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センスの良い人が普段見ているもの、感じてきたこと 〜Sraw 柳亜矢子さん②【休日編】〜
センスの良い美容師さんはいつもどんなものを見て、どうやってセンスを磨いているの?
洗練されているけれど、無理に頑張り過ぎないさりげないオシャレ感。自分らしさを大事にしているスタンスに支持が集まる柳 亜矢子さん。
美容業界内だけでなく、さまざまな業界から注目される柳さんの「好きなモノとコト」を人生観や仕事観も含めて、3回連載でお届けします。
2回目の今回は柳さんの「休日の過ごし方」。
柳さんの休日の過ごし方を聞いていくと、
仕事でのパフォーマンスを上げるために「整える休日」と
目的を持って予定を「詰め込む休日」の2つがあるよう。
どちらの過ごし方も、キーワードは自分に取って“心地よいコト”。
どんなモノを見て、どうやって過ごしているのでしょうか?
「整える休日」は“やな散歩”から始まる
朝、起き抜けのまま散歩
“やな散歩”お決まりのコースは歩いて15分くらいのところにある浜辺。
起き抜けに上着だけはおり散歩することもあるのだとか。
ともかく歩くことが好きな柳さん。
トレーニングとして歩くというよりは、「海に行きたいから歩こう」「お参りに行きたいから歩こう」というふうに、行きたい場所があるから歩くのが柳さんの休日の過ごし方です。
午前中のうちにホットヨガへ
もう15年以上ゆるりと続けている自分メンテナンス。
汗をかくことを日常的に取り入れており、365日必ず湯船に浸かるそうです。
静かなトンネルを通って・・・
佐助稲荷にお札参り
ここはパワースポットとも言われている神社。
源頼朝が平家との戦いで勝利を収めた後、お礼参りをした神社としても有名だそう。
柳:
「新しい年の始まりや新しい仕事にチャレンジするとき、今だと緊急事態宣言になったタイミングや開けたタイミングなど、
日常の節目節目に挨拶に行っています。
この日はお礼参りに。
トンネルを抜けて、佐助稲荷に続く道がとても気持ち良く、自分の感覚が研ぎ澄まされるような場所に出向くようにしています」
プレゼントを買って、好きなカフェでひと休み
ヴィヴモンディモンシュのプリンパフェ
お花を買って帰宅
「詰め込む休日」は会いたい人と行きたい場所へ
「詰め込む休日」は目的を持って、朝から夕方まで分刻み。
体は疲れても、心が満たされていることが大切だという柳さんのとある休日はこんな1日。
会いたい人たちと美味しいものを
この日は会いたかった人たちと日本橋のNekiでランチ。
柳:
「普段は仕事の合間に5分でバタバタと食べるランチだからこそ、休みの日は、気持ちのいい場所で美味しいものを食べたいですよね。
この日も友達と美味しいものを食べて、話したいことを話す。
ひとりでも適当なところは選ばないですね。ランチ1つでもかなりこだわって選んでいると思います(笑)」
他にも、柳さんの休日ランチ事情を少しだけ。
銀座のアポロ
パークハイアットのニューヨークグリル
小田原の友栄
わざわざ遠いところまで足を運んで美味しいものを食べに行くのが柳流なのです。
穴八幡宮に冬至から節分の間しか買えないお守りをいただきに
フリーランスで活躍するお客さまから聞いてここ数年、「仕事がうまくいくように」1時間以上かけてもらいに行っているお守りがあるのだそう。
それは、神様との約束で冬至、大晦日、節分の0時ちょうどに、その年の恵方に向けて祀る一陽来復のお守り。
今年も節分の0時に北北西に向けて祀りました。
穴八幡宮
Srawの氏神様である渋谷の氷川神社には、2022年の営業初日にスタッフみんなでお詣りに。
broocHオープン時から営業スタート日はお詣りに行く習慣があり、
今では当たり前に柳さんの年中行事のひとつとなっています。
渋谷の氷川神社
気になった展示を見に美術館へ行く
少し時間が空きそうなときは、気になっていた展示を見に行ったり、その場で検索して美術館に行くそう。
