ボブログ

デザインサロンの末っ子美容師、早期デビューへの挑戦【第3回】◇ミルボンDAインスパイア2021◇

東京・練馬。郊外からJHA入賞などコンテスターを送り出しているCARNIVALで、難関デビュー試験に3年目で挑むアシスタントのタケルさんに密着する連載です。

スタイリストデビューが遅くなりがちな、“ハサミとセンスで勝負系”デザインサロンのアシスタント。早期デビューへの挑戦を取材することで、Z世代の職業観、カットや似合わせの上達方法、デビュー後の売り上げの積み重ね方などを探ります。

第3回の今回は、初めてクリエーション撮影に取り組んだミルボンDA inspireの結果と反省です!

第1回「kazuさんによるカット添削編」はこちら。

第2回「シューテング編」はこちら。

ミルボンDAインスパイア2021とは?

いわゆるクリエーションのハイデザインなフォト作品と、サロンで実際に提案するものに近いリアルスタイルのフォト作品の2点を用意してエントリー。コンテスト本番ではこの2点を融合させた作品をカットしてつくります。

地域ごとのブロック大会でデザイナーズ賞が選ばれ、全国大会となるファイナルで1位~3位が選出されました。

歴年数制限やアシスタント・スタイリストの区別がなく、かなりバリエーションに富んだ作品が集まり受賞者の立場もいろいろになるのが特長。今年もコンテスト常連の歴の長いスタイリストさんからアシスタントさんまで様々な方が入賞しました。

今年は感染防止のためリモート開催。カットは映像審査で、サロンからの参戦となりました!

今回掲載の写真はすべてタケルさん提供。

初のコンテスト参加で得たもの

上記したように、用意する作品が2点とエントリーのハードルは高いものの、チャンスは幅広いDAインスパイア。エントリーすれば地域の大会には出場できるので、コンテストに参加することでの経験値も得られます。コンテスト初挑戦のタケルさんにはうってつけ。

入賞には至らず残念な結果とはなりましたが、かなり貴重な経験になったようです!

時間をかけてならつくれるものが、競技時間ではつくれない

参加してみて一番印象に残ったことはなんですか?

タケルさん
タケルさん
テストシュートから半年ほどかけて撮影してエントリーのフォトを用意し、競技に挑みました。時間をかけてつくり込める撮影と時間制限のあるカット競技のギャップを感じました。

確かに、そこは写真と競技の決定的な違いですね。

タケルさん
タケルさん
時間をかけてならつくれるものがすぐ作れないというのは、髪の毛に触り慣れていないという経験不足が原因だなと。イメージした動きや重さ・軽さが一発でつくれないんですよね。それはサロンワークでも同じことだからとても必要な能力だなと。

サロンワークもアドリブですもんね!

タケルさん
タケルさん
それと、カットとスタイリングを分けて考え過ぎていた気がしますね。これがわかったのは収穫です!

トランスな、二面性を表現

競技作品がこちら。バストアップだとスーツ風だけど、引きで見るとインパクト大ですね!

タケルさん
タケルさん
二面性を表現したかったんです。モデルさんに合わせてサロンスタイル作品を作り込む中で、モデルさんの個性と、自分がやりたいヘアのバランスからグラムロックというワードがでてきたのでそれを生かしたのですが、自分が思うグラムロックの特長として二面性というのがあって。男女を行き来したり、トランスな感じ。それを表現したいなと。

 

今回は映像審査です。リアルコンテストと違っていきなり全身が見えるわけではないから、この衣装のギャップがより活きたかもですね。

タケルさん
タケルさん
そうなんです!バストアップと全身を提出するルールなので、より強調されたかなと。

衣装と同じくヘアもニュアンスのあるグラデーションですね。

タケルさん
タケルさん
事前提出の作品を撮りながら黄緑が似合いそうだなあと。ルーツカラーのような感じで、シルバーにスライシングでグリーンのグラデを入れています。履歴が複雑だったので、仕込みも勉強になりました。サイドはオールバック風できれいなりんかくを際立たせつつ、フロントは毛束を下ろし、額の広さをカバーしながらも隙間から肌を見せました。

切り残せなくなるのがコンテストあるある

カットも結構イメージがはっきりあったんですね。

タケルさん
タケルさん
そうなんですよ。テクスチャーまで含めて、こうしたいな、っていうのははっきり持っていました。でも、それをアドリブでできる技術がなくて、イメージが具体的なだけに「あれ?あれ?」と慌ててしまい……ここを切ったらこう動く、という、動かすビジョンがなかったのが敗因ですね。
コンテストあるあるですね。切り込むことに執着し過ぎると、切り残す発想ができなくて、動く場所をつくれなくなるんです。毛束の緩急がなくなってしまう。
kazuさん
kazuさん

なるほど~、長さがないと物理的に動きませんしね。切り過ぎて固くなったスタイルって、確かにカットコンテストで見かける気がします……。

タケルさん
タケルさん
たしかに入賞作を見ていると「切り残す」ができてます!

リアリティブの組み立て方

エントリー時に提出したフォト作品。左がリアル、右がクリエイティブで、競技ではこの2スタイルを融合させたリアリティブスタイルをつくるというコンテストでした。

タケルさん
タケルさん
競技作品でハイトーンにパーマのような動きをつける、というのをやりたかったので、分解して作った感じですね。男女をトランスするような二面性という点でも、左はメンズライク、右はフェミニンと分解しました。過去のエントリー作品なんかを見てみると、インスパイアの参加作品は結構そういう組み立て方が多いのかな?と感じます。事前の2作品もリンクしている感じ。

メイク担当のkotomiさん(写真右)とのチームワークもばっちりでしたね。

タケルさん
タケルさん
モデルさんもkotomiさんが見つけてきてくれた子なので……! おかげで、やろうとしてたこととか、考えてたことはしっかり実現できたと思います。あとはクオリティアップですね!!
2021delivery

AUTHOR /2021delivery

この記事が気に入ったらいいね!しよう
Facebook Twitter Line

PICK UP BLOG

\ ボブログTV 公式SNSで最新情報をゲット! /