーションは、既成概念の枠を取り払いサロンのあり方・運営・教育・集客の再構築が迫られている現況認識から始まり、コロナ禍による新たな変化よりも、コロナ前から始まっていた変化や課題の表面化・加速化を分析し「3つの視点」として総括した。
【来店サイクルの長期化】
今後美容室に行く回数は全体の35%にあたる女性が「減る/少し減る」と回答。このうち63.1%が「サイクルが1カ月以上延びると思う」と回答し、これは全体の22%=5人に1人にあたる。
【近隣消費の加速】
都心エリアの来訪者人口は回復に時間を要しているが、「住宅地近接エリア」はコロナ前またはそれ以上に回復。また来訪者人口は近隣から回復し、近隣消費と住居近隣美容室への継続利用の意向が高まっている。
【買い場価値と期待の高まり】
コロナの影響で顧客との接触機会に多くの制約が増え、「消費ニーズ」は回遊消費から、できるだけ1カ所で済ませられるワンストップへ。「買い場ニーズ」は、百貨店でのカウンセリング化粧品販売が苦戦している状況にあり、美容室や美容師からの提案へ期待が高まっている。
これらの分析を踏まえ、今年度の同社のマーケティングは「3つのキーワード」で、リアルからデジタルまで拡がりを推進する。
①365日総顧客という発想
来店時だけでなく、来店していないときの顧客の365日と繋がる
②知販(ちはん)の提唱
モノだけの販売(店販)から、顧客が欲している美容師の知識・知見を伴うECを活用した販売
③マルチスキル人材の育成
複数の専門性で、提供できる価値の「幅」と「深さ」の追求
上記キーワードを進める「3つのアクション」は以下の通り。
①デジタル環境の充実
milbon:iD/エデュケーションiD/デジタル仮想空間“ミルボンデジタルアリーナ”
②人創り
マルチスキル人材育成システム“ビューティーソムリエ育成制度”
③サロン戦略マーケティング
新エリアマーケティング支援/小商圏エリアマーケティング戦略セミナー/サロンビジュアルマーケティングセミナー/顧客ファン指数調査/コーポレートブランディング
また、取り組みサロンの実例として、岡村享央氏(株式会社MINX world社長)・谷口誠二氏(株式会社ハピネス会長)・中嶋公治氏(株式会社ANCHOR代表)が動画でコメントを寄せた。
なお7月には、the ARGYLE aoyama(旧:青山ベルコモンズ)内に青山支店青山スタジオ営業所をオープンする。