タカラが「パーパス経営」へ
タカラベルモント㈱(吉川秀隆 会長兼社長)は、10月5日に創業99周年を迎えた。
同社は来年の「100周年」に向けたアクションとして、パーパス経営へのシフトを発表した。
パーパス経営とは、「私たちは今なぜ存在するのか」「何を目的として事業活動を行うのか」を突き詰めること。
よくミッションやビジョンと混同されがちだが、パーパスが現在進行形で第三者の視点を重視するのに対し、ミッションやビジョンは未来志向で一人称の視点の違いがある。
すでに、海外では多くの企業がパーパスという視点に立って経営を拡大・成長させている。
来るべき100周年に向けて、タカラベルモント㈱では2年7カ月前から「MOVE-T」という社内横断型プロジェクトチームを結成して「パーパス」の検討を重ねた。
同プロジェクトは吉川朋秀常務取締役がリーダーを務め、20代~50代までの人材を約40名選出し未来志向プロジェクトとして立ち上げたもの。
その結果「美しい人生を、かなえよう」というパーパスが決まった。
ここに込めた想いは「人生において、美しく生きる喜びを得ることは、人々にとって普遍的な目的。この目的に応えていくことが、タカラベルモントにとっての恒久的な企業目的」。
直接顧客である理美容業界、および医療・歯科業界、そして社会と人々に向けて、同社の存在意義を感じる社会的な価値を生み出していく「挑戦」として宣言された。製品を売るのではなく、美しい人生をかなえるサポートを全力で行っていく企業に生まれ変わる。
行動指針は、以下の5つ。
①美と健康の本質や、美と健康がもつ可能性を追及し続けます
②お客様、ともに働く仲間、自分自身の「らしさ」を大切にし続けます
③成長に限界はないと信じ、変化や失敗を恐れずにチャレンジし続けます
④心を動かし、楽しむことを忘れずに、オープンマインドと愛情を持って仕事に向き合い続けます
⑤自分たちが持つ知恵や技術を高め、それを惜しみなく提供することで、お客様の課題解決や事業創造のパートナーとして、共に成長し続けます。
ボトムアップ型で、自主活性型の組織づくりへ。
「MOVE-T」プロジェクトに代表されるとおり、社員1人ひとりが会社を“自分ごと”として考えられる風土づくりのために、99周年の今年をパラダイムシフト元年と位置付けている。
来年の100周年はTWBC(タカラワールドビジネスコングレス)など社外へ向けた大型イベントも予定されているが、それ以上に社内変革で次の100年設計を志したリーディングカンパニーの進化が注目される。
また、これと連動して100周年の記念ロゴも発表された。社内公募でデザインを募集し、デンタルメディカルグローバル事業部の山口陽平さんのアイデアが選ばれた。100thの「t」を人に見立て、「h」を同社の主力商品である椅子に見立てて、人と製品が寄り添う姿を表現している。
なお、これまでの100年の軌跡とこれからの100年に賭ける意気込みは、自社サイトで公開中。