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オシャレで個性的!がんばる美容師アシスタントの日常/Vol.2 Rihoさん[SHIZEN BROOKLYN]
美容師の仕事ってどんなイメージでしょうか? オシャレ? 楽しそう? 練習がハードで激務?
美容師はすべての技術を合格して自分のお客さまに入れるようになる「スタイリストデビュー」までの修行期間🔰アシスタントを経て、やっと一人前になれるというキャリアが一般的です。
この連載記事では、そんな絶賛修行中のがんばるアシスタントさんにフォーカス。厳しい技術の練習に取り組んだり、先輩やお客さまの指導を受けたり……。山あり谷ありの修行期間ですが、パワフルに楽しく過ごしているアシスタントさんに取材し、モチベーションや夢についてうかがっていきます。
美容師のお仕事に興味のある小中高生の皆さんの参考になったり、ほかのサロンの仲間がどんなことを頑張っているか知りたいアシスタントの皆さんのヒントになれば嬉しいです★
ゲストはRihoさん[SHIZEN BROOKLYN/NY]
今年2回目の美容師さんは、ニューヨークから取材に応じてくださいました。
NYと東京・表参道に店舗を展開するTHE OVERSEA/SHIZENのアシスタントさんで、同社はアシスタント期間中東京とNYの店舗で研修するのだそうです。
Riho・りほ さん
1998年10月28日生まれ。千葉県出身。日本美容専門学校卒業。2021年にTHE OVERSEAに入社し、アシスタント2年目。2022年4月の取材時はNYのSHIZENで研修中でした。
美容師になりたいと思ったきっかけを教えてください。
そうなんですね! 一度大学に進学して、そこから改めて美容師をめざしたのはなぜですか?
THE OVERSEAは、元々オーナーのKOSHIさんがNYにSHIZENをオープンしたのが始まりのサロン。日本のブランドがNYに進出したのではなく、KOSHIさん自身がNYで積み重ねてきたものがルーツだから、表参道・青山のブランドサロンのの中でも異彩を放つ唯一無二のムードがあるのはうなずけることです。
Rihoさんの好きなものやこだわりについて深掘りしていきたいと思います。
「かっこいい髪をつくる人」ってかっこいい! 美容師の道へ
まず、美容師になりたかった理由をもう少し詳しくお聞きしてもいいですか? ファッションが好きだったのかな?
髪の毛を自分でスタイリングしたりするのも好きで。最初は漠然とかっこいいなと思うだけでしたが、「かっこいい髪型をつくる人たちってかっこいい」と思うようになったんです
Rihoさん個人のInstagramを拝見してもよくわかりますが、とっても個性的。テイストでいうと90年代っぽいファッションやカルチャーが好きなのかなと思ったのですが、どうですか?
一度、雑誌の作り手の方のトレンドセミナーにも行ったことがあり、日本のファッションも中身のあるカルチャーなんだ!と感銘を受けました
背景にも興味を持ったのですね。情熱がすごい!
※『FRUiT』1996年に写真家の青木正一氏が発行したストリートスナップ誌。
リスペクトとミーハー感をブランドミックスで表現
そんなRihoさんの、ファッションのこだわりをお聞きしていきます。心がけていることなどはありますか?
なので、昔のカルチャーも取り入れつつ今の時代のミーハー感を取り入れるように心がけていて……
たとえば、ブランドミックスとか。レイヴっぽい当時のブランド、ヒステリックグラマーとかオゾンコミュニティなどのアイテムに、今のリアルブランドで表現するようなコーディネートを心がけています
オゾンコミュニティ、懐かしい……。サロンワークのある日のコーディネートを何枚か送ってもらいました!
色づかいや柄のチョイスがオリジナリティがあってかわいいね。髪やメイクとの合わせも絶妙ですが、その辺のこだわりも聞かせてもらえますか?
また、色や柄、変わった形が好きなので、1つ着たいアイテムを選んで、合うシルエットのものを選んでいく感じです。変わった形のパンツが着たいと思ったら、それを中心に他のものを選んでいくとバランスがよくなります
確かに、1個1個が強烈なものが多いけど着こなしていますよね。足元も面白い!
でも、もともと人と被らない目立ったアイテムが好き! さらに、美容室のアシスタントは目立ってナンボだと思うので、面白いアイテムはどんどん挑戦していきます
覚えてもらうことが大事ですもんね。NYは、東京よりもお客さまも個性的な方が多そうだから、五度見くらいがちょうどいいのかも。
映画などで見ていた90年代のファッション、パンクやグランジなどを着こなす人を間近で見られるのはとても楽しくて。憧れだったのが、渡米してみて改めて“好き”に変わりました
実際に行って、住んで、という現地でしか味わえない部分に触れられるのは貴重な体験ですね!
自分で学びたいことを教えてもらうスタイルで日々奮闘中!
NYでの生活についても教えてください。NYにお店があるというのは、入社の決め手にもなりましたか?
お店のコンセプトやブランディングに関しても、就職活動中に毎月行って先輩方にいろいろ質問して調べましたが、弊店の一番好きなところは「髪型って自由だ!」と思えたところ。さらに、NYでの研修や生活を通してその“中身”を実感しています
NYでの生活で刺激を受けることはどんなことですか?
具体的には、ギャラリーも多くて一般の人たちがアートを楽しむ機会が圧倒的に多いですね。髪型とアートはつながっていると思うので、身近に感じられてインプットの機会が多いのはとても刺激になります
NYの風景を撮ってきてもらいました。ギャラリーにはよく足を運ぶのだそう。
ヘア作品のシューティングにしても、ヘアだけでなく総合的につくり出すプロセスが本当に勉強になります。モデルさんの背景など、“匂いのする写真”というか。モデルハントや準備の段階で、先輩やアーテイストたちとつくる過程を味わえるのは代えがたい経験です
遠いNYでの修行は、大変なことも多いそうですが「こっちは親切な人が多いですよ!」と笑うRihoさん。
心からサロンとファッション、ヘアを楽しんで、NYの新鮮なカルチャーを吸収しているのがZoomの画面越しからも伝わりました。
自分らしさ×サロンらしさを磨いて「生み出せる人」になりたい
最後に、どんな美容師さんになりたいか抱負をお聞かせください。
自分のオリジナルな部分を磨いていきたいと思っています。時代的に、単に個性があればいいというものでもないとは思いますが、量産的なものに傾注しすぎることもなく、バランスが取れて自分の色が出せるスタイリストになりたいです。
私が先輩に髪を切ってもらって「髪ってこんなに自由でいいんだ」と衝撃を受けたように、好きな服を着て好きな髪をまとう楽しさをお客さまにお届けしたい。そのうえで、私にやってほしいと思ってくださるお客さまを増やしていきたいです!
個性的で一見奇抜な装いのRihoさんですが、それに勝るくらいの溌溂とした笑顔が魅力的で、だから個性的な髪形やアイテムに「着られている感じ」がしないんだなと思ったインタビューでした。
強烈なリスペクトやオマージュは時に自分を迷わせてしまう諸刃の剣だと思いますが、好きなものとの向き合い方やNYと東京で働く双方の楽しさや厳しさを乗り越えれば、Rihoさんだけにしか表現できない“髪の楽しさ”を提供できる美容師さんになれるのではととっても楽しみになりました!✨
前回の記事はこちら↓
Vol.1 森あさひさん[LAND/東京・表参道]
AUTHOR /ななしま
月刊NEXT LEADER編集部→月刊BOB編集部→書籍編集部。好きなものは宝塚と蛙亭と、赤井秀一です。