柳:
「美術館って、誰かと対話するというよりは無理のない非日常空間で、気持ちのいい空間。
やっぱり、そういうところに足を運ぶとネットの情報と全く異なる感情が湧き起こります。
心が豊かになるような場所に身を置くことで、感性が研ぎ澄まされる感覚をこれからも大切にしたいですね」
休日に欠かさない“自分メンテ時間”
「詰め込む休日」も自分メンテナンスの意識は忘れない柳さん。
友達と会った帰りに、自分に合う枕を計測してもらってオーダー枕が作れるMuAsuへ。
休日は自分の体や内面と向き合う時間を持つように心がけているところがまさしくプロ。
柳:
「20代の頃は、夜更かしして日をまたいで飲むこともしょっちゅうでしたが、
今は自分の体のメンテナンスや、調子を整えることに時間を使いたいなと思うようになりました。
仕事でパフォーマンスを上げるために、まずは自分を整えないとですよね。
自分の行動は全てにつながっていきます。
頑張ろうという気持ちだけでは追いつかないこともあるから、
人が見ているところでも、見ていないところでも、
自分で自分を心地良くするための努力は続けていきたいですね」
MuAsuで枕をオーダー
日常に花がある生活
「明日は日が良いからお花を買おう」など、休日はお花を買って帰ることが多いそう。
お祝いごとがなくても日常的に花を飾る柳さん。
目に入る空間に植物があるのが、心地良く暮らせるポイントなのだそう。
アシスタントのうちや若いうちは、「家が狭いから素敵にしても仕方がない」と考える人もいるかもしれませんが、
お花を飾ってみたり、目に入るものを少し変えてみたり、気分が変わるほんの少しの工夫から始めてみるのも素敵ですよね。
「整える」ことで明日に備える休日
ポジティブ思考の柳さんでも、うまくいかずにマイナスのことを考えてしまうことも時にあり、負のスパイラルから抜ける方法を自分なりに見つけ出してきたと言います。
うまくいかない時は、
まず、自分を「整える」。
そして、自分を満たすことをする。
柳:
「“整える”と言っても人によって整え方が違うし、“満たされる方法”も人それぞれ。
私の場合は休日に自分を整えたり、自分を満たすことで翌日からの仕事のエネルギーに変わったりしますが、
人によっては趣味に没頭することで“満たされた”と感じる人もいると思います。
やり方はさまざまですが、休日に“満たされたな”と思える自分で自己管理ができていないと、
お客さまやスタッフに目を向ける余裕も生まれませんよね。
休日に自分を満たす習慣をつくることも仕事の1つだと思います」
美容師はお客さまが褒められたことを自分のことのように喜び、
後輩を育て、教育に携わる仕事。
たしかに自分の気持ちが整理されていないと全力で人に気持ちを向けることは難しい・・・。
「整える」ことで仕事のパフォーマンスを上げていく“プロ意識”を柳さんの休日から感じます。
「良いお店や丁寧なお店、こだわっている空間は人が努力して良いものをつくろうとしているので行くとモチベーションが上がります」
柳さんは休日はそんな場所に行きたいと語っていましたが、それは柳さんのお客さまもきっと同じなのだと思います。
柳:
「美容室は、お客さまにとって気持ちの切り替えになったり、新しい出発点になる場所でありたいと思います。
髪を変えて、帰り道からちょっと気分が変わる。そういうことで人って満たされる。
そんな小さな幸せの連続を導く場所でありたいと考えています」
次回は3月更新予定です! 次回もおたのしみに♪
連載1回目の記事はコチラから。
柳 亜矢子(やなぎあやこ)/神奈川県出身。国際文化理容美容専門学校卒業後、都内サロンでの勤務を経てbroocHの立ち上げに参画。2021年7月、自身がディレクションした新店舗「Sraw」を東京・代官山にオープン。サロンワークのみならず、ファッション誌などのヘアメイクとしても活躍。コンテスト審査などにも多数関わる。
Instagramアカウント @ayakoyanagi