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展示会式、結婚式の定期便……withコロナ時代のウエディング事情
withコロナ時代の結婚式、どうなる?
2020年、世界を襲った新型コロナは、さまざまなところに影響を及ぼしました。
美容室でも、特に都心ではお客の足が遠のいたり、より時短施術が求められるようになったり。
そんな変化の1つに、結婚式をはじめとするイベントのヘアセットの減少がありました。
婚礼業界では、2020年1~12月で約24万組のカップルが結婚式の中止や延期を決め、業界全体で約8500億円の損失。前年比40%の売り上げとなりました。※1
また、2021年1~3月の緊急事態宣言において、発出後10日間で1~3月に予定していた結婚式売り上げの約30%(約440億円)が減少したと言われています。※2
※1公益社団法人日本ブライダル文化振興協会 「新型コロナウイルス感染症影響度調査結果(2020年12月31日時点)」参照
※2公益社団法人日本ブライダル文化振興協会 「新型コロナウィルス感染症 影響度調査結果について(2021年2月8日掲載)」参照
そんな中で、今後結婚式はどうなっていくのか。また、どのような可能性があるのか。
結婚式の古い慣習にとらわれず、その人らしい結婚式をつくりあげてきた、株式会社CRAZYの広報、浅田有貴さんにお話を聞きました。
感染リスクを避ける結婚式のカタチ
――さっそくですが、2021年1月7日に2回目の緊急事態宣言が発出されて、結婚式の延期を決めた人は多かったですか?
浅田さん そうですね、約半数のカップルが延期を決め、決行した人もほとんどが人数を減らしての開催となりました。
コロナを経て、ご親族だけや、おふたりだけの挙式に規模を縮小した方も多かったです。
―ーそうなんですね。結婚式の内容に変化はありましたか?
浅田さん まず感染症対策は絶対です。弊社では2週間前からのスタッフの検温や換気など、50以上の項目を設けて対策しています。
飲食がともなう披露宴の場合、このようなパーテーションを設置します。
――わあ、おしゃれですね! むしろこれがあった方が素敵!
御社ではこれまでの形にとらわれない結婚式をおこなっていますが、コロナ禍だからこそのユニークな結婚式はありましたか?
浅田さん 展示会形式で結婚式を行うおふたりがいらっしゃいます。
美術展のように、3階建ての会場を貸し切ってふたりが歩んできた人生、そしてゲストとの関わりを展示します。
ゲストが入場できる時間を3回に分けて、展示の最後にドレスアップしたふたりが待っている、という演出です。
――聞いたことのない形式ですね。密にならないし、記憶に残る。素敵な演出です。
浅田さん ほかにコロナで変わったことと言うと、結婚式までのプロセスをより大切にされる方が増えたように思います。
先の状況が読めず、本当に開催できるのか、不安な気持ちで過ごされている方が多い今。これまで以上にふうふで協力しあうことが不可欠になっています。
また、直前で進行や形式が変わることも増えました。
我々スタッフも、ヘアやメイクを担当される美容師さんも、臨機応変に対応することが求められますし、勇気をふりしぼって開催するおふたりの気持ちに寄り添うことが大事だと感じています。
――困難な状況だからこそ、これまで以上の結束が必要なんですね。
結婚式までの「プロセス」を楽しもう!
コロナ禍で始まった新しいサービスなどはありますか?
浅田さん はい、プロセスを楽しむというところで、「SHE, is CRAZY about THE DAY」と、「結婚式妄想記念日」というサービスをリリースしました。(「SHE, is CRAZY about THE DAY」は現在申込み停止中。「結婚式妄想記念日」は現在第2弾がリリース!詳細はこちら)
――どんなサービスなんですか?
「SHE, is CRAZY about THE DAY」は、「HOTEL SHE,」さんとの共同プロジェクトです。
コンセプトは「結婚式の定期便。」としています。
通常結婚式は、約半年間の準備期間を経て、1日限りの挙式や披露宴を行うスタイルですよね。
この準備期間は、おふたりの人生を振り返り、衣装や式の演出、引き出物などを選ぶ過程でお互いの価値観をすり合わせる機会でもあります。
こちらのサービスは、コロナで結婚式がキャンセルになってしまった人や、改めてお互いのことを知りたいと考えるカップルに、半年の間、毎月仲を深める様々な形のコンテンツをお届けするんです。
コンテンツは、「ふたりの『歩み』を知る」や「ふたりの『あそび』を知る」などのテーマに沿った内容です。
最後の月には、「HOTEL SHE,」さんに宿泊できるチケットが贈られるんです。
――へえ! 通常結婚式準備を通して得られるような経験を体験できるサービスなんですね。「プロセス」そのものを楽しめるんだ。
浅田さん もうひとつの「結婚式妄想記念日」というサービスは、気軽に楽しく結婚式について考えられるサービスです。
その人たちらしい結婚式に役立つアイテムを詰め込んだボックスをお届けします。
入っているのは4つ。結婚式相談のプロからのコメント入り「結婚式診断シート」、「どんな暮らしをしてみたい?」などさまざまなテーマを話し合える「問いカード」、直接いつでもなんでも相談できる「LINEアカウント」、そして楽しく会話できるように、ビール2本が入っています。(現在リリース中の第2弾では「おやつ」が入っています)
――ビール! 良い(笑)!
浅田さん 今すぐに結婚式の予定を立てられないという人も、楽しく気軽に話せる、というのを重要視していて。結婚式準備でよくあるのが、どちらか片方だけがやる気十分で、もう片方を温度差がある、というパターン。
このサービスを通じて、結婚式のことを考えるスタート地点の足並みをそろえて、「ふたりのこと」だという意識を共有していただきたいなと思っています。
――どうなるか分からない状況の中で、今すぐ結婚式に向けて行動する気になれないという人も、こんな風に楽しみながら結婚式について考えられるのって、良いですね!
結婚式って当日がメインのように思っていたけど、それまでのプロセスも同じくらい楽しくて大切なものなんですね。
こんな今だからこそ結婚式について立ち止まって考えて、また華やかな姿でみんなが集まれる日がきたら、よりそのありがたみを感じることができそうです。
浅田さん これまでの当たり前が変わった今だからこそ、弊社でもよりそれぞれのカップルによりそった結婚式の形を提案していきたいと思います。
――浅田さん、今日はありがとうございました!
(株)CRAZY
「人々が愛し合うための機会と勇気を提供し、パートナーシップの分断を解消する」
ということをPURPOSEとする企業。
オーダーメイドウエディングブランド「CRAZY WEDDING」をはじめとして、
人と人を繋ぐ場としてオープンした自社施設「IWAI OMOTESANDO」
オンライン結婚式サービス「Congrats」を運営している。
AUTHOR /ふじもげたん
今年の目標は旅行・出張先で必ず地酒を買うこと。
ウクレレ修行中です。